英語科公開授業報告
インターネットを使った英語教育
― チャット機能を利用したディベート ―
『大阪教育大学教育学部附属高等学校池田校 1998年度公開授業研究会』
英語科 公開授業用資料
1998年11月13日
会場 :大阪教育大学教育学部附属高等学校池田校舎 メディアセンター2階
大阪教育大学教育学部附属高等学校池田校舎
教諭 樋口 正次
(E-mail) higuchim@cc.osaka-kyoiku.ac.jp
(Home Page) http://www.ikeda.osaka-kyoiku.ac.jp/~higuchim/
1. はじめに
本校にインターネットが接続されて3年目になる。
一昨年、2年生の生徒達に総合家庭科の中でインターネットの初歩を指導し、自分達のホームページを日本語で作らせた。
昨年は一歩進めて、3年生選択英語受講者を対象にインターネットを使った様々な英語教育を実践し、その様子を秋に開かれた『第39回 全国国立附属学校連盟 高等学校教育研究大会』 (略称、全附連)英語分科会で「インターネットを使った英語教育」として発表した。その後、その授業の中の新しい試みとしてEメールによるディベートに取り組んだ。
今年はまたさらに一歩進めて、1,2年生全員にEメールアドレスをインターネット上から取得させ、インターネットの中にあるチャット機能を利用して、ディベートをやってみることにした。そして、昨年12月に行なったEメールによるディベートと、本年6月から取り組んだチャットによるディベートの記録を、10月22・23日開かれた『第40回 全国国立附属学校連盟 高等学校教育研究大会』英語分科会で「インターネットを使った英語教育(2) ― E-mail Debate, Chat Debate ―」と題して発表させて頂いた。
今回の公開授業では、その中のチャット機能を利用したディベートを実際の授業でご覧頂こうと思う。
2.本年度のこれまでの取り組み
@ 春休みの準備
本年度は2年生の英W(ライティング)4クラス(週2時間)と1年生の英TB(ライティング)4クラス(週1 時間)、それにALTと行なう1年生のOC(B)2クラス(週1時間)を担当することになっていた。ライティン グの授業の半分、即ち2年生は週1時間、1年生は隔週でインターネットを使った授業をしようと考えて いた。後の時間は教室でテキストを使った英作文の授業とした。
そして、本年度の目標はチャット機能を利用したディベートをすることであるが、いきなりするわけに はいかないので、まず生徒全員にE-mailのアドレスをインターネット上から取得させる事から始めた。そ して相手校を見つけ、E-mail文通で互いに知り合ってからチャット機能を利用したディベートを試みよう とした。できれば1人1人別々の相手をあらかじめ見つけておきたいと思い、春休み中にE-mail文通の 相手校探しを始めた。しかし何しろこちらは2年生が4クラスで172人、1年生が4クラスで165人、総勢3 37人である。果たしてこれだけの人数のの文通相手(key-pal)が見つかるであろうか。
A IECC での相手校探し
まず、以前から利用している IECC [http://www.stolaf.edu/network/iecc/] (Intercultural E-Mail Classroom Connections) というE-mail文通をクラス単位で行なう相手校を探すホームページで広告を出してみた。すると十数校から問い合わせがあった。しかし5,6人〜14,5人位のクラス単位がほとんどであった。中には学校で一台のコンピュータしかないところや、先生のアドレスを通してしかメールのやり取りができない学校も多かった。こちらは各人がアドレスを持つ予定なので向こうも各人が個人のアドレスを持っているところを優先的に探した。個人のアドレスを持っている学校から本校の2年生の方へ振り分けていった。結果的に150人ぐらいの生徒のアドレスが集まった。これだけあれば外国人の人1人に対し日本人生徒を二人割り当てればなんとかなる。こうして key-pal 探しはまずまず成功した。
B インターネットからのE-mailアドレスの取得
4月当初の授業で、昨年に引き続きNetaddressからE-mailアドレスを取得させた。(しかし、後でわかったことだが、Netaddressは故障が多く、メールが遅れないことが多かったので、途中からHotmailで新しいE-mailアドレスを取得させた。Hotmailの方が故障が少なくて、使いやすいようである)生徒のユーザー名は、「苗字+下の名前の頭文字」でつけさせたが、中にはふざけた名前やひどいのは別人の名前などをつけているものがいるので要注意である。それを防止することや、同姓の生徒もいることを考えると、クラスと出席番号を頭に付けさせておくべきであった。誰のメールか、後で整理する時に便利である。
C E-mail文通の開始
各人のアドレスが取得できたら、次のようなプリントを生徒に配布して、メールを送らせた。
いよいよメールを出しましょう
1.インターネットの画面の上の中央部の「お気に入り」をクリックし、NetAddressを選びます。
2.上の二つの窓に自分のログイン名とパスワードを打ち込み、Loginをクリックします。
3.左のメニューからWrite Mailをクリックします。
4.To: の所には相手のメールアドレスを打ち込んで下さい。
Subject: はその時の主題です。第1回はself-introductionにしましょう。
Cc: には higuchim@cc.osaka-kyoiku.ac.jpを入れて下さい。これからいつも入れて下さい。
(Carbon Copyの略で、同じメールを他の人にも送れます)
Bcc:は何も書かないで結構です。
(Blind Carbon Copyの略で、相手にわからずに他の人に同じメールを送れます)
Bccの下の Save in Sent Folderの前の小さな四角をクリックして下さい。自分の書いたメールが残せます。
5.内容は、くれぐれも国際人として恥ずかしくないように、マナーを守って書いて下さい。
6.書き出しは必ず相手の名前で呼びかけて下さい。(Dear ----, Hello ---, )
7.終わりには必ず自分のフルネームを書いて下さい。(Masatsugu Higuchi)
☆ Unley High School (Kitchener St., Netherby, South Australia)
(teacher: Louise Nordestgaard <lnord@camtech.net.au>)
(ここにクラスの人数分の相手校の生徒達のアドレスを書いた)
|
D ネチケット(Internet上のエチケット)違反の手紙
メールのやり取りが順調に進んでいたが、ある時1年生の女子にカナダの生徒から変なメールが届いた。私が相手校の先生に抗議し、その先生と本人からお詫びのメールをもらった。本校の生徒にもネチケットのことをあらためて認識させるいい機会なので、次のようなプリントを配布した。
E チャット機能を使ったディベート
さていよいよ、チャット機能を利用してディベートをやってみることにした。相手校は時差の関係で、オーストラリアの高校が理想的だと考え、E-mail文通をしてきた学校の中からオーストラリアの学校にチャットディベートを申し込んだ。次はチャットをするインターネット上の場所をどこにするかだ。
