銅線まき VS 銅パイプ、綱引き編

 ワイヤー端末処理の強度実験第三弾として、今回は銅線巻き式と銅パイプカシメ式との綱引き実験を試みてみました。
 
 ★試験ワイヤー、ブロダックφ0.38の7本撚りステンレスワイヤー、長さ約250mm。
 ★端末の一方のワイヤーを2回折り返し0.4mmニクロム線にて25mmの巾を一往復巻きつけ。反対側は銅パイプに2回折り返し通しでカシメ。
 ★両端ともグロメット通し。
 ★試験機に上側を銅線巻き、下をパイプカシメにしてセット。
 ★引っ張りの速度は10mm/minで、ジワリ引き。
 
 以上の内容でいざ試験開始! 

一本のワイヤーの両端を端末処理の代表的な方法で行ってみました。
実験直前、試験機の上側は銅線巻きつけ式をセット。
さ〜て、どっちの処理方法に軍配があがるか〜。
あら〜っと、やっぱり下のパイプカシメが負けました。破断ポイントはやはりパイプカシメの終端部分です。
銅線巻きの勝利!
 表題がワイヤーカシメになってますが気にしないで。
 引っ張りストロークが3ミリ付近までは銅線巻きも踏ん張っていましたが130N付近で一度荷重抜けが起こってますので銅線巻き付け部が一挙に縮んだことでワイヤーが伸ばされたようです。
 あとは少ない試験力でもずるずると銅線巻き部分が縮んでいきながら相対的にワイヤーが伸ばされていって180N、ストローク10mmのところで銅線巻きの縮みが終息し、次いでパイプカシメ終端部に一気に応力集中が起こったようで、間髪いれずこの部分で破断しました。

 試験結果から推測すると・・・・
 パイプカシメはカシメ終端部に荷重の応力集中が起こることで、ワイヤー自体が持っている破断荷重の数値を下回ってしまうようです。
 銅線巻きはこの辺りの応力が巻き付けられた銅線の効果で広範囲に分散するため、ほぼ破断荷重まで持ち応えられると思われます。
 もう一つ銅線巻きの効果としては、ワイヤーに屈曲動作が何回も繰り返された時、銅線巻きは全体が適度にしなって、ワイヤーがピンポイントに屈曲するのを防いでくれます。パイプカシメ
は終端部分に屈曲が集中して起こり、長い間の使用でこの部分のワイヤー強度が極端に低下してしまうことが考えられます。使い古しのパイプカシメのワイヤーは上記のグラフを数十パー
セントは下回る可能性があるようです。
 銅線巻きのデメリットとしては、強風時の飛行で引っ張り荷重が過大になったときは、銅線巻き付け部分が縮んでワイヤーの長さが若干伸びる可能性があります。まぁ2本とも同じように
伸びていれば問題ないのでしょうが・・・試験結果からの推測です。
 
 実は私も初心者レベルなので、今まではパイプカシメで端末処理を行っていましたが、実験結果を目の当たりにすると面倒でも銅線巻きで処理しようと改心しました。
 結論、パイプカシメはワイヤーを弱くするよ。です。
 こんな感じになりましたが、今後も色々と実験君をやってみたいと思っとりますですハイ。
 
 
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