第九回  記憶の彼方
 2001年 9月22日

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九ヶ月間暖め続けられた第九回。
若の推敲のあと(ふり?)が冒頭にうかがえる。

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もはや遠い山々が色とりどりに着飾っておりますが…

すでにコタツの上のミカンがさまになってきている季節ではありますが…

そろそろハードな花粉症である私の鼻が赤く染まっておりますが…

ワールドカップ、始まっちゃったね…


ここ最近目立った活動を見せず,
解散か?とファン(世の中は広い,きっといるはずだ)をやきもきさせていたあんきも.
いまだ蒸し暑さの残るこの月夜の晩,
数ヶ月にわたる充電期間を経て活動を再開する.

ヨーロッパから帰国したいまや天ぷらは一段落し鯛飯を夢見る:白

充電期間に極秘練習で飛距離を数ヤード延ばした:舟券

食欲の秋を実感し最近おなかのタルミが気になる23歳:若

そしてこの春に精神的支柱を静岡に失い意気消沈気味のメンバーに,
皮肉にも静岡出身の超大物刺客”裸王”が送り込まれた.

早速車を知多半島に向け走り出す一同.
しかし今回は明確な目標も設定せぬままの船出となってしまった.
とりあえず知多半島の先っぽ師崎まで来てしまったが釣り人がいない.

篠島釣行以来,誰もいない=釣れない
という法則を信じているメンバーはそそくさとその地を後にした.
それが我々だけの穴場を確立できない要因の一つでもあるが…

そうこうしているうちに時間は刻々と過ぎていき,
結局いつもの豊浜漁港で釣り糸を垂れ始めたのは午前3時過ぎとなってしまった.

だが一年の経験がそうさせるのか,
手早く準備をし思い思いの方法で魚へのアプローチを試みる一同.
そして,
早くもヒトデ(しかも5体不満足)を釣り上げ,
精神的支柱を引き継いだことを証明してみせる裸王.
その他は特にこれといったトピックはなく,静かな幕開けであった.

夜明けとともに我々の目を釘付けにしたのはアジとおぼしき小魚の大群であった.
おそらく本日の釣行のハイライトとなるこの瞬間に車中で爆睡の裸王.
そしてその裸王を起こす素振りも見せず釣りに没頭する3人.
3人は仕掛けをサビキにスイッチしこの大群を我々の周りに集めるべく仕掛けを投入した.
はたして作戦は成功.我々の目の前でしばし朝食を堪能する小魚たち.
が,上がってくる魚はアジではない.
これは失敗だとうなだれるメンバーの前に満を持して新たな群がやってきた.
明らかに種類が異なる黒い魚体は,アジに間違いない.
しかし,無駄遣いをしたオキアミが少なくなっている.
結局その魚を手にすることができぬまま最後のオキアミをかごに入れ海に投入する舟券.
直後おこぼれに預かろうとした白は,かごが空の仕掛けをすぐ近くに投入する.

接触→オマツリ.最後の一投にすべてをかけた舟券にとってはまさに一大事であった.

「オマエって野郎は」


とギャグとも本気ともとれる怒りを白にぶつける舟券.
結局我々は黒い群をフグだったと思いこみテンションを保つこととした.

あきらめた若は仕掛けを海に投入したまま次の仕掛けの準備を急ぐ.
そして原点に立ち返りカサゴ狙いの仕掛けで岸近くを探る一同.
そのとき若の竿が小気味よくしなる.

カサゴとは異なる強烈な引きとともにつり上げられたのは,
あの石鯛の子供サンバソウであった.
このところ鯛飯(鯛違いだが)に異常なまでのこだわりを見せる白は

「うちの3合炊きにはちょうどいい」

と語ったが,その言葉とともに
ご飯の上に載りふやけたシマウマのようなおぞましい姿を想像した若は,
そそくさとそれを海に帰していた.

「返しちゃったの?」

と非難を浴びる若.

納竿.竿を片づけ始めたそのときあることに気づいた.
若が放ってあった仕掛けのかごの中に,一匹のお馬鹿さんがお休みになっていたのだ.

結局あんきもは「今日も吉牛かよ」
となげきつつ家路についたのであった.

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