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【シンプル・辛口】
“そのシンプルさゆえ、人によってさまざまなこだわりが生まれる”というマティーニ(ドライ・ジン+ドライ・ベルモット+レモン・ピール)。カクテルのキング・オブ・キングスは、うちのはるかの地に似合うというより、ちょっとかっこつけ目のはるかというシチュエーションが基本。 ボンドカーに喜んで乗ってるはるかは、ジェームス・ボンドが好きだというマティーニ、ステアじゃなくてシェークで作る特別なのを自ら作ったりして(自分で作んないと気に入らないとか)お気に入りにしそうである。すっきりと盛装して飲んでほしい。 |
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【柑橘系】 柑橘系、特にレモン、ライム。これもはるかには大人過ぎとは思うが、チャンドラーの『長いお別れ』で印象的に登場するギムレット(ドライ・ジン+ライムジュース)。 もっとも、守峰にとっては、鮎川哲也の三番館シリーズ(カクテルを作るのがあまりうまくうない達磨大師のようなバーテンダーが名推理を発揮する安楽椅子探偵もの)で、事件が解決するまえでは甘いバイオレットフィズを我慢して飲んでいる主人公の探偵が、事件が解決するや飲むカクテルとして、子供の頃から名前だけ知っていたカクテル、というなじみ方のもの。 いずれにせよある程度くたびれて味の出たおじさん達が飲んでるもの。がんばれはるか。 |
柑橘系の基本にはサイドカー(ブランデー+コアントロー+レモンジュース。なお、これにラムが加わると、問題のビトウィーン・ザ・シーツになる〈注2〉)があるが、これ自体はブランデーのためオレンジ色という暖色系になるのがちょっとはるかから離れる要因。 |
スピリッツ+コアントロー(ホワイトキュラソー:オレンジのリキュール)+柑橘系ジュース、というサイドカーの変形には、・バラライカ(ウォッカ+ホワイトキュラソー+レモン・ジュース) ・カミカゼ(ウォッカ+ホワイトキュラソー+ライム・ジュース) ・X.Y.Z.(ラム+ホワイト・キュラソー+レモン・ジュース) 等がある。 |
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テキーラベースで、グラスをスノー・スタイル(グラスの縁に塩とか砂糖がうっすらついているもの。この場合は塩)にしたマルガリータは、天国の恋人に捧げるカクテルというあたりがらぶらぶ系はるみち愛好家の淑女の皆様の受けがいいかもしれないが、そういう悲恋物語がうっとうしいので、うちのはるかにはパス。 |
“甘くない”という条件のため、砂糖を入れたカクテルはパスしているのであるが、それでもなお捨て難く残したのがダイキリ(ラム〈ホワイト〉+ライム・ジュース+砂糖)。ライム、という非常にはるか的な柑橘系が使われていることもあるが、フローズン・スタイルに仕上げることも可、という清涼感が魅力的だった。 本当は砂糖を入れるカクテルを砂糖抜きで作る、というのはいかにもうちのはるからしくていい、やってみたい! と思っていたら、全く同じことをヘミングウェイが『海流の中の島々』でやっていたらしい(“おいフローズンダイキリをもう1杯つくってくれ。もちろん砂糖ぬきでな”)。 くそう、と思う反面、ヘミングウェイはるかというのも、アウトドア派でちょっと筋肉系な感じだけど、頑固で孤独で可愛いかもしれない、と妄想が働いてしまったことである。 ちなみに、大昔サーティーワン・アイスクリームのフレーバーのひとつに“ダイキリ・アイス”というシャーベットがあり、その薄青緑の色の涼しさやさっぱりした口当たりが好きだったような遠い記憶がある。 |
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【透明感+カットライム】 ソーダの入った透明なグラスにカットライム、といういかにも澄み切った感じのもの。・ジン・リッキー(ドライ・ジン+ライム+ソーダ水) ・モスコー・ミュール(ウォッカ+ライム・ジュース+ジンジャー・ビアー+カット・ライム) ・ジン・トニック(ドライ・ジン+トニック・ウォーター、好みでカット・ライムやスライス・レモンを飾る)等。 特にジン・トニックは、トニック・ウォーターにキニーネが含まれていて、昔はマラリアよけに飲まれていたというあたりが、幼児期はパパに連れられて世界の危険地帯(多くは熱帯・亜熱帯・乾燥地帯)を渡り歩いていたという特殊設定をもつ(だから激辛大王)はるか向き。 |
スプリッツァー(白ワイン+ソーダ水、好みでスライス・ライムを飾る)はあまりにも低アルコールで、お酒が強くなさそうなうちのはるかでも自ら“好き”とは言えない(意地である)だろうなあ、と思ったが、ザルツブルグ(モーツァルトの生誕地)でモーツァルト音楽祭のときに供される、という点、モーツァルトと誕生日が同じはるか関連のものとして、外せないカクテルであろう。 |


