異能使い二式 by.ATM
【海の彼方に潜むもの】
cast:屍奈落、Final、火龍、RYUJI
OPテーマ「SCISSORS」(Fence of Defense)、EDテーマ「暁に捧ぐ」(Fence of Defense)

このページは、異能使い二式のセッションの補足をするために用意されたページです。



現代へ至る道

異能使い一式 キャンペーン
【the Dancing Shadow in the Dark Side】

 遥か太古の昔。
"真祖"と呼ばれる存在が居た。
 ヒトとは異なる"異能"という圧倒的な力を持つ"真祖"と呼ばれる存在が居た。
 ヒトビトの間では饒速日尊(ニギハヤヒノミコト)と呼び習わされる彼は、遠い遠い未来を視、自らの子供たちがヒトの社会の陰に隠れてひっそりと暮らしている事を知った。
"異能"という力がありながら、ヒトという矮小な存在に隠れざるを得ない子供たち(=異能者たち)の行く末を哀しんだ彼は、未来を変えるための行動を起こした。
 ヒトが異能者を圧する前に、その全てを滅ぼしてしまおうとしたのである。
"真祖"は、ヒトビトを殲滅するために"夜族"と"妖精"と"神楽人形"を作り出し、魔性の軍勢を率い、異能者の未来を切り開くための戦いへ乗り出した。
 異能の力に立ち向かう術を持たないヒトは瞬く間に駆逐されていったが、思わぬところから反撃の火の手は上がった。
"真祖"の最愛の息子"奇為"、夜族の祖"荒神火"、妖精の祖"幸乃主"、神楽人形の祖"和姫"。
 彼ら四人は、それぞれの理由を抱いてヒトに心を寄せ、"真祖"へ反旗を翻し、"真祖"の元から盗み出した強力な霊具《三種の神器》を用いてこれを封印する。
 こうして、ヒトは滅びを免れ、定められたとおりに時は刻まれた。

 時は流れて現代。
 六道学園の副生徒会長・拝雅輝と、彼に付き従う一部の生徒たちが、《玉》と呼ばれるひとつの霊具を奪って逃亡した。
 彼は《三種の神器》を集めて饒速日尊の封印を破り、その力を以って"人々が魔性に傷つけられない世界"を築こうとしたのである。
 この企みは、奇為、荒神火、幸乃主、和姫の、四人の叛きし者の力を受け継ぐ異能者たちと、彼らに協力する者たちの必死の追跡にも拘らず、半ばまで成就する。
 そして、饒速日尊を解き放とうとする《神器》そのものの意志に欺かれた《叛きし者》の仔の手により、全ての異能者と全ての魔性の祖である"真祖"は復活を果たした。
 絶対の力を持つ"真祖"だが、永い眠りから覚めたばかりでその力は完全に取り戻せてはいなかった。
 過ちに気付いた異能者たちは、決死の覚悟で自らの祖、"真祖"に立ち向かい、死闘の果てにこの存在を再度封印の向こうへ押し戻すことに成功する。
 この死闘の中、事の始まりから共に戦いつづけていた少年・御影優麻は自分の正体を悟っていた。
 押し返された真祖が残した《神器》。
 その全てを自分が扱えること――即ち、自分が"真祖"直系の仔であることに。
 少年は、この人間の世界を救うため、悲壮な決意を固めた。
 扉を開けるための鍵が無ければ、扉は二度と開かない。
 封印を破るための鍵《神器》と共に、少年は"真祖"の押し返された亀裂の向こうへ身を躍らせる。
 少年一人を中に残したまま崩れ落ちた封印の前で、生還した仲間たちはその術も分からぬまま少年を探した。
 気が遠くなるほど長い僅かな時間が過ぎ、微かな土の崩れる音が耳に届く。
 瓦礫の下に埋もれていた少年を見つけ出したのは、すぐだった。
 封印の彼方から帰る方法が見つからなかった少年の耳に届いた仲間の祈りが、彼をこの世界に引き戻したのである。

 これが、次の災厄の始まりだと分かっていたのは、この場の中に一人だけだった。

 封印の向こう側で、御影優麻は"真祖"と対面していた。
"真祖"は自らの血を受け継ぐ仔に対し、限りなく優しかった。そして遥か太古の己の失敗が、異能者の現在を作り出してしまったことを詫びた。
 少年は真祖の愛に打たれ、自分が取り返しのつかない過ちを犯したと激しく後悔した。
 もう二度と、真祖は子供たちの居る世界へと戻ることはできない。そして、そうしてしまったのは、他ならぬ自分なのだ。
"真祖"は泣きじゃくる仔をなだめ、元の世界に戻れるよう力を引き出してやり、閉じつつある封印の亀裂――自分自身は既に潜り抜けることができないほど小さくなった亀裂へ押し出した。
"真祖の仔"は、自らの過ちを償い、愛すべき父祖の願いを果たすべく、元の世界を目指す。