初めはStudent Chat [http://webchat5.wbs.net/webchat3.so?cmd=cmd_doorway:Student_Chat] などのインターネット上にあるチャットルームでディベートをすることを考えたが、チャットルームに入る前の登録がわずらわしいのと、一般のチャットルームには関係のない人達も入ってくるので、私のホームページ [http://www.ikeda.osaka-kyoiku.ac.jp/~higuchim/index.html] の中にあるゲストブックを使うことにした。ゲストブックとは、ホームページを見に来てくれた人が、感想などを書き込めるようになっているもので、掲示板とかサイン帳と呼ばれることもある。私も詳しい作り方は知らないが、インターネット上の Pagecount [http://edu.pagecount.com/] で、無料で作ってくれる。
余談になるが、このゲストブックはなかなかのすぐれもので、ホームページを見に来てくれた人のコンピュータのOSの種類(WindowsかMacか)、使っているブラウザーは何か、どの時間帯に見ているか、何曜日に見ているか、そのコンピュータのアドレス、どこの国から見に来ているかというようなことを、すべて棒グラフにして大変よく分かるように知らせてくれる。こんなサービスを無料でやってくれるのはすばらしいことだと思う。しかし一方では、こういう情報をすべて、この会社に握られているのだが。
F 私のゲストブックを利用したディベート
さて、6月26日に9時15分頃から約20分間、2年1組の生徒が、私のゲストブックを使って行なったディベートは次のようなものだった。
トピックは 最初なので非常にわかりやすい、"Dogs are better than cats." にした。
相手校はオーストラリアのUnley High School (Kitchener St., Netherby, South Australia)であった。
(この学校との時差は30分である。最初はそれを知らずに1時間のつもりで始めたら、相手校がひとりだけ残っていて、他の人は昼食を食べに行ってしまったという一幕もあった)
<相手校の先生がメールで送ってきた、オーストラリアの生徒達>

<ディベートの例>
(J) They say that bogs are more faithful than cats. If thief enters into my house, dogs probably bark at him, and we are saved. In Japanese saying, if we live with dogs for 3 days, the dogs remember that for 3 years. If we live with cats for 3 years, the cats forget that in 3 days.
(A) Cats are very faithful. My cat always sits next to me when I am gardening and is always close when I am outside. Dogs need to be entertained all the time and they are not very clean. They urinate on all the plants and leave unwelcome messages all over the lawn.
(J) I think dogs are better than cats. Because the latter smell so bad and make loud noises in certain season of the year . They are not suited for living with human beings (especially with urban people). What is more, they often disappear from our houses. It takes more efforts to keep a cat than a dog. I
(A) Cats are better than Dogs because dogs need to be taken care of all the time whereas cats are fairly independent.
<かみ合っている例@> (実際の画面では離れたところに出てくるのであるが)
(A) Cats are very comforting. They purr nicely and lower blood pressure. They are good for your health
(J) Hi. I cannot understand your opinion. Cats have many hair. The hair cause us some disease.
<かみ合っている例A>
(A) When dogs get wet they smell, where as cats don't smell any different.
(J) To N. S. I have a cat. But when it gets wet, it smells. So I don't think your opinion is necessarily right.
<おふざけ@>
(A) how do you make a dog miao? put it in the freezer and run it through the
bandsaw. MMMIIIIAAAOOO!!!
<おふざけ@>
(J) CAUTION!!!!!!!TODAY MR.YOSHIDA(TACHI) BROKE DIGITAL THERMOMETER!!! TODAY'S MISSION!!! CATCH HIM!!
<同じ画面上での相手校の先生のコメント>
Dear Mr. Higuchi As usual there are silly people in the class who write unsuitable things. I don't think I like this chat because I do not have enough control over the naughty students. Please ignore their silly comments. It is nearly the end of the term and they are ready for some fun. We will be finishing in 5 minutes. It has been fun. Louise Nordestgaard.
<後で私に来た相手校の先生からのE-mail>
I am very embarrassed about what some of my students said during today's chat. They think everything is a joke and never take things seriously. They speak and write without thinking of the consequences or cultural acceptability of what they say. Please forgive some of their amazingly silly and rude, in every sense of the word, remarks. It is unfortunate that the computer room we were using this afternoon is very badly laid out. The computers are in rows and it is hard to move quickly around and supervise the students or to see what they are doing.
