食後のコーヒーに忘れてはならないのが、"bagac,o"「バガッソ」。 ブドウ酒を絞った「カス」"bagac,o"を再び絞り、その汁を蒸留したもの。 この「火酒」"aguardente"「アグァルデンチ」を、濃い"cafe'"「カフェ」と交互に飲む。 カフェの熱が、口の中でバガッソを一挙に蒸発させ、喉を熱らす。 オリーブ油"azeite"「アゼイチ」をふんだんに使う食事には、 なくてはならぬフィナーレ。 ほろ酔い気分の客を乗せ、タクシーは田舎道を飛ばし大西洋にむかう。 「ポルトガルの田園風景は、昭和10年代の日本を思い出させる」と檀さんの言葉がうかぶ。 しかし、人影を景色のなかに見つけるのはめずらしい。道があっても、家があっても。 やはり、"Portugal e' Lisboa..."なのか。 30年前のサンタクルースの絶壁から見た大西洋と、 体を吹き抜ける風の記憶が蘇る。 これが「郷愁」"saudade"「サウダージ」か? いや、「サウダージ」には、ポルトガル人独特の内包がある、とも。