旅に憧れて
日本最高峰道路走破
2002,9,9,〜2002,9,16
遠足の前の日
俺の旅に対する憧れは
中学生に頃に芽生えたものだと記憶している。
当時あるテレビ番組の一コーナーで香港からロンドンまで
ヒッチハイクで移動する、という企画があった。
「ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」と銘打ったその企画は社会現象にまで発展し、
「南北アメリカ縦断」「アフリカ大陸・ヨーロッパ縦断」とヒッチハイク三部作として続く事になった。
移動手段はヒッチハイクのみという最低限のルールしかない
破天荒極まりない企画。
後に飛行機を使って移動してたとか台本があったとか数々の疑惑が生じたが
俺にはそんな事どうでも良かった。
奴らのあの顔に強烈にやられちまったのだ。
人に親切にしてもらった時の笑顔
ヒッチハイクが上手くいかず途方にくれる顔
何日も水しか飲めず、久しぶりに口にした食べ物の味に
思わず緩んだ顔
理不尽な行為に激怒する顔
美しい景色に感動する顔
笑顔・泣き顔・怒った顔・爆笑の顔
羨ましかった。
本当に羨ましかった。
特に不自由もなくむしろ恵まれた環境にいながら、
不満だらけの日々を送っている俺に引き換え
毎日の食事にさえ、寝る場所にさえ<困っているこの二人の方が
確実に「生きている」と感じた。
俺は最近いつ思いっきり泣いたっけ?
最近いつ我を忘れるほど激怒したっけ?
最近いつ腹を抱えて笑ったっけ?
旅の中には、それがあるのか?
俺も旅立つべきなのか?
今の生活はどうする?
家族にはなんて言う?
受験はどうする?
期間は?資金は?手段は?言い訳は?目的地は?
自問自答を繰り返し、結論が見出せないままほったらかしにしていた。
あれから数年
学生という比較的自由な身分になった
自由に使える金も増えた
そして、バイクという「翼」を手に入れた。
いまなら、そう今なら、旅立てるはずだ。
そして俺は旅に出た、
かび臭い台詞だけど、ほんとに自分探しの旅に。
もう一年近く昔になるけど、俺の記念すべきデビュー戦。
俺の旅に対する甘い期待など簡単に打ち砕き、
ぼろぼろのメタメタに消費した一週間。
一方で俺の期待以上に「生」を実感し、
生きてることを心のそこから楽しんだ一週間でもあった。
あの日々を語らずして俺の今は無い、と
断言できるってのはなかなか素晴らしい事じゃないか。
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