I agree that it is a good idea that they are marked on what they write in the debate. I have also told them that next time I will invite the principal and the coordinator in charge of technology so that might calm them down. Perhaps we could have a couple of debates leading up to your November presentation.
<本校のメディアセンターでの授業の様子>

G Smithfield High School のチャットルームを利用したディベート
私のホームページのゲストブックでは、大勢の生徒がそれぞれ勝手に自分の意見を書き込むのであるから、意見の言いっぱなしのような状態になるので、私としては後のBで紹介するコンピュータ1台同士でチャットができるICQというプログラムを利用したかった。しかしICQというプログラムを自校のコンピュータに入れるのを嫌がったり、オーストラリアのクイーンズ州の教育委員会が許可していないとかの理由で、いまだにICQでのクラス単位でのディベートはできていない。それで次善の策として、多くのチャットルームに小人数ずつが入ってディベートを行なう形式を試みることにした。相手校はオーストラリア、クイーンズ州にある Smithfield High School [http://www.smithfieshs.qld.edu.au./]である。
ディベートのトピックは"High school students should wear school uniforms." であった。
<ディベート途中のインターネットの画面>

H ICQ を利用したディベート
ICQ (I seek you.の語呂合わせ) [http://www.mirabilis.com/] という一対一でチャットができる プログラムをインターネット上で自由にダウンロードできる。国際電話をかけているようなもので、私は非常に便利なものと思っているが、中には危険視する人もあるらしい。実際、私もあるアメリカ人の人からこのICQのことを教えてもらった時、いわれる通りにダウンロードしてみたが、使い方がよくわからず、いかがわしい感じもしてその後は長い間、ずっと使わずにいた。再び使い始めた頃にも、ICQでチャットをしていた見知らぬ人から、このICQ番号で、この名前の人とは、交信してはいけない、こちらのコンピュータが壊れるからと言われたことがある。しかしICQのホームページにも書いてあるように、根も葉もないうわさが横行しているようで、私はそんなに心配していない。チャットができるところには、マナーを守らない人がいるのは致し方ない。しかし一対一でチャットができるこのシステムの魅力は捨て難いので、しっかりした相手校が見つかれば、教育目的に十分利用でき、その成果も大変大きなものになると思う。
早くICQが使える相手校を見つけたいものである。
<ICQでチャットをしている時の画面>

9月11日(金)にICQを使って行なった日本人生徒同士のディベートの練習はこのようなものであった。
<student19> Ok, our opinion is
<student20> We think that uniform is necessary
<student19> that the uniform is unnecessary.
<student20> Because it don't cost so much
<student20> Then when we put on it , we looks like girl high school student?
<student19> Actually, our private clothes cost so much . But you look very boring in the uniform/
<student20> Oh, no! it's because your uniform is too small for you ahaha sorry..
<student19> You know, nowadays it's very important our individual personality!!
<student20> Also because it's money is our parent's money
<student19> Ok, our time is up. See ya!
<student20> time is up bye
☆ チャット機能を使ったディベートのまとめ
チャット機能を使ったディベートは相手校探しがすべてである。時差の関係で、日本から授業中にやるのであれば、相手校はほとんどオーストラリアに限られると思う。
オーストラリアの学校の中から、チャット・ディベートに興味のある先生を探し、じぶんの授業時間に合う人を探さねばならない。最低2−3人の先生が必要で、それぞれ一部合っている授業のところでチャットを実施しなければならない。
私の場合、6人のオーストラリアの先生が、私の呼びかけに興味を示して下さったが、チャットが実施できたのは2人の先生だけであった。
その間、11月5日現在、Louise先生と105通、Mark先生とは89通のメールのやり取りがあった。これからもまだ増えていくはずである。
とにかく事前準備が大変であるが、生徒のためにこれからもがんばっていきたいと思う。
3.本時のディベート
相手校の生徒はオーストラリアのSouth Australia 州Adelaide市にある公立の男女共学校Unley High School の10年生(高校1年生)である。
ディベートのトピックは、"That Science is Harming Our Lives."
日本側がPro side (肯定側)である。
使用するチャットルームはオーストラリア、Queensland州Cairns市にあるSmithfield High School [http://www.smithfieshs.qld.edu.au./]のホームページの中にあるチャットルームである。15部屋のうちの11部屋に分かれて入って、それぞれの部屋でチャットを行なう。
