のび太の恐竜
(映画公開1980年)

◆監督 福富博 作画監督 本多敏行  主題歌「ポケットの中に」作詞武田鉄矢・うた大山のぶ代

◆◆ストーリー◆◆ スネ夫に恐竜ティラノサウルスの化石を自慢されて悔しいのび太。つい恐竜の化石をまるごと発見すると約束してしまう。偶然にも恐竜の卵の化石を発見し、タイムふろしきで復元し卵をかえした。
 卵から生まれた恐竜をのび太はピー助と名づけ可愛がるのだが、ピー助の成長と共に狭い現代の日本ではピー助のためにならない。そう思いピー助をタイムマシンで過去へと戻すことに決めた。ピー助を狙う謎の男に追われつつも無事にピー助を返した。しかし後日タイムテレビで様子を見ると別の種類の首長竜から仲間はずれにされたピー助がいた。謎の男の襲撃で場所が狂ってしまったのだ。
 ピー助を助けるため再び過去へと戻るのび太たち。しずちゃん、ジャイアン、スネ夫のいつものメンバーもついて来た。思いもよらぬことに、定員オーバーでタイムマシンが故障。ピー助を日本に連れて行くためにも、自分たちが現代へ帰るためにもアメリカから日本へ行かねばならない。いよいよのび太たちの大冒険がはじまった。しかし行く手には数々の困難が、そして忍び寄る謎の男の影が・・・。

◆オープニング&エンディング◆ オープニングの主題歌は「ぼくドラえもん」、エンディングは主題歌の「ポケットの中に」です。どちらともドラえもんの秘密道具が登場する愉快なドラえもんワールドが描かれています。

◆◆城主の戯言◆◆ 言うまでもなく記念すべき大長編・劇場版ドラえもんの第一作です。原作は単行本十巻の中編作品「のび太の恐竜」に後日談を付け加えた実に189ページにも及ぶ大作漫画で、まさに大長編と呼ぶに相応しいないようです。ピー助とのび太の触れあいを中心におき、タイムマシンが壊れてしまうといったハプニング、謎の黒い男など後の大長編の基盤となる作品です。舞台を太古の恐竜時代にドラえもんやのび太たちの生き生きとした姿が、またのび太の勇気や頭の切れるスネ夫のアイデア、ジャイアンの男気、しずちゃんの優しさなどもすでにこの作品から確立されたようです。ラストのピー助との別れのシーンでは今でもジーンときてしまいます。
 主題歌「ポケットの中に」は、武田鉄也の作詞した夢あふれるドラえもん世界をドラえもんの声を担当している大山のぶ代さんが歌っています。映画のストーリーと直接関連はないですが実にドラえもんらしい名曲です。

◆ストーリーの裏◆ 今回はこれと言って「ストーリーの裏」はありませんが、強いて言うならば大富豪と恐竜ハンターとでしょうか。動物の宝庫といわれるアフリカでは今現在も密竜者が後を断ちません。彼らの裏には高額で獲物をを買い取る一部の心無い金持ちがいるというのが現状です。

◆◆ゲストキャラ◆◆

 ピー助・・・のび太の発見した卵の化石から生まれたフタバスズキリュウ。育ての親であるのび太によく懐いている。「ピューイ」という鳴き声が特徴的だった。

 謎の黒い男・・・のび太の部屋に突然現れピー助を渡すように言ってきた。正体は中生代の恐竜を捕まえて金持ちに売る「恐竜ハンター」と呼ばれる密猟者。

 ドルマンスタン・・・メガロポリスに住む24世紀の大富豪。恐竜をコレクションし謎の黒い男と共にピー助を狙っている。

◆キーワードとなる道具◆

「桃太郎印のきびだんご」

◆◆原作との比較◆◆

 原作単行本が発売されたのはコロコロでの掲載時からだいぶ後のことになりますが大きな描き足しが見られるそうです。そのため現在発売されている原作と映画では多くの相違点があります。

●空き地の描写

 初期のアニメでの空き地の描写は現在とは違います。現在のアニメでは原作に近く空き地は中央に土管、横には神成家ほか数件の家々、通りに正面に面していて正面から見て左側には階段と細い通路が見られます。
 このころの空き地で大きく異なるのが、土管以外にも倉庫や材木が置かれた資材置き場として描かれている事です。また隣には高架道路が通っており道路との接し方も異なります。

●原作111ページからティラノサウルスの襲撃のシーン

 大きな変更はありませんが原作の方が迫力があるように思えます。ただ桃太郎印のきびだんごをあげてティラノサウルスと戯れるカットは夕日をバックに非常に素晴らしい映像に仕上がっています。

●原作127ページからプテラノドンの襲撃シーン

 原作では中々の見せ場ですが、映画ではわりとあっさりと黒い男たちが助けてくれます。スネ夫の想像力豊かな部分やジャイアンのエピソードも抜けています。

●原作146ページ周辺のエピソード

 ジャイアンの「おれは歩く!! のび太と一緒にな!!」はジャイアンの男気が感じられるジーンとくるシーンですが映画では残念なことに見られません。

●原作170ページから基地突入のシーン

 ここから最大のクライマックスです。原作ではそれまでのエピソードをじっくりと描いてきただけに、ここからの展開はちょっと駆け足のように思えてしまいます。映画でも特別長くとっているわけではありませんが、じっくりとクライマックスのスリルとラストの別れの悲しさを見せてくれるように感じます。

 ちなみにタイムパトロールの隊長のデザインは原作と映画では異なります。その後、アニメや映画で度々登場するタイムパトメールの隊長はこの作品から(ただしこの作品では白髪、後に黒髪)のようです。 


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