あぁ名松線


 先日、松坂に帰った時のこと。

 いつものように青山高原を越え、国道165号線から雲出川沿いを走る県道へ向かっていた。
この県道は、青山高原の麓・白山町から松阪まで一直線で繋がっており信号も少なく便利な道だ。
ところが、この日はとっても不便な道になってしまった。

 その原因が名松線。
名松線とはJR東海のローカル線で、松阪から伊勢奥津という山奥までを走るチョー赤字路線。
もともとは松阪から名張までを結ぶ構想でできた線だったが、途中で頓挫し線名にだけ“名”が残ってしまった悲しい線である。

 そして、この名松線と県道とが微妙な位置関係やねん。図で示すと・・・

 至 松阪
     ┃     
  上ノ庄
     ┃
┌──╂───→
│   ┃
│ 権現前    ┃=名松線
│   ┃
|伊勢八太   │=県道
|   ┃
↑ 一 志     ╂=踏切
|   ┃
| 井 関
|   ┃
|伊勢大井 
|   ┃
└──╂──┐
     ┃   │
 伊勢川口   ↑
     ┃   │
→──╂──┘
  関ノ宮
     ┃
至 伊勢奥津


という具合に、絡まるように寄り添って走っている。


 そして、この日もいつものように「関ノ宮駅」横の踏切を渡ろうとしたとき、

   『カンカンカンカン』

なんと、2時間に1本ぐらいしか通らない名松線の踏切が鳴り始めたではないか!?
まぁ、この時は

  「久しぶりに気動車の音を楽しめる♪」

ってローカル線の旅が大好きなオレは喜んでた。
ところがこれは悪夢のプロローグだったんだな。

 目の前の「関ノ宮駅」で2〜3人の乗客が乗り降りするのを見ながら、約1分半ぐらい待ちやっと踏切があがる。

 そしてこれまたいつも通り県道を走って松阪を目指していたら、次の「伊勢川口駅」と「伊勢大井駅」の真ん中にある踏切が

   『カンカンカンカン』

鳴っていた…
やってくるのはもちろんさっきの松阪行き気動車。
まぁこの時も『2回も見れてラッキー♪』とオレは前向きに喜んだものだった。

 「伊勢大井駅」ではありえない場面を見ることになる。
「伊勢大井駅」のあたりは県道と併走しているまっすぐなところ。
さっき前を通り過ぎた松阪行き列車は「伊勢大井駅」にすでに停まっているのが見える。
しかし一向に出発する気配がない。
そうすると、近くのグランドからジャージ姿の中学生が手を上げながら駅の方に走っているではないか!?

 そう、この松阪行き列車はダイヤになんか関係なく乗客が見えた(といってもかなり遠くに)ものだから、待っていたのだっ!

 日本に数あるローカル線の中でも、乗客が来るのを待つローカル線ははじめてだった。
ある意味“感動”したが、ある意味『三重ってすごい田舎!?』と“衝撃”をうけた。

 その後、県道と名松線は離れて走るため姿も見えず、車もオレの第二の故郷“伊勢中川”を通り、

   「おおっ、こんな交差点に信号がっ」
   「うわぁ、ホームセンター“コメリ”ができてる」
   「ひょ〜、焼き鳥の“扇屋”がオープンしてる」
   「なんと、ウエルマート跡地が東洋薬局になってる」

などと、驚きながらメチャメチャわき見運転をしていた…

 すっかり名松線のことなど忘れていた。
ところが、次の「権現前駅」踏切を渡る瞬間だ。

   『カンカンカンカン』

鳴り出したんだな、踏切が…
もちろん通る列車は、さっきからの松阪行き。
さすがにローカル線好きのオレも3回目には参った。

 伊勢中川に住んでた頃も、名松線の列車を見ることなど年に数回のこと。
それが1日で3回も見れるなんてもうどれだけ運がいいのか悪いのか…

 しかし、オレはこんな名松線が大好きだ。
実を言うと15年ぐらい前に乗ったことがあるんだな。
あれから不況の波にも負けずに走り続ける名松線がんばれ!

 よぉ〜し。こんど“青春18きっぷ”で「ぶらり名松線の旅」でも行ってみようかな♪



2002年11月13日 16時54分24秒

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