きっと今は夜なんだ。静かだからね。
僕は、今黒いお月様を見ています。
昨日の夜
殺人鬼は僕の前に現れたのです。
そいつはナイフをもち仮面を被っていました。
ナイフなんかでは
完全死の可能性なんて半々なのに
悲鳴をあげながら逃げていた僕は
死を恐れていたのです。
助けてください。
そう願って警察に駆け込んだのに
手に手錠をかけられました。
未成年のクセに。
それが警察の言い草です。
シンヤニデアルイテイルカライケナイ。
所詮、僕は何の権力もない
ただのミセイネンという言葉に
全てを汚されたのです。
今朝、僕は牢屋の中で目覚めました。
カチャカチャと音を立てながら
朝食を持ってきてくれた人は、
僕の朝食を前にして
真っ青な血を吹きました。
僕は、それを食べることも出来ず、
腹をすかせてただ嫌悪をしていました。
お昼になると、
冷たい北風が窓から吹いてきて
凍えそうでした。
僕は何も出来ず、何も言えず
でも、この僕の名前も
呼ばれないこの空間は好きです。
だって、みんなうるさいくらいに
僕を呼ぶんですから。
そのたびに、思いもしない
不安定な感情が芽生えて
僕を凶暴にさせているのだから。
夕方になると、
隣の若人が歌を歌い始めました。
もの静かなこの牢屋で
響くその声は
少しの人を落ち着かせ眠りにつかせたのです。
次の日の早朝、僕の目の前には
電気椅子がありました。
僕は死ぬようです。
電流が流れる度に
僕は泣きました。
息絶えるまで僕が感じたものは
矛盾した考えの人間と
嘲た声を出した観覧者と
寂しく届かない僕の悲鳴だけでした。
僕は、死にたくないんです。
助けて欲しかっただけなんです。