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台北にあるゲストハウス「山田屋」は2007年7月に取材をさせてもらった。その模様は下記の点線以下に掲載のとうりである。それから3年、山田屋はつぶれることなく、今年に入って移転をした。商売繁盛で、営業拡大したのかと、今回、再度、訪問してみた。
移転先は、元の場所のすぐ近くである。表通りに近くなっている。
訪ねると、風貌がすこし大人になった山田さんが、にこにこ顔で現れた。私のことは覚えていてくれた。
移転後の室内は幅が以前より狭いが、奥に長かった。宿としては、これのほうが使いやすい感じである。横に仕切りをいれていけば、別個の部屋になり、寝る部屋、談話室などと区分けしやすい。
以下、山田さんの話である。▼は筆者、■は山田さんである。
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▼移転は営業拡張のためですか?
■いや、そうじゃないんですよ。前のところが、大家さんの都合で、出なければならなくなったんです。それで、こっちに。
▼私はてっきり儲かって、大きいところに、引っ越したのかと。
■だと、いいんですけどね。
▼部屋の数は、こっちのが、多いのですか。
■だいたい同じです。ただ、こっちのほうが、縦に長いので、使いやすいですね。あと、離れもありますけど。
▼離れもあるんですか。
■混んだときだけ使ってます。ただ、あっちは狭いし窓もない。独りで泊まるにはツラいものがありますね。淋しくなるので、独りの方は、こっちに入っていただくようにしてます。
▼ここ、移転先は、すぐ見つかったんですか。
■すぐ見つかりました。このへん、部屋、空いてるんですよ。それと、僕はこの地区に長く住んでるので、顔見知りが多く、情報は入りやすいんです。
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▼その後、お客さんは増えてますか。
■ぼちぼちですね。リピーターが増えてる。
▼山田屋ファンが増えてるんでしょう。
■だけど、飛行機の席が減って、お客さんは減る傾向にありますね。各航空会社はジャンボ機を飛ばすのをやめて、中型に変えてる。輸送力が減って、余裕がなくなって、格安航空券が出回らなくなってます。ビジネスで来る人いがいの席が、なくなってるわけです。それはすぐに、僕のような旅人相手の弱小会社には影響が出ますね。客が減ってる。沖縄からのフェリーも8月末で終了になります。ジェットスターという航空会社が関西からバカ安の航空券を出したときは、ここ、お客さんが30%増えたんですよ。そういうふうに、入口、というか、インフラ、というか、そこの変化が、すぐに僕の仕事には現れる。結局、台湾は島なんです。飛行機と船いがいでは入ってこれない。そこがもっと増えないと、お客も増えない。はっきりしてるんです。格安航空会社にはもっと進出してほしいですね。
▼航空会社の輸送力が、山田屋の生命線なんですね。
■そうです。
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▼ところで、数年前に来たとき、美女の写真が机にあって、誰か、と聞いたら、彼女だ、と言ってました。彼女とは、その後、どうなりました?
■別れました。
▼台湾の人だったんですか。
■そうです。台湾の女性にも、いろいろいて、英語とか日本語を話すのは、わりと上の階層の人たちですね。この人たちは、日本人の感覚に近いものがありますけど、ごく一般的な人は、まだまだ男に頼りきる、というところがありますね。男はちょっと大変なところがあります。
▼で、別れた?
■いやいや、そういうことじゃなく・・・・・
▼今は新たな恋人を募集中なんですね。
■はい、そうです。
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▼陽に焼けてますけど。
■お客さんと基降に海水浴に行ったんです。
▼ここ、留守番はいいんですか。
■誰も来ない日を選んでます。
▼楽しそうですね。
■私、人と、わあわあやってるのが、好きなんでしょうね。
▼ここ、長く続くことを願ってますよ。
■はい。ありがとうございます。
話の終了後、ビデオも録らせてもらった。ちょうど宿泊客に、テレビ局で仕事をしている下田麻美さんがおり、インタビュアーをやっていただいた。昼寝をしているところを起こしてしまった。彼女は大の山田屋ファンで、もう何回も来ている。そんなに来ていると、山田屋は台湾の実家、という感じになっているのではないか。
山田屋には、いろんな人が来る。談話室に座っているだけで、様々な出会いがある。いちど、泊まってみては、いかがだろうか。年齢は高い人も来ており、中高年の方でも、もう若くないから、と躊躇することはない。自由な雰囲気が、年齢など忘れさせるだろう。
(文責 春田実 2010年8月10日 台北・山田屋にて取材)
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