「あの時と同じ気持ち」

    いつだったか  幼かった頃に
    両親と少し遠くへ出かけた時のことだ
    見知らぬ風景に囲まれて
    ボクは迷子にならないように
    両親に必死でついていった
    大人の足は速い
    手をひかれて歩けば楽だったろうが
    親と手をつないで歩くなんて  ガキじゃあるまいし
    恥ずかしくてヤだ
    そういう年頃だった
    よそ見をしたスキに両親を見失う不安
    だから決して目を離さない
    ボクは両親を凝視するあまり
    周りの建物も  美しい景色も
    何も見なかった
    思い出の残らなかった旅行
    どこへ行ったかも憶えていない




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