アエロフロート社のプロペラ便は、 マッサージ椅子のように震動していたが、 窓からは、オビ河だろうか、エニセイ河だろうか、 蛇行する幾筋もが夕日を返して金色の糸のようだった。 機内食には、デザートに、ちっちゃな"mac,a~"「マサン」、 つまり、「リンゴ」が出された。 誰かが、「ロシアにはリンゴもあるのだ、というのが自慢なんだよ」 と言った。 "mac,a~-de-ada~"「マサン デ アダン」、 つまり「アダムのリンゴ」は、「喉仏」のこと。 禁断の実であったリンゴを、アダムが取って食べ、 喉に詰まらせた、その名残が「のどぼとけ」という。