松田聖子さんは1999年4月22日現在37歳。
私よりも学年では2つ上のお姉さんです。でもそれでも私にとっては「聖子ちゃん」であって「聖子さん」ではないのです。正直言ってファンでした・・・いえファンです。今も。
松田聖子さんは、アイドルが小粒で実力不足だといわれた80年代を一人で背負った人でした。良くも悪くも私たちの人生の灯台のように80年代というもののイメージを残してくれた人です。
彼女をここで今讚えたいと思います。自分の青春時代を肯定するためにも。(実はこのホームページを立ち上げた理由の一つは、このコーナーをやりたかったことがあったりするのです。)
ちなみにこのシリーズは何回かに分けてやるつもりです。どうぞお付き合い下さいませ。
青い珊瑚礁
この曲で一躍メジャー入りしました彼女。デビュー曲は「裸足の季節」でしたが、この曲で一躍大ブレイク。ベストテンの常連になりました。聖子カット、懐かしいなあ。今の女子高生だったら「ケッ」といっておしまいでしょうけど、本当に最後の典型的な「アイドル」だったかもしれません。岡田有希子さんがその正統系列だったのに・・・惜しいことをしました。まあ、ここではその話はしますまい。
この曲で聖子さんの高音の伸びが私たちの心をつかみました。しかし哀しいかな、この曲(そしてこの曲にあやかった一連の高音を多用したシングルによって)の歌い過ぎにより彼女は二度とこの当時の華麗な高音を再現できなくなるとは・・・その点で聖子さんファンには懐かしくも切ないシングルであります。この曲のイントロはよくキーボードで練習しました。A-Dm-A-D-Eですよね。
チェリー・ブラッサム
初期の小田裕一郎の一極支配から抜け出して財津和夫作曲のA面シングル。(それにしても財津和夫と財津一郎って間違えてしまいます。未だに。)
この歌の収穫はなんといっても、「草の花は 『Flower』、木の花は『Blossom』」という勉強が一気に出来たことです。このシングルのジャケットが薄い青(そう、ボンダイブルー(BY Apple Co.)そのままだ!!)でなんか良かった。
メロディーは財津和夫らしく抑制されたもので、ちょっと地味目だったけどかえって新鮮だった。ここから聖子さんの作家陣にニューミュージック界の大物が採用されるようになる。いよいよ階段を駆け登るのだ!!
ちなみにこの曲の振り付け(ちょっとお尻を振りながら横にグラインドするパターン)が特徴的で山田邦子をはじめとしてまねられるようになります。
夏の扉
この曲は、楽曲的には彼女の曲の中でも傑作に数えられると思います。イントロの素晴らしさは例えようもない。凡庸な歌詞が残念至極です。もっともこれはプロダクションとかの意向もあって三浦徳子さんだけの罪ではないと思いたいですけれど。
いきなりシンセサイザーらしい響きで華々しいメロディーがほとばしります。そして後に彼女の曲で数曲のシングルのパターンになる(A♭→B♭→C『注:絶対ドでの記述』)のコード進行が入って、彼女のボーカルが入るわけです。
この曲を聴かないと、私の夏は始まりません。絶対に。
花一色(はなひといろ)
彼女が主演した『野菊の墓』の主題歌です。これはなんともまたファンには恥ずかしい映画で、聖子さんの広めのおでこが衆目にさらされたこともあるし、オーディションで選んだ相手役(素人)もトホホだったというもので・・・(ちなみに私は予告編だけで気恥ずかしくて実際の映画は見ずじまい。でもそれで良かったと思っています。)
でも、この主題歌はいいです。人の夢で儚い(はかない)と読むなんて、漢字の勉強ですな。それでもこれは『人の爲と書いて偽(にせ)』と同じくらいインパクトのある漢字の解釈です。
歌謡曲としては珍しい3拍子のこの曲。なかなかベストにも収められませんでしたが、『Complete Bible』で初めて収録され、早速手に入れました。
渚のバルコニー
作曲は呉田軽穂。言わずとしれてますから正体は言いますまい。また、この名の由来も・・・
赤いスイートピーからの流れでの曲提供だと思われます。この曲はイントロが短いですね。カラオケでは歌いにくい。それに低音が比較的多いので盛り上がりには欠ける。ここら辺りから聖子さんの曲の路線が微妙に変わってくるのです。
秘密の花園
この曲も呉田軽穂ですが、雰囲気が一段と大人びて淫靡な方向に向かっています。イントロのピチカートからして怪しい雰囲気です。「制服」のイントロが『昼間』の日の光を感じさせるとしたら、これは『真夜中』の月の光のイメージ。この辺から、彼女の歌の世界が現実感よりはバーチャルなイメージの方向に移っていく。ミステリアスでありながら実はエロティックな炎を内包した、とでも言うべきか。
秘密の花園が何を意味するかは公然の秘密というやつですね。こういう歌が最近減っているような気がする。なんでもストレートがいいわけじゃあ、ない。
天国のキッス
この曲は細野晴臣氏によるもの。単純そうにみえながら、実は頻繁に転調を繰り返しているために、音程をとるのは難しい。キーボードで弾いてみるとよくわかります。この辺は、彼女のコケティッシュな声質を良く生かしているところで、同様な雰囲気の漂う『ピンクのモーツァルト(どういう題名だ!?)』も、同じ細野氏の作曲。
アイドルのどこを売りにするか、ということについて、遥かにアイドル自身の個性(それがメディアの中で作られる偶像[=アイドル]であるとしても・・・)を、この時代はまず第一にしていました。誰がプロデュースするか、で左右されることなんてなかったし、プロデューサの名だけで曲がヒットすることもなかった。果たしてどちらが健康的であるのか。
Sweet Memories
今更説明するまでもないけど、まあお約束ということで・・・。 サントリーのCMと曲が見事にシンクロしてヒットした典型。ペンギンのアニメがこれまた良かった。下手な役者がやるよりも心憎い演出に、一緒に泣きそうになった名作もありました。『泣かせる味じゃん』なんてね。
最初は、誰が歌っているのかわからなかったくらいでした。なんたってCMで流れたのが英語の部分であったから。まあ、この曲のヒットによって彼女の日米にまたがった野望のきっかけになった、といったら大袈裟でしょうか。
ちなみに、この曲はB面(今や死語?)。A面は『ガラスの林檎』。どちらもスローテンポであるのは不思議だが、これだけの名曲が両面というのも結果論だけど凄い。そういえば、両A面なんてシングルも出たことがあった。
ボン・ボヤージュ
これは『ロックン・ルージュ』のB面。両曲とも呉田軽穂です。
この曲の設定が、初めて親に嘘をついて男性と旅をする女性が、目的地に着くまでの列車内での思いを綴るという、これまたこそばゆいところを狙っている。
彼女も、今はレコード会社移籍でちょっとゴタゴタしているらしい。
昔と比べて、歌以外の話題がめっきり多くなってしまった。
しかし、多分もっとも長い間アイドルであり続ける彼女はやはり稀有な存在であると思う。いつまでも私たちを悩ませる存在であって欲しいとも思うこの頃です。
それでは次回をお楽しみに。