それは冬の寒さが厳しくなりだした12月半ばの出来事である。
白 「今日これから夜釣りに行くんだけど、一緒に行かない?」
舟券 「いいよ。」
こうして舟券は二つ返事で十数年ぶりの釣りに出かけることになる。
ちなみにこのとき白は海釣り歴1回。
2人とも竿を持っていない。
しかし、零八、若と頼りになる2人が一緒なので何の不安もない。
向かう先は名古屋港海釣り公園。
名古屋近郊では名の知れた人気スポットである。
行きの車の中からテンションは高まり始める。
白 「今日はエンガワ釣るぞ!」
零八 「エンガワは釣れねーよ。」
舟券 「あんきもが食べたいな。」
若 「あんこうって深海魚だよ。」
想像力は知識の無さに比例するようだ。
目的地に近付くにつれて高まるテンション。
しかし、大きな問題がひとつ。
餌が無い。
結局開いてる釣具屋が無いまま目的地に着いてしまった。
白 「早く釣りて―。」
舟券 「俺もー。」
根拠のない自信を抑えきれない白。
舟券にいたっては、餌さえあればイルカすら釣れる気でいる。
どうにか餌を購入しいよいよ釣り開始。
高まり続けたテンションも落ち着き始め、
現実(寒さ)が感じられるようになるとともに、
必携アイテムのいいちこが減り始める。
そして再び上がり始めるテンション。
白 「よし、釣りサークル作ろうぜ。」
サークル作りが趣味の白が言い始める。
舟券 「じゃあ、釣りサークル「あんきも」だね。」
タイトルのわりに地味な発足であった。
この日、いちばん数を上げたのは白、
舟券もそこそこであったが、
素人の面倒を見続けた零八と若はいまいちに終わった。
いいサークルになりそうである。