![]()
「市町村合併」〜嬉野君の野望〜
何だか、久しぶりにお堅い題名であります。
「平成の大合併」と言われている今回の合併問題。元を正せばこの不況で“お国が約3200ある市町村を3分の1に減らし効率化しよう”という、要はリストラみたいなもん。
合併特例法という法律を作り、2005年3月までに合併すれば財政面で優遇されるという特典で、地方自治体に半ば強制していると言っても過言ではない。
いち早く合併した“さいたま市”や来年に合併する“静岡市と清水市”などでも、スムーズにいったかといえばそうではない。“さいたま市”は区の名前で「沼」が付くと古臭いと住民に反対され、静岡では合併して静岡市になると清水の名はどこへいくとモメ、すったもんだの末の合併である。
そしてまた一つ。合併ですったもんだしているところが身近にあった…三重県は中勢地区。
津を中心としたこの地区には、津のほかに久居・松阪の市と8町村がある。その中でもオレが3年前まで住んでいた一志郡嬉野町は大変だ。
ここからは嬉野町を中心に“嬉野君の野望”と題して【物語】にしてみる。
時は2002年。
一志郡の5町1村(三雲・香良洲・嬉野・一志・白山・美杉村)がひとつとなって『新市・雲出市』となる話があった。いわゆる「一志連合」だ。合併の中心はもちろん我が嬉野君。そこから物語は始まる。
『雲出市』発足に向けて嬉野君が中心的に動いていた、ある日のこと。。。
香良洲 「実はね、嬉野君。ウチは津市に引っ付こうと思うんだ」
嬉 野 「おいおい、何を言ってるんだい香良洲君。君も一志郡の一員だろう」
香良洲 「わかってるんだが…もう決めたんだよ。」
嬉 野 「何の相談もなしにかっ。何が、何があったんだい?」
香良洲 「ごめんよっ」
と香良洲町は早々にあっさりと「津・久居連合」に行ってしまった。
そして悲劇はまだ続く。今度は美杉さんがやってきて、
美 杉 「嬉野さん、悪いんだけど合併の問題はなかったことにしてくれないか」
嬉 野 「な・何を言ってるんだい美杉さん。何があったんだい?」
美 杉 「白山君と話し合って決めたんだ。津市に引っ付こうと…」
嬉 野 「また津市か!?」
美 杉 「そう。津市の方がいろいろメリット有るって言うし」
嬉 野 「そんなことは…それに白山君はどうした?」
美 杉 「白山君からはもう話すことはないって」
嬉 野 「待ってくれよ、とにかく美杉さん。あなただけでも考え直して!」
このあと続く必死の引き留めで何とか美杉さんは、嬉野君が主催する“合併協議会”には参加をしてくれることになるものの、事態は11月風雲急を告げた。
引き留めに成功したはずの美杉村では「津・久居連合」との合併を11月議会に提案されていた!? しかし、この議案は“賛成5反対8”で否決される。
これで一安心。嬉野君の元に…いや、「一志連合」に戻ってくると思った矢先、美杉さんはどこにも合併しないことを決めてしまう。
嬉 野 「ど・ど・どういうことなんだい、美杉さん?」
美 杉 「・・・」
嬉 野 「そもそもどうして津市との合併を問う議案なんだい。
君はウチの合併協議会に参加していたじゃないか?」
美 杉 「それは・・・。津市が『どうしても』っていろいろと…ね」
嬉 野 「接待かっ」
美 杉 「・・・」
嬉 野 「いつからそんなことになっちゃったんだ。
そんな人じゃなかったじゃないか…」
美 杉 「決まっちゃったことはもう変えられないんだ」
嬉 野 「合併しないってどうして?」
美 杉 「合併しても村から新市の議会に出せる議員は多くて1人。
ウチは山村の遠隔地で、地元の意見が反映されるかどうか…」
嬉 野 「・・・」
美 杉 「そういうことなんだ」
美杉さんにとっても苦渋の選択だった。
『合併したら村の意見は反映されない』。もっともな意見である。もっとな意見であるが、嬉野君にとっては誤算だった。
これで残ったのは、嬉野君の他一志君と三雲君の3自治体。そうなるともう雪崩のように崩れていく「一志連合」。嬉野君とはお隣で、仲の良かった一志君までもが、
一 志 「ウチはどちらかといえば久居寄りの地域性なんだよ」
嬉 野 「出て行くと言うのかっ」
一 志 「あぁ」
嬉 野 「一志連合から“一志”の名がつく君がいなくなってどうするんだい」
一 志 「連合と言っても、君のほかに三雲君しかいないじゃないか!」
嬉 野 「・・・」
信頼していた一志君までもが「津・久居連合」に行ってしまった。完全に仲間割れである。残った嬉野・三雲の両君に残された道はもう津か松阪との合併吸収に他なかった。
あぁ、嬉野君の野望や破れたり…
結局、一志郡内4町村での合併を目指すはずだった嬉野君が作った「合併推進協議会」は、発足からわずか1カ月であえなく解散。
しかし嬉野君も中途半端ではあった。そもそも嬉野君は、津、松阪、一志郡の三つの合併協議会に参加をしていたのだ。自分で誘いながらも実は保険をかけていた。
そこを見透かして攻めてきたのが「津・久居連合軍」。彼らの野望はもっと大きかった。人口30万人超をして県から権限の多くが移譲される“中核市”になることを目指していたのだ。そのためには久居市や周辺の安芸郡の合併だけでは足りなかった。どうしても香良洲・美杉・白山と合併に参加させることが必要だったのだ。接待もやもなしである。
嬉野君にも意地があった。戦いに敗れた「津・久居連合」には引っ付かず三雲君とともに松阪へ引っ付くことにしたのだ。唯一の抵抗だった。これで「津・久居連合軍」の人口は28万人止まり。彼らもまた野望が破れたのであった
その後の嬉野議会では、津市とは雲出川で隔てられ、南の松阪市と生活圏を一にすることから、松阪地方への参加が10対4の賛成多数で決まり。 10月末から実施した住民説明会参加者のアンケートも、
・松阪市との合併もやむをえない 220人(34.8%)
・一志郡でどうしても引っ付きたい 172人(27.2%)
・津市と引っ付いちゃえ 140人(22.1%)
と何とか松阪市に引っ付くことが同意された模様。とはいえ、人数は少ないにせよ、三分させてしまった町の意見。今後どの合併にしても、相当の反対はつきまとうであろう。
あぁ、これからどうなってしまうのだ。嬉野君…
新市に情熱を燃やし燃え尽きてしまった今、松阪市の端っこの方に置かれる立場になるとは・・・無念
物語はここでおしまい。
この合併劇。実はオレにとってちょっと朗報だったりもするねんな。
将来、松阪市民になる可能性がある身ゆえ、長年(?)暮らしたゆかりのある嬉野町が松阪に引っ付く事は、オレにとって「嬉野に戻る」も同然ということになる!!
そう、オレも将来は嬉野君の一員になれるのだっ!?
こんな嬉しいことはないかも♪
2002年11月21日 15時34分50秒
![]()