何故ゲーセンへ行くのか。

  そこにゲーセンがあるからだ。

  おわり。







  ・・・・・嘘です。


  一昔前なら、ゲーセンというのは、家ではできないような高性能のゲームが遊べる環境でした。しかし、今では家庭用ゲーム機の性能がよくなり、わざわざゲーセンに行ってまでゲームをする必要性が薄れてきました。それでも今ゲーセンに行っている人は、何故ゲーセンへ行くのでしょう。

  時々しかゲーセンに行かない人の話は置いといて、しょっちゅう行っている人のゲーセンに行く理由で大多数を占めているのは、恐らく「ゲーセン仲間と過す時間が楽しいから」じゃないでしょうか。基本的に、大勢集まってワイワイ騒ぎながらゲームをするのは楽しいことですが、ゲーセンでゲームをするというのは、友達の家に集まってゲームをするというのとは少し違います。他の家族に気兼ねなくゲームに没頭できる、「ゲーム専用空間」が、そこにはあるのです。また、ゲーセンでは、普通に日常生活を送っていたら触れ合うことのできない人と触れ合うこともできます。職業や生活環境の違う人たちとゲーム友達になったり、ライバルになったりするのは、家ではなかなかできないことだと思います。

  しかし、ゲーセンに行っている人すべてがそのような理由で行っているわけではありません。たとえば私の場合、ゲーセンに行く理由は、「ゲームは好きだけど、家でやってても面白くないから」です。家ゲーの何が面白くないかというと、何回ゲームオーバーになってもお金が減らないところでしょうか。家では、ゲーム機が故障でもしない限り、同じゲームを無制限にプレイすることができます。この、「何回死んでもいい」という状況が、緊張感がないというか、気合が入らないというか・・・・・とにかく中途半端な気持ちでゲームをすることになって、萎えることが多いんですよ。ゲーセンでは1プレイごとにお金がかかっていて、1プレイの重みが家とは違うため、集中してゲームをすることができます。私にとってゲーセンとは、全力でゲームにぶつかっていける空間です。


  また、ゲーセンでできて家ではできないこととして、「他人のプレイを見る」というのがあります。スーパープレイを収録したビデオや、ネットでダウンロードできるムービーなどを見ても一応「他人のプレイを見る」ことになるかもしれませんが、そういうものを見るのと、ナマで見るのとでは大違いです。ビデオやムービーは、たいてい「失敗」を収めていないし、「雰囲気」も収めていないので。

  私はビデオやムービーは殆ど見ませんが、アルカディアのスコアページを見て、全国1位を出す人は、コンスタントに繋げることのできる才能のある人だと思っていた時期がありました。しかし、数字だけ見ていても、真実は見えてきません。優雅に泳ぐ白鳥の水面下云々って奴です。トラタワ(秋葉原のトライアミューズメントタワー)で凄腕プレイヤーが失敗している様子を頻繁に見るようになって、全国1位の影には星の数ほどの失敗が隠れているのだということを、私は初めて理解しました。それから、ナマで他人のプレイを見ると、その人の「気迫」や「オーラ」みたいなものを感じることができ、大いに刺激になります。全国1位のプレイを収めたビデオだけを見ても、それは「全国1位のプレイを見た」ということではないかもしれません。


2004.6.18記


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