私は疑う事が大切だと繰り返し述べてきた。
考える事なしに信じてしまう事の危険性を訴えてきたのだ。
そういった意味で宗教に対して懐疑的なのである。
宗教とは信じなさいと教える。「私を信じなさい」「神を信じなさい」と。

しかし一方、宗教からは素晴らしい芸術が生まれる。
宗教に関するあらゆる建築物、仏像、ミケランジェロの絵画なども大きな意味ではそうだろう。
あれらは敬虔なる気持ち、絶対的な信仰心、そういった作者の思いが込められているから素晴らしいのだと思う。
逆に言えば疑う気持ちからは、人の心を揺さぶるような芸術は決して生まれないと思う。

私は疑う人間である。
にも関わらず、あれらの芸術には心を惹かれる。
それが何故なのかは解らない。
もしかしたら、『信じる』『疑う』という枠を超越した何かが、そこにはあるのかも知れない。
私にはそれが何だか解らないが、『解らない』というその事がまさに『疑う』精神なのである。

この不思議、この面白さ、やはり考える事(疑うこと)はやめられない。
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