「最近のシューティングゲーム(以下STG)は弾が多くてついていけない」という意見を時折耳にすることがある。こういうことを言う人は、「昔のSTGならできるけど最近のSTGはできない」という状態に陥っていると思われるのだが、何故そのような状態に陥ってしまうのだろか。それを解き明かすためには、最近のSTGと昔のSTGとでは何が違うのかということを考える必要があるだろう。

  その前にあらかじめ断っておく。一口に「最近のSTG」と言っても色々ある。私がここで言う「最近のSTG」とは、敵弾が多く、自機の当たり判定が小さい、いわゆる「弾幕型STG」と呼ばれるもののことだ。私も実は1年半ぐらい前までは、「最近のSTGはついていけない」と思っていたし、「弾幕型STG」のことは、「STG」ではなく、ただの「弾避けゲー」だと思って、軽視していた。そういう観点からすれば、『ボーダーダウン』などは最近のSTGではあるものの、「弾避けゲー」ではなく、「STGらしいSTG」であり、「昔のSTG」のような感覚でプレイできるゲームだったのではないだろうか(※私は『ボーダーダウン』をほとんどプレイしたことがないので、もしかしたら違うかもしれないが。)。

  「最近のSTG」は、「弾避けの基礎」さえ心得ていれば、ある程度先に進むことができ、楽しむことができる。なぜなら弾や敵が多くて見た目が複雑でも、攻撃のほとんどが「こけおどし」だと解るからだ。故に「最近のSTGは・・・」と言っている人は、「弾避けの基礎」を知らずに、見た目の難しさだけで敬遠している可能性がある。そして「弾避けの基礎」を知らない人が「昔のSTG」をできたということは、言い換えれば、「昔のSTG」は見た目が単純でパターンが憶えやすく、「弾避けの基礎」を知らないでも、「憶えてしまえば何とかなってしまう」ものが多かったということである。実際私も、「最近のSTGは・・・」と思っていた頃(「弾避けの基礎」を知らなかった頃)に、パターンを憶えるだけの攻略法で『メタルブラック』などをクリアできていた。

  私が「最近のSTGは弾避けゲーだ」と思う気持ちは、今でも変わらない。しかし、「弾避けの基礎」が理解できるようになってくるにつれ、「弾避け」の面白さが解ってきたので、もう「弾避けゲー」を軽視したりはしない。「弾避けゲーは面白いものだ」ということが解ってきた。そして、「最近のSTG」をある程度できるようになってから『メタルブラック』をプレイした時、私は以前より楽に弾を避けていた。その時私は、STGをより深く楽しむためには、「弾避けの基礎」が身についているべきだと思った。「最近のSTGは・・・」と言って「最近のSTG」を敬遠している人は、STGの本当の面白さを知るチャンスから、自ら遠ざかっているように思える。実に勿体無い。


  また、「弾避けの基礎」を知らない人が「最近のSTG」をできないのに対して、「弾避けの基礎」を知っている人は、「最近のSTG」をどれもまんべんなくプレイできるわけだが、「最近のSTG」は、「弾幕型」と、「型」にはめられてしまうように、ある意味個性がない。稼ぎのことは別として、どれも似たような感覚で先に進むことができてしまう。「最近のSTG」しかやっていない人が、個性的な「昔のSTG」をプレイすると、「不測の事態の連続」になってしまうのではないだろうか。もしかすると、「最近のSTGは・・・」と言っている人がいるのと同じ様に、「昔のSTGは・・・」と言っている人がいるのかもしれない。

2003.12.23


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