お元気ですか。

こちらはあいかわらず、映画を造っています。

いろんなことを、伝えよう、つたえよう、と、思っているうちに、

とても疲れてしまいました。

出来れば映像で伝えようと思います。


そうそう、昨日、空を見ました。まだ在ったのかと思って、少し口を開きました。


あいかわらず、ブラウン管の中は大変だけど、酸素を感じないから嘘みたいです。

それよりも、

隣の部屋の人が、夜中に咳き込むのが心配です。

そんな映画を、ずっと造っていますから。


あなたが死んで、私が残された時、それが、死、なのですね。

私が死んだ時、私は死なない。


僕らの映画、観に来て下さい。「不定期ですが、上映会をやっているんですよ」

と、ミセス・Kは口を隠して笑った。クッキーを口の中で砕いている最中だったからだ。


留意点。

死にものぐるいで造っているから、死にものぐるいで観て下さい。

感じない若者にならないで下さい。

そして。

小さな日常の中、必死でもがく人間たちの、小さな、普遍的な、

いつかあなたが忘れてしまった(或いは忘れようとした)、痛みを、観て下さい。

感じて下さい。

またお便りします。それまでお元気で。


                                     

                                     敬具

                         
写真/富永智子