最後の数分はICQ (I seek you.の語呂合わせ) [http://www.mirabilis.com/] でチャットを行なう。
公開授業中の私
4.本時の授業の流れ
手順
|
生徒の活動
|
指導者の指示および留意点
|
分
|
初めの挨拶
|
教師と挨拶する
|
生徒と挨拶する
|
1
|
コンピュータの起動
|
・コンピュータを起動する
・Smithfield High School のホームページを開く
|
・それぞれのテーブルごとに指定されたチャットルームに入る
・コンピュータの起動を指示生徒が全員が、それぞれのチャットルームに入れたかどうかに留意する
|
3
|
相手の確認
|
相手校の生徒が、チャットルームに入っているかどうか確認する
|
・相手校の生徒に挨拶する
・相手校の生徒が入っているかどうか確認し、挨拶させる
|
2
|
ディベートの開始
|
1. 日本側から肯定側立論を送る
2. オーストラリア側からの否定側反論を待つ
3. オーストラリア側の否定側立論を待つ
4. 日本側から肯定側反論を送る
・以下これを繰り返す
|
・巡回して、ディベートの様子を見る
・コンピュータの調子にも留意する
|
20
|
ディベートの終了
|
お礼を述べ、挨拶を交わして別れる
|
お礼を述べさせ、別れの挨拶をさせる
|
2
|
ディベートのまとめ
|
テーブルごとにディベートの様子を発表する
|
テーブルごとにディベートの様子を発表させる
|
10
|
ICQの起動
|
ICQを起動する相手を探す
|
ICQを起動させ、相手を探させる
|
3
|
ICQの開始
|
ICQでチャットを開始する
|
巡回して、チャットの様子を見る
|
7
|
ICQの終了
|
ICQを終了する
|
ICQを終了させる
|
1
|
終わりの挨拶
|
教師と挨拶する
|
生徒と挨拶する
|
1
|
公開授業中の生徒達と参観中の先生方
5. Teaching Plan in English
T. Date: The 5th period (13:40-14:30), Nov. 13, 1998.
U. Class: The second year, Class 2.
V. Aims of this lesson: To develop the students' communicative abilities through debate with Australian students and the ICQ chat.
W. Teaching Procedure:
Procedure
|
Students' activities
|
Instructor's indications and attention
|
Min.
|
Greeting
|
Greet the teacher
|
Greet the students
|
1
|
Logging on the computer
|
・Log on the computer
・Enter the chat room
|
・Tell the students to log on the computer
・Make sure that the students can enter their chat rooms
|
3
|
Confirmation of the partners
|
・Make sure that their partners are in their chat room
・Greet their partners
|
・Make sure that the Australian students are in the chat rooms
・Tell the students to greet them
|
2
|
Starting the debate
|
1) Send their Constructive Speech of the pro side
2) Wait for the Rebuttal Speech of the con side
3) Wait for Constructive Speech of the con side
4) Send their Rebuttal Speech of the pro
・Repetition of this cycle
|
・Observe the students having the debate
・Make sure that the computers are working well
|
20
|
Finishing the debate
|
Thank their partners and say good-bye
|
Tell the students to thank their partners and say good-bye
|
2
|
Presentation
|
Tell the class how the debate went on in their chat room
|
Ask the students to tell the class how was their debate
|
10
|
Logging on ICQ
|
・Log on ICQ
・Find the partner
|
Tell the students to log on ICQ and find the partner
|
3
|
Starting ICQ chat
|
Start ICQ chat
|
Tell the students to start ICQ chat
|
7
|
Finishing ICQ
|
Finish ICQ
|
Tell the students to finish ICQ
|
1
|
Farewell
|
Farewells to the teacher
|
Farewells to the students
|
1
|
チャット中の生徒達
6. 授業を終わって
当日のオーストラリアとのチャットがうまくつながるかどうかが気がかりだったが、打ち合わせた時間どおりつながってほっとした。しかしなぜかチャットルームのサーバーの調子が悪く、チャットのメッセージの書き込みが普段とは違って、何回も書き込みの指示をしないと実行されなくて困っている生徒が多かった。64名の先生方に見つめられて、コンピュータも多少緊張していたのかもしれない。
公開授業の二日後、相手校の Louise 先生からメールを頂き、参加した生徒は31名で、放課後わざわざ残ってくれたこと、中にはクラブでどこかへ出かけていたのに時間に間に合うように戻ってくれた生徒諸君もいたことをお聞きした。
そして事前に後の参考資料1のようなのようなプリントを配布しておられたこともわかった。
Louise 先生には本当に感謝している。
7.公開授業後の研究協議会報告
授業者:樋口 指導助言者:北尾謙治先生(同志社大学) 司会:足立 記録:山田 ビデオ撮影:若島
場所:メディアセンター2階
時間:2時50分から4時30分まで
I.本日の公開授業について
(1) 授業担当者の説明と反省--本年度の取り組みを中心として
本校にインターネットがつながり、それを授業に取り入れたこと、Eメールのやり取りから始めて、チャットにいたる経緯について説明があった。またトピックのないチャットからディベートに至る経過も説明された。本当はICQを使った一対一のディベートを行おうとしたが、ICQを使える相手校が見つからず、あえなく複数のチャットルームに分かれてディベートを行なうに至ったことなども話された。チャット機能を使ったディベートは時差を考慮しなければならないので、相手校探しが難しいこと、日本からではオーストラリアが最適であるが、10月25日からサマータイムとなるなど思わぬ変化にも対応しなければならないこと、そのために相手校の先生とのメールのやり取りが頻繁に必要なことなど、様々な苦労話があった。本日の授業で行なったデイベ−トのテ−マである「科学は人間に害を与えている」は、なかなか難しいテ−マなので教師のほうで関連プリントと必要な語彙をまとめたプリントを用意した事などが話された。
(2) 質疑応答
Q:コンピュータを使った授業と英作文の授業との時間配分は?
