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デジ絵本9 +みかんの夢

猫のいたずら


 1

 ぽかぽかと冬日のあたる、部屋のなか。
暖かい日差しに、みかんたちは、
うつらうつらと眠っていました。

 ところがいたずら猫が、
コタツの上にぴょんと飛び乗りました。
はじかれてみかんが1つ、コロリと転がり落ちました。
猫と小鳥と  


 2

 みかんが苦手な猫が蹴飛ばして、
開いた窓からみかんは庭に落ちました。

 見つけた小鳥が食べようとしたけれど、
小鳥には大きすぎるし、
猫はねらうしで、
みかんはどんどん転がっていくばかり。
 
一安心

 3


 どうやら騒ぎもおさまって、
みかんはホッと一息つきました。
猫も、小鳥もいなくなったかな?

 一人切りで窓から離れた草の影。
夕暮れ

 4


 冬の日はやがて傾いていきました。
忘れられたみかんは、暮れていく夕日に、
生まれた木を思い悲しくなりました。

 やがて月がぽかりと、
まだみかん色の空に浮かびました。

 みかんのひとつぶのように欠けた月。 


 5


 ハウス育ちのみかんは夕日と並ぶ月を見て
お日さまの幽霊だと思ってしまいました。
でも、半分食べられちゃったようなので、
あんまり怖くありません。
くすくすと笑うと、
暖かなお日様を胸の中に抱いているようで、
なんだか寂しくなくなりました。

今あなたが見ている月は、
ひょっとしたらみかんの見ている夢かもしれません。


                おしまい。

2003年11月 1部修正

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