マッチング:就職活動


医学部に入ればそれで人生バラ色、な〜んてわけはありませんよね。
医師免許を取ったあとすぐに開業できるわけでもないですし、ゴハンを食べていくにはまず、就職してお給料をいただかなくてはなりません。
というわけで、就職活動についてちょっとご紹介します。


医者修行の流れ

大学医局に入って、適当にローテーションさせてもらえば良い……なんてのは昔話です。現在は2年間の初期研修が義務化されてます。
ということで、免許取得後の流れは以下のようになります。

第一段階:初期臨床研修医(必須
厚生労働省の指定する病院で、2年間の研修を行ないます。
この時はスーパーローテーション方式と呼ばれる「主要な科を全て回る」カリキュラムに従いますので、外科・内科・小児科・産婦人科・精神科・地域医療・救急・麻酔の全てで研修を行なう必要があります。
いろいろな科を診られる反面、
  1. 専門性のある人材は育ちにくい
    (もともとプライマリケア医を増やすための方策だそうですから、まあ当然なんですが)
  2. 学生のノリで参加する奴がいて困る
    (自分の将来目標を固めずになんとなく入ってくる)
  3. 義務化されていない科では若手が一人も来ないので手不足に陥った
    (脳外科などスーパーローテートに含まれない科には研修医がこない)
  4. 人材バンクとしての医局が機能しなくなった
    (要請を受けても、派遣できる医師がいない<大学病院を機能停止させるのは本末転倒)
などの弊害もあります。
第二段階:後期臨床研修医
初期研修医はいろいろな科をローテートしますので、十分な修行が出来たとは言いにくいわけです。よって、この後期研修によって専門医への修行の第一歩を踏み出します。各病院で後期研修医を募集していますから、各プログラムに応募して修行を積む時期です。
この時点で大学の医局に戻る、あるいは大学院に入る人もいます。
第三段階:専門医など
後期研修も終われば一人前。専門医を取得するもよし、大学院に戻るもよし……だそうです。
詳しいことはいずれ追加します(2010年くらいにでも)。

……どんな技術職でもそうですが、日々これ修行ってところでしょうか。一般医(研修医を終了した人)になってからも知識のアップデートが必要という点でも、ご同様です。

初期研修へ参加するために:マッチング

初期研修への参加には、マッチングというものへの参加が(たいていの場合)必須です。手順は以下のとおりになります。

  1. マッチング参加登録
    マッチング参加者は一つのデータベースに登録されます。あくまでも個人の意思で参加するかしないかを決めますので、自分で登録しなくてはいけません。
  2. 各研修病院の選抜試験を受ける
    応募しさえすればOK、なんてわけはないですよね。病院だって人材は選びたい。というわけで、医者の採用についても、入社試験に相当するものがあります。
    英語による筆記試験を課すところもあれば、筆記なしで実習+面接だけ、というところもあります。
    頭に自信はあるけど現場受けの良かった験しがない!なんて人は、筆記試験だけのところを受ける方が無難でしょう。
    ……当方は、筆記試験は避けたいと思っていますが。
  3. 希望プログラムのリストを提出する
    自分が就職したい病院のプログラムを登録します。
    自分の希望順位も登録しておきます。
  4. マッチング
    病院側の提出した「採用したい人リスト」と付き合わせて、誰がどこの病院のプログラムに入るかを決定します。

ここで注意しなくてはならないのは、マッチングで決まった病院への就職を辞退することは出来ないという事ですね。
やっぱりこんな病院は嫌だ〜!なんて思って辞退したところで、採用してくれる所もありません。たいていの病院では、マッチング辞退者は採用対象者から外されます。
決まっちゃったらグタグタ言わず、修行しろってことなんでしょう。こうしておかないと、有名病院へ就職したい人が何年でも就職浪人してブラブラしている……なんて事になりかねません(そうさせてやれる経済力を持った親も多いです)から、それを予防する意味もあると思います。

応募者側から見たマッチングの問題点

前述のとおりいろいろと不具合も多いシステムですが、まあ、この辺の話は応募者として目をつぶりましょう。
それより、この制度の我々にとっての問題点は以下のとおり。

  1. 志望診療科の決まっている人間も決まっていない人間も、一緒くたにして同じカリキュラムに放り込まれる
    外科系、内科系などを謳っているプログラムを探しますが、それでも外科ばかり、内科ばかりを研修するわけではありませんからね。
  2. マイナー志望の研修医は希望する診療科で研修を行なうチャンスがそもそもなかい
    それでも、志望診療科が充実している病院に就職すればわずかなりともチャンスは増えますか。
  3. 3年目からの職は保障されてない
    初期研修終了後、同じ病院で後期研修に入れる保障はありません。
    契約社員のようなものですね。「医者という確実な職業」を求めて医学部を目指す安定志向の方には気の毒ですが、医者のキャリアは契約社員から始まると思いましょう

……愚痴を言っても始まりません。
応募者としてはこの制度、二年間の武者修行をお上が公認したようなものだよな、と捉えて動けばいいでしょう。


前回新卒時も含めて、これが就職活動第二弾です。
前回の就職時には学校推薦を使わなかった(要領が悪すぎて学内の競争に出遅れ、もらい損ねただけですが^^;)当方はあっちこっちに落ちまくり、超氷河期の厳しさを味わったものです。それに比べれば楽している印象があります。
ただし、これまでマッチングに参加した人の中には、「どこの病院ともマッチしなかった」アンマッチの人がいますから、油断して良いわけではありませんけどね。



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