今、よみがえる名曲!?

 このホームページ自体が私の懐古趣味というか、ちょっとした現実逃避のようなものですが、前向きな意味を一つ挙げるとすれば、やはり記憶の海に埋もれていった名曲を発掘することにあると思います。
 とはいいながら、遺跡発掘のように偽物が横行するようなものでは困りますから、出来れば皆さまに納得いただけるものでないと・・・そう思いつつ選んだのがここに挙げる曲です。

 「あ、そうだね、そういえばそういう曲あったよね!」 とご賛同いただける方だけではなく、「そもそもそんな曲あったっけ? 知らないなあ〜」という方もいらっしゃるかもしれません。もう廃盤となったものも多いしね・・・それでも数少ない同志のためにがんばってみましょう。

 何はともあれ、始めることと致しましょう。


炎のたからもの
 これは、むしろ立派に皆が覚えている曲かなあ。歌っているのはボビー。わからない人には『ルパン三世 カリオストロの城』の主題歌、といえばピンとくるでしょう。宮崎駿が、ルパンの原点に戻って描いた痛快娯楽アニメ名画ですな。その中で、イメージ的に従来の「マンガの主題歌」という枠組みから飛躍した大人の雰囲気の深い印象を残す佳曲です。大野雄二作曲。いいねえ。

 いい曲ですよね。3拍子のゆっくりした曲調なんだけれど、ボビーのハスキーボイスで歌い込まれるとなんかその世界にすっぽり連れていかれるようで。コーラスでのさりげない導入もいいですよね。

 この歌、一度テレビでしっとりと聴きたいのだけれど無理ですかね。そうすれば私の長年の疑問、『ボビーって誰?』というのが解けると思うのですが。これはきっと声の質からいって高橋真梨子でもいけるかもしれない。一度カバーしてくれないかな。

愛は心の仕事です
 これは、当時はかなり「誤解」されていたのではないかな。私もその一人。なんてったって、菊池桃子 with ラ・ムー だからねえ。アイドル歌手になんかわからんバンドがくっついているのは、かなりミスマッチに映ったと思うのです。タイトルもこれだけだとなんだかなあ、だし。
 そういうことなんで、私もすっかり忘れ去っていたわけなんですよ。ところが、ひょんなことから最近耳にしたら、結構これが良かったんですよ。いかにもプロっぽいバックバンドのサウンドに、あの「追いがつお」桃子のオブラートでくるんだような声が妙にマッチしている。しかも結構うまい。英語もなかなかだし。

 全体的にメロディよりはリズムに重点をおいている。しかし支えるハーモニーがよく出来ている。とにかく良く出来ている。

 桃子も最初の頃は、かなり声量も少なく音程も不安定で、その辺のアイドル歌手と変わらなかったが、多分この曲までにボイストレーニングを積んだと思う。堂々たる代表曲だ。(ちょっと誉め過ぎか!?)

フライデー・チャイナタウン
 これは結構いけてるぞ。歌っているのは泰葉(やすは)。「どうもすいません」でおなじみの林家三平の娘だ。海老名みどりの妹。こぶ平の姉(妹? まあどっちでもいいや)。とにかく演芸ファミリーの中の突然変異ですな。もっとも結婚した相手は春風亭小朝だから結局そういう意味ではまとまっているといえばまとまっているが。音大で勉強したいといって早々に引退してしまった。だからかなり希少なイメージがありますね。

 曲の入りから、かなり低音中心のリズムで、ドスが利いてます。この辺、泰葉のイメージにあっているんだよなあ。いかにもペダル踏みっぱなしでピアノの鍵盤を叩きのめしているような感じ。声も実にストレートで気持ちいい。曲の内容は、要は好きな男の気を引こうとしてわざと高い服をねだったり夜明まで酒を付きあわせたりというものなのだが、そこにチャイナタウンがどうからむのかはよくわからないけれど、何か奮い立たせるものがあります。

 ただ、残念なのはちょっと歌謡曲っぽいんですよね。ちょっとそこが重たい。もうちょっと垢抜ければ、パワフルな八神純子(彼女も十分パワフルだけど)といった感じになったと思う。

 次のラヴ・ステップと共に、派手派手ピアニスティックな女性ボーカルの名曲の双璧でしょう。

ラヴ・ステップ
 これは越美晴さんの「恐らく」デビュー曲だと思います。今はコシミハルというカタカナ名で活動されているみたい。当時はなんかコケティッシュでいたずら好きな小猫タイプの典型。小っちゃくて細くてかっこよかった。一度NHKのサンディーズの一員でもあった。渋谷哲平あたりと同期かな? 哲平は哲平で懐かしいな。そういえば川崎麻世も一緒だったような・・・ああ人に歴史あり。

