目的語を包含する動詞

動詞には自動詞と他動詞がある。自動詞は目的語を必要とせず、他動詞は目的語を必要とする。例えば、「食べる」という動詞は、他動詞であり、「何々を」という目的語を常に必要とする。一方、例えば「立つ」という動詞は、自動詞であり、目的語を必要としない。ところで、もともと他動詞であったのにかかわらず、いつも同じ目的語が用いられるために、その目的語なしで意味が通じるようになってしまった(すなわち、いつのまにか自動詞になってしまった)動詞がいくつか存在する。

かける

新しい髪形をしてきた人に対し、「あ、かけたんだ」、と問い、その人は、「うん、ちょっとかけてみた」と答える。あるいは「きょう、美容院にいくの」「かけるの?」「今回はかけないつもり」といった会話で用いられる。この場合の「かける」とは、「パーマをかける」を意味する。前後の文脈から、「パーマを」という目的語が推察されるので、「かける」が自動詞のように使われている。

飲む

「ジュースを飲む」等、「飲む」は通例他動詞として使われるが、目的語を必要としない自動詞としても頻繁に使われる。その際の「飲む」は、「酒(アルコール)を飲む」ことを意味している。

(2005/3‐)


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