A:2年生は英作文の時間が週2時間あり、それを1時間ずつに分けています。1年生は英作文の時間が週1時間なので、隔週で行なっています。
Q:メ−リングリストを活用していますか。
A:今のところ使っていません。
Q:授業時間以外のコンピュータの使用頻度はどの程度ですか。
A:週3回、放課後にコンピュータルームを教師付き添いで開放しています。席の半数ぐらいが埋まります。
Q:英作文の授業でインターネットを使う理由は何ですか。
A:Eメールのやり取りやチャットなどで必要に迫られて、しかも楽しく英文を書くようになるなど動機づけの意味あいが大きいと思います。
Q:チャットを使う理由は何ですか。
A:Eメールのやり取りでは1週間後、何か行事があれば2週間後に相手から返事が来ますが、チャットでは相手と瞬時にコミュニケーションが取れるところです。
Q:評価はどのようにしておられますか。
A:インターネットの授業では新しい経験をすること自体に意味があり、技量の評価はあまり必要ないのではと考えています。 学期ごとに全員に平生点を与えています。
Q:コンピュータ操作の指導はしていますか。
A:特別な指導はしていません。
Q:授業の中でコンピュータ操作にかかる時間と相手とのコミュニケ−ションをとれる時間の割合はどのくらいですか。
A:今日の授業はインターネットの接続状態が悪く、操作にいつもより時間がかかりました。機械のことですから、うまく動かないときが時々あります。
Q:ICQを使う危険性についてどう思われますか。
A:基本的にはあまり危険性はないと考えています。ICQについて様々なうわさも耳にしますが、今まで使ってきた限りでは不都合はありません。もし相手が変な人ならすぐやめて、新しい相手とするように指導しています。
Q:到達目標はどの程度のところに置いていますか。ディベートの時の生徒のグル−プ分けの配慮はしていますか。
A:到達目標は特に考えていません。グル−プ分けについての配慮はしていません。
Q:三年前の生徒と比べて、コンピュータ操作などに何か違いがありますか。
A:最近の生徒の方がコンピュータを家に持っている割合が多いようですが、特にうまく使えるということはありません。
Q:アドレスの割り当てはどのようにしていますか。
A:これまではコンピュータに詳しい数学の先生に一人1枚のフロッピィーを渡して、メールアドレスを割り当てていましたが、フロッピィーを忘れたり、壊したりする者がいて困りました。現在では全員インターネットの中で無料でアドレスをくれるホットメールで、アドレスを取得させています。
Q:生徒はこれまでにディベート大会などに参加した体験を持っていますか。
A:ありません。
Q:維持コストはどの程度ですか。
A:大阪教育大学が支払っているのが、月30〜40万円です。それを11校の附属校で割っているので、本校分は月3〜4万円ぐらいです。
Q:コンピュータを使える環境を作る作業などに要する時間など、背後にある問題点などについて教えて下さい。その作業をする先生への持ち時間などに対する配慮はありますか。
A:校務分掌にインターネット係があり、その係で様々な雑務を行なっています。持ち時間の配慮はありません。
Q:オーストラリアの高校生は何の授業でこのディベートをやっているのですか。
A:コンピュータを使った授業をとっている生徒達です。
Q:ディベートのトピックの決め方及び、白熱したトピックは何かありましたか。
A:トピックは私が提案したり、相手校の先生が提案されたり、合議制で決めています。白熱したトピックと言えるものは特にありません。
(3) 指導助言者からの講評
チャットとデイベートを結びつけたのはよかったと思います。生徒が準備をすることに意味があります。他にも英語の学習者だけのチャットルームもあります。チャット機能を持ったソフトも色々あります。生徒にコンピュータを教えるには指導者が技能に長けていることが必要です。さらに行きつくところを指導者が十分把握していることが必要なのです。
この授業にはチャットを核に前後にライテイングの要素があります。コンピュータを使うことによって、動機づけが出来れば良いのではないでしょうか。今日の授業では様々な創意工夫が見られました。この他にもまだまだ様々な創意工夫ができると思います。写真など映像と組み合わせてインターネットを使えばどうでしょうか。指導の前に指使いを教えればどうでしょうか。インターネットを使いこなすには、まず自分が楽しまなくてはいけません。楽しんで英語学習が出来ればそれに越したことはないと思います。
II. 研究協議会
(1) テーマに関する研究討議
Q:ネチケットについてのホームページについての情報を教えてください。
A:いくつかホームページがあります。
Q:インターネットを使って、この他に何ができるのでしょうか。
A:私のホームページを紹介しながら説明しましょう。(北尾先生がビデオプロジェクターを使って約30分にわたって説明されました)
III. 先生方へのアンケ−ト用紙の感想欄から
・新カリキュラムで英語科が変わっていく中で、一歩先を行く授業だった。
・生徒の英語力に驚きました。様々な機能を利用されており、参考になりました。
・大変参考になりました。疑問の幾つかが解けました。
・インターネットとディベートを結びつけた最先端の授業でした。
・後の研究協議会では、ワークショップ形式にして参加者も実際にコンピュ−タを扱いながら体験できればもっと良かった。
8.参考資料
<資料1> Louise 先生の事前プリント
Internet Debate with Ikeda Senior High School, Osaka, Japan
Friday, November 13th, 1998
Topic: That Science is damaging our lives
1. Log on and go to Netscape Navigator
2. Type in the address
http://www.smithfieshs.qld.edu.au
3.Click on the 'Chat Rooms' option on screen as shown below

4. In the dialog box which comes up (below) you must type in
your first name and the initial of your surname e.g Ben S in the 'User Name'.
You are not to proceed until this has been checked.
You don't need to put in your email address or homepage address unless you want to.

