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1. 教育基本法改正 03.1 文部科学省は02年11月、中央教育審議会に教育基本法の見直しを諮問した。そして昨今「教育基本法改正」の是非が様々な場で議論されている。前文と全十一条からなるこの法律は1947年に制定された。制定された理由として、前文に「ここに日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する」とある。ようするに日本国憲法の理念を反映する教育を行なう目的で制定された。この点に関しては素晴らしい法律だと思う。 では何が問題かというと、九条と十条に問題がある。具体的にいうと、九条とは「宗教教育」について記述されているが、これは戦前の国家神道と戦争の結びつきから、教育現場に宗教教育をもちこむのはやめようということだ。たしかに公教育の場で一宗教の授業を行なうことには、疑問を感じる。しかし、問題になっている要点は宗教教育を否定することによって、「家族・郷土・民族・国家・伝統・文化」までもが軽視されているのが、今現代の教育現場の実態だということだ。この点に関しては改正の余地があると思う。なぜなら、私自身もこの点に関する教育を受けていないので、例えばこの点にかんする教育を幼少から受けている米国人と比べると不足しているように痛感するからだ。 次に十条の話に移る。十条は「教育行政」について記述されているが、これは戦前の教育現場に権力者が介入して自由な教育ができなかったことから、不当な支配に服することはやめようということだ。「奴隷的拘束及び苦役からの自由」を規定した憲法十八条と共に、この十条の理念には賛同する。しかし、問題になっている要点は、教育現場で「不当な支配に服する」を「何者にも支配されない」と拡大解釈し、いくつかの勢力が自分たちの思想を公教育現場に持ち込んで、その思想を批判されると、この十条を“武器”として批判を受け付けないという実態がある。法律制定時の解釈と現代の解釈が異なり、ある勢力の思想を公教育の現場に持ち込むことに利用されているのならば、改正の余地はあると思う。 では法改正に反対している方々の意見とはどういうものなのかというと、改正によって「個人の尊厳が軽視される」と「戦前の過ちが繰り返される」という意見が多いようだ。しかし、この二点に関しては先に記述してきた通り、改正によってこの二点が失われるという論拠がない。 また、昨今の教育現場の荒廃は「教育基本法」が時代に合わないからではなく、教育基本法に沿った教育を現場がしていないからだという意見もあるようだが、先に記述した理由により九条と十条に関しては改正の余地があると思う。 |
