デジ絵本21 +1枚の羽根
大きな羽根
1、
忙しい日々に追われる中、ある町の真ん中に大きな一枚の羽根が落ちていました。
噂は広まって人々は仕事の手を休めて集まります。
「こんな大きな羽根を持つ鳥がいるのか?」
「きっと山のように大きい鳥だよ。」
「町を襲ってこないかな、こんな大きな鳥が降りただけでも屋根が痛んじまう。」
人々は羽根の周りでザワザワと困惑顔をしています。

空に上って
2、
「邪魔だよ、どけとくれ。」誰かが言います。
何人かで持ち上げようとすると、白い羽根はふわりと軽くて空気のようです。
ひんやりした風が吹くと、羽根はみなの手を離れてはらりと空に上っていきます。

白い雲になりました。
3、
どんどんどんどんのぼって、その羽根は空一面に広がるうすいすじ雲になりました。
町の人たちはみな、ぽかんと口をあけて空を眺めています。
空はすっかり澄みわたり、白いすじ雲やうろこ雲がのんびり浮かんでします。

秋ですね。
4、
「ああ、もう秋が来たんだなぁ。」
その後街の人々は何事もなかったように、おのおの居場所へと戻っていきました。
でもたまには仕事の手を休めて空を眺めたり、
時には花を植えたりして、季節の訪れを楽しむようになりました。


            おしまい

2004-10-11

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