5. You may use Frames or not as you prefer.
6. Click on the arrow at the end of open forum and choose the appropriate room to enter as per the following teams (some of these may change if people are unable to make it or more people arrive)
Grade 1=Shameem Abdollahi, Jing, Agnes and Maree Vlassis
Grade 2=Darren Humphrys, Stephen Clark, Gavin Cullip
Grade 3=Sam Rodgers and Jed Hastwell
Grade 4=Rory Burnell and Ben Swanson
Grade 5=James Allen, Josh Tamme, John Mason
Grade 6=Tariq Islam and Markiyan A., Elia and Billy
Grade 7=Tamara Sinkinson, Mona Mostaghim, Cate
Year 8=Libby Pyle, Judith Riley, Adele
Year 9=Phil Gordge, Chris Wilcox, Michael Mar
Year 10=Warren Foster and Ben Cole
Year 11=Aaron Wood and Rhys Howard
7.Once your name has been checked click on Enter The Chat Room

8. When the above dialog box appears you can begin the debate. Write a short intro in the box where it says 'Enter the Chat Message Below' saying who you are eg This is Sally. I am a 14 year girl in year 10 at Unley High and I am looking forward to proving to you that science is improving our lives.
9. Once you have typed your message, click on Send Message. This will refresh the messages. You need to scroll down and see if they have said anything new. The most recent message is at the top and the least recent at the bottom.You need to click on New Messages to see if they have sent anything new, if you don't send a message. ie to see new messages, send a messge or just click 'New Messages'
10.They will send their speech on the pro side. Once they have done this you can rebut. I think it will be OK if you rebut a point at a time and send each point when it is completed. Keep the language simple and don't be impolite if they don't understand what you have said.
11. Once you have completed the rebuttal, you must type in your speech for the con side -that science is NOT damaging our lives.
12. Once you have finished they will rebut you. Remember, these students are older than you and probably very clever as they are at a university school-don't be patronising because their English may not be perfect.
13. When it is finished, ask them if there is anything else they want to add, and thank them for the debate.
14.Quit, log off, leave room tidy and have afternoon tea.
15. Thankyou for participating
<資料2>
事前指導として、私が3年前に書いた次の論文を配布し、ディベートはどういうものかを説明した。
Debate入門 (The First Steps to Debate in English)
―― 発信型英語教育をめざして ――
大阪教育大学教育学部附属高等学校池田校舎
教諭 樋口 正次
(E-mail) higuchim@cc.osaka-kyoiku.ac.jp
(Home Page) http://www.ikeda.osaka-kyoiku.ac.jp/~higuchim/
1. はじめに
Debateは楽しい。やってみるとけっこうできる。はっきりした意見を持ち、それを堂々と主張するのは快感でさえある。これこそ今まで日本人に最も欠けていたものである。国際化が叫ばれて久しいが、日本人が国際人として活躍するためには、相手の意見も聞きこちらの意見も主張するというDebateの基本を早く身につける必要がある。何も難しく考える必要はない。簡単なところからやり始めよう。これは比較的導入しやすいと思われるDebate授業の実践報告である。
2. Debateを取り入れるきっかけ
平成6年度よりOral Communicationの授業がスタートし、言語本来の音声によってCommunicateできる能力を養う教育が本格的にはじまった。本校のカリキュラムはOC(B)(Listening中心)であるが、2単位のうち1単位はカナダ人のALTとのTeam Teachingである。しかし、せっかくNative Speakerに週に1回来てもらうのだからというので、この授業はSpeaking中心で、実質的にOC(C)の授業のようになっている。
その中で始めは毎時間生徒を4人ずつSpeechをさせていたが、自分の書いてきた原稿を読んでるだけとか、暗記してきたものを思い出しながら話すという生徒が少なくないため、これではいけないと思うようになった。
阪神淡路大震災をきっかけに、あらゆる分野で危機管理の見直しを迫られる今、英語教育も例外ではなかろう。即興で臨機応変に英語が話せる事をめざすのが、これからの英語教育の急務であると思う。
それにはDebateが最適であると思い、後期からの授業で実施することにした。
3. Debateの具体的手順
a.Proposition(論題)の設定(私の授業ではTopicと呼んだ)
意見がほぼ半々に分かれるようなもの、生徒にとって身近なものを選ぶ。簡単な内容のものから徐々に難しいものへ発展させてゆく。授業では
1回目 Dogs are better than cats.