 ヒトビトを滅ぼし、父が目指した世界を築くために。

 仲間たちの祈りにより元の世界に生還した御影優麻だったが、真祖によって引き出された巨大な力はそのままでは狭い亀裂をくぐり抜けられなかった。
 無理やりに潜り抜けようとした時、彼の存在は4つに砕けてしまったのだ。
 仲間に救い出された本人は一計を案じ、実際の活動を残る3体の分身に任せ、自分自身の記憶を封じて時が満ちるのを待ったのだった。

"真祖"ニギハヤヒノコミトとの死闘から数ヶ月。
 平穏は、"御影優麻"の姿をした何者かによって破られる。
 何のために造られたか分からない、ひとつの霊具を"御影優麻"が強奪し、破壊したのである。
 この霊具は、かつて"真祖"を裏切り、人間のために戦った夜族の祖・荒神火が、殊更に危険な自分の眷属を封じるために造ったものだった。
 そして、その魔人たちの封印を解かんとする、大陸の異能結社の存在が明らかになる。
 これらは全て、"真祖の仔"である御影優麻の陰謀であり、賭けだった。
 動けない自分の代わりに封印を解かせるため、魔人の力を集めている異能結社に情報を流し、かつての仲間たちに蘇った魔人を倒させる。
 魔人たちはその力の結晶たる霊具を遺すはずで、最終的には天老院封印管理局に保管されるであろう、その霊具を一度に奪おうと企んだのだ。
 彼の目論見どおりに事は運び、かつての仲間たちを騙して自分自身を取り戻した"真祖の仔"は、"父"である"真祖"の封印の前でその復讐と悲願を果たすつもりであることを宣言する。

 しかし、魔人となった少年を目の当たりにしても、仲間たちは諦めなかった。
 文字通り、命を賭した説得により、魔に染まり凝り固まった心は溶け、異能者と魔性の主である"真祖"の仔は、人の心を取り戻す。
 かつての仲間を取り戻し、歪んだ異空間から戻ろうとした異能者たちだったが、やはり強大過ぎる力を備えた"仔"はその隙間を潜り抜けることができなかった。
"真祖"を封じるために戦ってきた"叛きしモノ"、荒神火と幸乃主の末裔二人は彼と共にこの場に留まることを選択する。
 ヒトの世界に戻ったほかの仲間たちは、目の当たりにした真実を語ることはなく、"中に残った仲間によって封印は守られた"とだけ伝えて日常へと戻っていった。

 数日の後、伝えられた話をどうしても受け入れられず、救い出したい一心で駆けつけた氷室唯と九輝家の縁者の力と、御影優麻が自らの力の半分を切り捨てたことにより、中に残っていた彼らは異界からの脱出に成功する。
 無事に生還した彼らであったが、彼らはそれを誰にも告げることなく、"真実"と共にそのまま表舞台から去って行った。



※補足:今回の二式キャンペーンにも登場した人物たち

◇各務憲政(カガミ・ノリマサ) 男性/47歳
所属:天老院陰陽局特殊チーム《モンテローネ》チームリーダー
異能力属性:炎(天稟)

memo:
 一式キャンペーンにおいては、非常に危険な霊具《三種の神器》を手にすることになったPC(中身は石橋と同じ)の護衛&監視&イザと言う時の殲滅役として登場。
 当時の所属は、陰陽局局長火神朱人直属の精鋭部隊《本部実働隊"朱雀"》の隊長。表の顔が陸上自衛隊の三等陸佐。近代兵器の扱いも余裕の人。
《各務家で封じている魔人》のネタも一式から。非常に強力な神楽人形の魔人に能力封印を施し、各務家で使役していたのだが、その魔人と一番交流が深かった。
《真祖》復活寸前、上級魔性が街中にどんどん出現し続けるという阿鼻叫喚の中、これを威力制圧するために憲政は魔人の封印を解いた。 事件収束後、もちろんこの魔人を殲滅するつもりだったが、魔人は憲政との友情を尊重して手向かう事はなく、20年後の復活を予言して自らを封印し眠りについた。
 今キャンペーンにおいて憲政が死んだら、13年後に結構しんどいことになった筈。

◇灰原充(カイバラ・ミツル) 男性/26歳
所属:天老院調査局執務室直轄
異能力属性:炎(霊具)

memo:
 御影小夜の使い走(ry
 一式キャンペーンでは、実は敵役として登場。《三種の神器》のひとつ、《玉》を奪って逃走した拝雅輝に従って共についていった一人。
 元々、異能による戦闘の才能があり、六道学園を卒業したあとは陰陽局へ入ると囁かれていたほどの実力者。魔性と戦う事は好きというバトルマニアではあったが、その意義を見いだせず、拝の目的(「人々が魔性に傷つけられない世界」を作る)が果たせるならそれも良いかと思ってついて行った。
 拝の目的を成就させる過程で、恐らく戦いの中で果てるだろうと考えていたが、調査局のエージェント(NPC)との交戦中に張り倒され、かつ死んだ仲間の遺志が宿った霊具の言葉に考えを改めて投降する。
 彼を張り倒した調査局のエージェントが、異能犯罪者である彼を更生させるために調査局入りを勧めて手配した。
 エージェントはもちろんその後の面倒も見るつもりだったのだが、ほぼその直後、不運にも《砕けた御影優麻》の一体に出くわして殺されてしまったため、彼が更生した姿を見る事はできなかった。
 彼はその今は亡きエージェントに敬意を表し、陰陽局やカグツチからスカウトが来ても断り、調査局で働いているのである。

