デジ絵本1 +月と猫

月と猫1 1

 あるところに、
独り立ちしてまもない仔猫がいました。  
ある日はじめて、水にうつる月を見ました。
月と猫2 2

 「 あれは、なに? 」

そっと手をのばして、つかまえようとしましたが、
水にうつる影はゆれて、月のすがたを消します。
月と猫3 3

 仔猫は悲しくて、
身をのりだして涙をこぼしました。  
 すると月影はますます、
チリヂリにくだけてしまうのでした。
月と猫4 4

 そのようすを、空の高みから見ていた月は、
かわいそうに思いました。  
それで青い猫の姿をかりて、
仔猫に声をかけたのです。  
「 あれは、近づくとこわれてしまう、水のマホウ。
それよりも、僕と一緒に見ていよう。 」
月と猫5 5

 それで、仔猫は泣くのをやめました。  
静かになった水にうつる月影を、
青い猫とならんで、ながめているのでした。

               おしまい

2002-06-01

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