2回目 Students of our school should wear school uniforms. (ちなみに本校は私服)
3回目 Students should have to go to high school in their neighborhood. を実施した。
b.Affirmativeと Negativeに分ける。(授業ではProと Conと呼んだ)
各クラスには7、8人ずつ6班に分かれた生活班があるので、それを利用してPro班 Con班それぞれ3班ずつに分けた。各班の班長にどちら側になりたいかを聞いて、希望と反対の側に指定したりして,教師側で自由に決めた。Debateでの論陣は自分の主張に関係なく決まるものだということを、生徒に徹底しておかなければならない。
c.Brainstorming (意見の出し合い)
論陣が決まれば、各班で自分の班がどちらの側かに関係なく肯定側、否定側、両方の論拠を考えさせた。これは自分の側の論拠を整理するためであるのはもちろん相手側の論拠を予想し反論する時の準備でもある。論拠の数は多ければ多いほどよい。この時大切な事は、どの論拠にどれくらいの正当性があるかはあまり考えずに頭に浮かんだものをどんどん列挙させるということである。これがまさにBrainstormingである。
論拠がだいたい出そろえば、有力と思われる論拠を自分の班の人数分選び出す。誰がどの論拠を使うか、発言の順番はどうするか、相手側の予想される論拠に対する反論などをしっかり考えさせた。このあたりで1時間の授業である。
さて次はいよいよDebateである。
d.Debateの実際
Debateの形式にはいろいろあるが、授業で実施したのはもっとも基本的でわかりやすい形式にした。即ち,
1) Pro側の Constructive Speech (肯定側立論) (授業ではBuildと呼んだ)
2) Con側の Rebuttal Speech(否定側反論)(授業ではAttackと呼んだ)
3) Con側の Constructive Speech (否定側立論)
4) Pro側の Rebuttal Speech(肯定側反論)
を1単位として、これを各班の人数分だけ繰り返すのだ。
この時、1単位の中の4人はすべて違う人がやるということを確認させておく。だから発言の順番ははっきり決めておかなければならない。
Speechの時間は1回目はConstructive Speechが30秒、Rebuttal Speechが15秒、2回目はそれぞれ1分と30秒、3回目は2分と1分とした。30秒でも話してみると随分長く感じられる。2分間の立論では、前もって相当しっかりした準備をしておく必要がある。それでDebate Speechの基本を説明しておかなければならない。即ち、
1) Introduction (自分の論拠)
2) Body (論拠の理由付け。自分の身近な例が望ましい)
3) Conclusion (自分の論陣の主張と関連させて再度自分の論拠を強調する)
どの班からやるかは、各班の班長に前に出てこさせてペアを作らせ、ALTから英語でALT本人に関する問題を出してもらい、それに早く正解を出したペアを、勝ち抜けとし、最後に残ったペアの班からDebateをすることにした。4月当初のALTの自己紹介をよく覚えていたかどうかが分かれ目となった。一つのペアで1時間の授業になるので、すべての班が終わるには3週間かかることになる。
ふたつの班の論戦を聞きながら、残りの班の生徒には表1のような、Debate記録用紙に、各生徒の論拠まとめさせた。しっかり聞いてもらうためである。
e.Debateの評価
Debateが終われば、聞いていた班の生徒はどちらの側がよりPersuasiveであったかを判定しDebate記録用紙に班名を書き込ませた。また授業の最後に、手をあげさせてどちらの側が優勢だったかがクラス全体がわかるようにした。
教師側も、各生徒のSpeechにたいして5段階で評価した。表2はALTのつけた採点と各生徒の発言に関するメモである。各Speechをもっと細かく評価することも可能であるが、Debateをとにかくやってみるということに主眼を置いたので、大まかな評価とした。
4. Debateに関する留意点
否定側が気をつけなければならない事は、命題が必ずしも正しくない事を指摘すればいいのであって、命題の反対を立証する必要はないという事である。例えば1回目のDebateの時、否定側は「犬も猫もともに動物であってどちらがいいとは言えない。」と言えばいいのであって、猫のほうがいいことを立証する必要はないのである。この意味では肯定側のほうがはるかに難しいといえるかもしれない。なにしろ肯定側は命題が正しい事を立証しなければならないのだから。
5. おわりに
以上のように、
a. Propositionの提示、論陣分け、Brainstormingで1時間、
b. 実際のDebateで3時間、
合計4時間でひとつのPropositionについてのDebateが完結する。
さて、Debateをやってみて実感した事は、物の見方には両面があるということである。一つの命題に対してどちら側からもそれなりの理由をつけて発言する事は可能である。自分の本当の意見に関係なく論陣が決まる事で、それが一層はっきりと認識される。そして相手を説得するためにどのように言えばよいか、相手の意見に対してどのように反論すればいいかを考えるのはまさに知的ゲームである。英語圏の人たちの物の考え方、自分の意見の主張の仕方を追体験できたように感じた。これからもどんどんDebateの授業をやっていきたいと思う。
6. 参考文献
松本 茂 「頭を鍛えるDebate入門」(講談社、1996)
神保 尚武「Hello, there! Oral Communication C」(東京書籍、1995)
文部省「高等学校学習指導要領解説」(教育出版、1993)
石井 敏 & James R. Bowers「Speak out .Oral communication C」(桐原書店、1994)
<資料3>
ディベートの前に、次のプリントを配布して各自の考えをまとめさせた。
11月13日(金)のディベート参考資料
ディベートの論題 : "That Science is Harming Our Lives" 日本側がPro-side (肯定側)です
<toxics> 毒物
toxic 毒性のある
dioxin ダイオキシン
TCDD (tetrachlorodibenzo-p-
dioxin)
(ダイオキシンの一種で除草剤
に含まれる有害物質)
chlorine and chlorine-derived
chemicals
塩素化合物や塩素系化合物
organochlorines 有機塩素
PVC (polyvinyl chloride) ポリ塩化
ビニル
PCBs (polychlorinated biphenyls)
ポリ塩化ビフェニール
chemicals 化学物質
persistent organic pollutants
(POPS)
分解しにくい有機汚染物質
hormone disruptor
ホルモンを混乱させるもの
carcinogen 発ガン性物質
ingested 摂取する
DDT pesticides
(dichlorodiphenyltrichloroethane)
ディーディーティー(殺虫剤の一種)
<mortalization> 自動車社会
auto emissions 自動車の排出物
waste gas 排気ガス
|
nitrogen oxide (NOx)
窒素酸化物
carbon dioxide 二酸化炭素
carbon monoxide 一酸化炭素
<environment> 環境
ecology 生態学
ecosystem 生態系
pollution 汚染
contamination 汚染
water pollution 水質汚染
ocean pollution 海洋汚染
ocean dumping 海洋投棄
oil spills 原油流出
soil pollution 土壌汚染
acid rain 酸性雨
environmental hormone
環境ホルモン
ozone depletion オゾン枯渇
chlorofluorocarbons (CFCs)
フロンガス
ultraviolet radiation 紫外線照射
eye cataracts 白内障
ozone layer オゾン層
ozone hole オゾンホール
greenhouse effect 温室効果
|
global warming 地球温暖化
desertification 砂漠化
climate change 気候変化
el nino phenomenon
エルニーニョ現象
<medicine> 医薬
AIDS (acquired immune deficiency syndrome)
エイズ
HIV (human immunodeficiency virus)
ヒト免疫不全ウィルス
(エイズウイルスのこと)
immune system 免疫系統
blood transfusion 輸血
medicine victims 薬物被害者
<genetic engineering>
遺伝子工学
genetically engineered food
遺伝子組み替え食品
genetically modified food
遺伝子組み替え食品
< nuclear > 核
nuclear reactor 原子炉
(leak 漏れる)
nuclear weapons 核兵器
atomic bomb 原子爆弾
hydrogen bomb 水素爆弾
|
1.Slowly Poisoning the Planet
<Organochlorines*>
From the North Pole to the deep oceans, organochlorines and other persistent organic pollutants (POPS)* can be found in the air, water, and food chain. It is not only people who live or work near sources of chlorine pollution* who are exposed; the problem is truly global. Even polar bears*, whales, and Inuit people* in the Arctic living far from any industry now carry extremely high levels of dioxins*, PCBs*, and other organochlorines in their body tissue because these pollutants can be transported long distances on atmospheric currents* and to a lesser extent in rivers and oceanic currents.