◇桐生来夢(キリュウ・ライム) 女性/25歳
所属:天老院調査局第五課主任
異能力属性:生命(天稟)

memo:
 一式キャンペーンのPC。中身は御影鈴と同じ。当時の名前は蓮命寺来夢。
 当時は六道学園の生徒。記憶喪失というおいしい「目覚め」を持っていたので、GMからシナリオに関わる設定を付与された人物である。桐生の姓は、記憶喪失になる前の本来の苗字。
 実は、《玉》をご神体として管理していた神社の娘だったが、その《玉》を我が物にしようとして狂った父親の暴走に巻き込まれたショックで記憶を失っていた。
(この事件の真相には某魔人が関わっているし、彼女自身も某魔人と関わりを持ったが、それは別章にて)
 キャンペーン終了後は、いずれ調査局のエージェントになろうと警察官(キャリア組)になるべく勉強する、とPLが言っていたのでそのルートを取っていた。
 残念ながら、そのキャリア組の夢が叶わなかったのは決してPLのせいではない。一式キャンペーンにおいて調査局第五課のPC(地位持ち)が居たのだが、キャンペーン終了後において彼が五課の課長になっていた(と言うGM設定)。その後、調査局局長御影小夜の人事で更に上へ引き抜かれたため、自分の後を任せるつもりで彼女を(ほぼ強引に)調査局へ入れてしまったのである(というGM設定)。

◇雷亜(ライア) 女性/??歳
所属:ワールドリンク登録異能者
異能力属性:雷(妖精)

memo:
 一式キャンペーンにおいては敵役として登場。《玉》の正当な持ち主は妖精の祖幸乃主の血を引く人物(妖精)になるのだが、その人物を守る八人の妖精騎士の一人。
 本来の正当な持ち主はPCの一人(中身は遊夢と同じ)だったのだが、(強引な手段で)《玉》を先に手にした拝雅輝を王と認め従っていた。
 この八人の妖精騎士は世代交代はあるもの、前任者の記憶を引き継ぐと言う性質があり、主観的には永劫に生きている。その為、永い間に倦み疲れている部分もあった。八騎士のうち彼女を入れた四人は、「永劫に生き続ける現状」を変えることを欲して拝を王として認め、彼を王として認めない他の四人と刃を交えて一人を逃がしたものの三人を殺害する。
 最終的には正当な王であるPCの《許諾》によって、この八人は騎士の任を解かれ「永劫に生きる」因果の輪から外れて「死せる定めの人間」へ転生をしたのだが、キャンペーン後半のある事件をきっかけに、彼女ともう一人は前世の記憶と能力を取り戻してしまった。
 守るべき《王》も《玉》もない騎士二人は、こうしてワールドリンクに身を寄せて暮らしているのである。

◇御影優麻(ミカゲ・ユウマ) 男性/??歳
所属:天武八家御影家
異能力属性:精神(魔人)

memo:
 一式キャンペーンのラスボス。本来は斃される筈だったのだが、PCの選んだ説得コースにより首が繋がっちゃった(ぇ。
 キャンペーンの頭からラスボスで考えていたが、途中でマスターを変えてPCとして参加する前には登場させないと決めていた。やっぱり、PLの初見のイメージは重要だと思うのです。
 一式キャンペーンでは、キャンペーンボス(そのシナリオのボスじゃないよ)は序盤に味方(或いは中立)として登場させることを心がけていたので、概ね成功と言える。
 なお、この御影優麻というボスは、このキャンペーンを始める少し前に冗談でぽろりと漏れた、「マスター経験値でボスを育てたりね〜」と言う会話を元に作られている。ちなみに、最終話直前までに入手した、マスター経験値+プレイヤー参加経験値(3回)の総計は、おそらく197点。ルールを逸脱している部分(たとえば、「第三属性」取得とか)はあるし、一番ヤバイ特殊能力(ほぼ無制限の血脈覚醒)もあるが、この経験値を消費して異能力取得や覚醒力上昇をしていた。それでも、当時の記録を見たら余り経験値が53あることになっている。なんぞこれ。
「両腕が銀」の霊具なのは、上記粗筋の最後で「力の半分を切り捨てた」部分と関連がある。
 血脈覚醒(二式の場合は血統覚醒)の象徴が身体の各部に出るというルール(フレーバー)があるが、彼は《真祖》の仔として、八種類全ての血脈を持っていた。
 その中で、両腕に発現する血脈(白・赤・黒)と身体周辺に出る血脈(金)を切り捨てるために腕そのものを切り捨て、PCがその場に持ってきていた魔人の霊具の籠手を着けたのだ。何で腕かと言うと、他の血脈は額と瞳に出るため、さすがに頭切り落としはマズイだろ、という判断(ぇ。




>>戻ル