 この人は、なんたって歌うときに肩を極端に揺らすし、マイクに吸い付くような歌い方をするんですよね。足も細くてパンツが似合うから、枠がスケルトンタイプのピアノを弾かせたらカッコ良さは世界一じゃあないだろうか。鍵盤もアクリルでつくって欲しい。

 で、当時はそういうビジュアルだけが気になって曲を聴いている場合じゃあないという感じだったけど、今聴いていると、いいんだよねえ。多分アドリブで入ってくる彼女のピアノのパッセージが粋で気が利いてる。グリッサンド大好き。歌の末尾は第五音で終わるという珍しい試み。惜しむらくは、ニューミュージックの波よりもあまりにも登場が早すぎたことだった。

Bye-bye ガール
 これは、少女隊ですよ。少女隊。おぼえていますか〜。それじゃあ飯島愛、ではなくて飯島真理。
 少女隊も、最初いたチーコの方が可愛くて好きだったんだけど、その後引き継いだ引田智子も生意気でちょっと良かった。最近は元メンバーが脱いだとかそういう情報が多いなあ。少年隊よりも寿命が短いのは「少女」の宿命か・・・

 女性3人組というのは、キャンディーズ、トライアングルという黄金時代があったわけですが、そこへもつながっている「ちゃんとした」アイドル。正統派ですな。それでも「隊」はなかったんのではないかな、と。かえってネーミング的には「筋肉少女帯」の方が目立ってしまったし。女性グループではないのに。

 この曲は、ちょっとチャールストン入っていてジャズっぽいいいリズムですね。イントロも必要かつ十分で小気味よい。よくイントロだけで1分以上伸ばしている曲がありますが、あれはポップスとしてはいただけません。編曲者の自己満足でしょう。それはさておき、三人のハーモニーから入るのは、キャンディーズからの伝統が生きてます。こういう伴奏の合いの手がうまく出来ている編曲は嬉しくなってしまいます。ブラスをうまく使っている。

 彼女達には、「Forever」という初期の名曲があって、何かのコマーシャルソングだったと思うのだけれど、かなり大人数が果樹園みたいな中で少女隊を中心に踊っていた壮大な構図が脳裏に焼き付いています。 

夢見るシーズン
 伊藤つかさ、なんだよねえ、これが。
 デビュー曲は「少女人形」、凄いフェチなタイトル。南こうせつも良くこういう曲提供したなあ、って思いました。しかも年齢制限でベストテンに生で出られなかったし。おいおい状態だったよねえ。
 さて、この曲は彼女の3枚目のシングル。原由子さんの作詞作曲です。原坊(今もこう呼んでいいのかな?)は本当に「可愛い」曲を作りますよねえ。あの斎藤由貴の名曲「少女時代」も彼女の曲です。どうも少女趣味な世界が得意というかなんというか、まったく脱帽です。そういうわけで、伊藤つかさの本来の魅力を引きだしたのがこの曲でしょう。(シングル2枚目の「夕暮れ物語」も加藤和彦の暗めな曲調が今一だったしね・・・)

 伊藤つかさは、とにかく声量もないし音域が狭いからね。息続かないし。(なんかけなしているみたいだけど、当然そんなことはない。それがいいんだよね派だ)多分1オクターブそこそこでつくってあると思う。それでもメロディと編曲とで絶妙に補っている。高音は裏返ってしまうので、サビは中低音域でまとまっています。ナイス。「こころの中は まだ寒いけど 恋が芽生えたら素敵なシーズン」のところですが、後半の4分音符がちょっと走っています。なんとか踏みとどまったという感じ。この、聴く人に心配させてしまうところが魅力なのかも。
 彼女の曲の中でも危うい中に微妙なバランスを保っている(何まじめにまとめようとしているんだか)佳曲でしょう。

天才ドロンボー
 最後は、ちょっと番外編で。これはタイムボカンシリーズの傑作、ヤッターマンの中の挿入曲だったと思う。これがねえ、ドロンジョ、トンズラー、ボヤッキーの各声優が乗りに乗っていて聴いていて本当に楽しくなってしまうんですよね。1番、2番と進むごとにさらにエスカレートしていくので全曲聴かなきゃダメです。
 それにしても、ヤッターマンは面白かったねえ。まるで水戸黄門のように構成はほとんどおんなじなのに、あれだけ楽しませたのは、それだけ質が高かったのでしょう。「おだてブタ」も名曲だ。

 こういうキャラクターが明確な番組は面白い。妙にイメージだけの主題歌はつまらない。水木一郎に歌わせろ!!
 妙に興奮しながら今回は終わります。


 こうしてみると、女性ボーカルばっかりばかりです。男性ボーカルでも結構いいとは思うんだけどそのうち特集しますか。舟木一夫の「銭形平次」とか、あおい輝彦の「ああ、人生に涙あり」とか。なんで時代劇なんだ。

 それでは次回をお楽しみに。