回りくどい日本語

と言いたい

討論番組などで、「私は○○と言いたい」という言い回しは多用される。「○○と思う」と言うよりも、「○○と言いたい」と言った方が力強い語感がある。「言いたい」ということに意味があるわけでなく、単なる強調の用法である。

やぶさかでない

「〜〜を認めるにやぶさかでない」とは、大企業の経営者や、経済界の大物や、政治家が多用する表現に思われる。非常に回りくどい表現で、すっきりしない。結局、認めるのか、認めないのか、よくわからない。

この限りでない

法律の条文では、「1 Aの場合は、Bである。2 ただし、Cの場合はこの限りでない」という表現が多用される。持って回ったような言い方だが、要するに、「1 Aの場合は、Bである。2 例外として、Cの場合は1は適用しない」という意味である。最初からはっきりそう言ってくれればすっきりする。法律には権威がなくてはならず、庶民にすんなり意味がわかるようではいけない。そのような旧弊な思想が法律を作る人のどこかに残存しているのかも知れない。

(2005/3)


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