小さな世界のクセに遠い距離。
僕は、一粒、また一粒と
丸い塊を飲みこんで過ごしておりました。
誰から見ても完璧な異常者
そう想われておりました。
僕の上にはいつも重苦しい石が落ちて
そして、足には鎖が絡まり、
口が縫いつけられ、
何も出来ずにおりました。
全ては自分が可愛くて仕様がなかったのです。
僕は、或る日
爪切りで皮膚を切りました。
踊り狂う血は僕を慰めてくれました。
そのたびに、僕は涙をこぼし
嬉たる思いに笑いました。
降りだした雨が止まずにいました。
僕は、いつも凶器を持っていました。
それは、自分を傷つけるものであれば、
なんだってよかったのです。
身近にあるもの、それがいつも凶器に変わります。
自分を傷つけることで僕は救われていたのです。
そして、此の世に留まり続けていられたのです。
刻みついた痛みがわからず、
僕は、狂いました。
全てを拒否し創めました。
人の目線など、何時の間にか
特別視へと移り変わり
軽蔑なんて想像つかなくありました。
只管に自身を傷つけ
只管に手を洗い続けました。
苦しい想いなぞ自身で起していたのに、
全てを人のせいにしておりました。
何も気づかない僕は、
僕は、水と血に溺れました。
人は一人で生きてゆく。
そういうものだ、と聞いたときがあります。
いずれは一人で生きてゆく。
全ては現実を見る事の出来る目と
己自身の意思の強弱によって
歩むべき道があり、出会える場所がある。
小さき世界、
人と人とが簡単に遇える時代。
だけれども、
人の内面と人の内面ほど遠い距離はない。