『頭がいい人、悪い人の話し方』という本がベストセラーになり、100万部を突破したそうだ。
私も読んで見た。
結論から言おう。酷い本であった。
いや、酷いは言い過ぎた。100万部も売れる筈のない普通の本であった。
本の良し悪しは売り上げ部数とは一切関係ない。良い例だな。
何故この本が売れたかと言うと恐らく、そのストレートなまでのタイトルにあると思われる。
サブタイトル的に『バカと呼ばれないための知的実用書』ともあるが、
つまりは誰しも、バカにされたくないのである。
バカにされたくないから、世の中のバカの話が聞きたくてたまらないのだろう。
この本を読んで『自覚するためのワンポイント』を参考に実践する人がいたら、それこそバカである。
バカとか利口とか言うものは、そんな単純なものではなかろうに・・・・・・・
タイトルを著者が付けたのか、編集者が付けたのか私は解らない。
或いは、商業上の目的でそういう事にしたのかも知れない。そうだとしたなら、ある意味大成功と言える。
(なんせ100万部超ですから)
しかし、この本の本当の(裏の)タイトルは、『愚かに見られる話し方』と言った辺りだろう。
それなら解る。共感できる所もある。
そもそも、著者の主観による感想なのだから何を書こうが勝手である。
気に入らなければ、だまってゴミ箱に捨てればよい。
だが、ここまで売れてしまうと(影響力も考えて)勝手という訳にもいかない気がする。
まぁ、勝手といえば勝手なのだが、タイトルが誇大広告というか嘘なのだから問題ありだとも思う。
著者はこの本の中で、『自分の価値観だけですべてを判断する』人も頭が悪いと言っている。
では、一体何で判断するのだろう。他人の価値観か?それとも普遍的な道徳?客観的視点に基づいて判断せよと?
どれもこれも、つまる所自分の価値観に過ぎない。
他人の価値観が解るとして、それを判断しているのは自分である。
普遍的な道徳って・・・・法律の事?(自問自答)
客観的視点〜・・・・・・・つまりは、自分がそう思い込んでいる視点である。
ちょっと嫌な言い方をしてしまった。
著者の本当に言いたいことも解らないでもない。
ある行動に対して、本当の所は相手がどういう考えでそういう行動をとっているのか解らないのだから、
断定的に否定せず、相手の気持ちも察してあげられるような人が賢い人間だ。
イコール、そういう考え方が出来るように、自分の価値判断の基準を高めていくべきだと言う事なのだろう。
であるならば、尚の事、(著者の価値観による断定であるならばの話だが)この本のタイトルは改めるべきだと思う。
(まぁ、商業的理由によるのだとしても大差はないのだが。)
学校の成績で決める頭の良し悪しは別の問題として、一般的な部分に於いての頭の良し悪しとは、
相手を深く知らない限りは、断定など出来るものではない。
時には、バカと思われてもやらなくてはいけない事もある。
賛否は別だが、小泉総理の靖国参拝とて、あれだけの反感を受け、日中関係を悪化させ、
バカじゃないかと思う人もいるとは思う。
が、彼にとっては日本の為に死んでいった人々への
感謝と畏敬、哀悼の念をささげる為にも参拝せねばならないと言う強い想いによるものなのだ。
バカと呼ばれて死んでいった人でも、後の世で評価されるかも知れない。
『バカと呼ばれないための知的実用書』なんていうバカな事をやってないで、
賢くなるには、いかにモノを考える事が大切かという事を教えた方がよっぽど実用的だろうに。
偉そうな事を言ってもまだまだ、私もバカの領域だと自認している。
だから考える。
戻る