It is estimated that even if production ceases, levels in the environment will take years to decrease. The persistent organochlorines take decades or centuries to degrade, and can undergo continual recycling throughout the environment. As industry produces more and more chlorine, the total global burden of organochlorines is likely to grow.
(注) organochlorines 有機塩素 persistent organic pollutants (POPS) 分解しにくい有機汚染物質 chlorine pollution 塩素汚染 polar bears シロクマ Inuit people イヌイット族 dioxins ダイオキシン PCBs (polychlorinated biphenyls) ポリ塩化ビフェニール atmospheric currents 大気の流れ
<Ozone depletion>
Ozone depletion* caused by chlorofluorocarbons (CFCs)* has resulted in increased ultraviolet radiation* levels on earth. The effects include increased eye cataracts* and blindness, skin cancers and immune system damage to humans. Plant and animal species are also currently being affected. Because of the persistence of chlorine molecules in the stratosphere*, ozone depletion will continue long after human inputs of chlorine chemicals to the atmosphere end.
(注) ozone depletion オゾン枯渇 ultraviolet radiation 紫外線照射 eye cataracts 白内障 stratosphere 成層圏
<Dioxins>
Dioxins are 'super-poisons' and are produced as unintentional by-products from the many processes in which chlorine and chlorine-derived chemicals* are produced, used and/or disposed of. It is a human carcinogen and hormone disrupter and recently the World Health Organisation declared the most toxic dioxin, TCDD*, as a Class 1 human carcinogen*.
It is now known that offspring* are most at risk. In many ways the time between conception* and birth is the most important for the healthy development of children. Unfortunately all populations are now contaminated with dioxins and other organochlorine chemicals, particularly in industrialized countries. A person born prior to* the chemical industry's growth after the Second World War was probably not exposed to these chemicals in the womb*, but has been exposed during their lifetime. Their children, however, and their children's children have been exposed both in the womb, via* breast milk, and during their lifetime via the food they eat, the water they drink and the air they breathe.
Evidence from effects on wildlife surfaced in the 1960's beginning in many ways with the publication of Rachel Carson's book "Silent Spring"* which first warned of the dangers of DDT pesticides*. As she predicted, "our fate is connected with the animals.' Growing evidence from human health studies have shown a link between the levels of dioxins and other chlorine-based substances and subtle* but significant* health damage.
(注) chlorine and chlorine-derived chemicals 塩素化合物や塩素系化合物
TCDD (tetrachlorodibenzo-p-dioxin) (ダイオキシンの一種で除草剤に含まれる有害物質) carcinogen 発ガン性物質 offspring 子孫 conception 受胎 prior to 〜より前に
womb 子宮 via 〜を経て Rachel Carson's book "Silent Spring" レイチェル・カーソンの『沈黙の春』 (環境問題関連著書の最初の本として有名) DDT pesticides (dichlorodiphenyltrichloroethane) ディーディーティー(殺虫剤の一種) subtle かすかな significant 無視できない
2.GREENPEACE CALLS FOR A TOXIC FREE FUTURE AT UNEP* CONVENTION
Montreal /Amsterdam-Fifty women embracing symbolic pregnant bellies* welcomed international delegations* participating in the United Nations Environmental Program Convention (UNEP) starting in Montreal today.
Government representatives will discuss a treaty to deal with persistent organic pollutants (POPs)*, poisonous chemicals that are contaminating food around the world.
Greenpeace action highlights both the threat these toxic pollutants pose to future generations and the hope that these negotiations promise. The women participating in the action maintained a silent vigil* for two hours, as delegates entered the conference centre to begin their deliberations.
"We are here to greet the negotiators, but also to remind them of their grave responsibilities", said Jack Weinberg of Greenpeace. "They must agree on an effective program of global action to eliminate POPs so that every pregnant woman in the world can know that her womb can again become a toxic-free* zone."
Many of the most toxic chemicals under discussion during these negotiations are passed from mother to child in the womb and interfere with optimal* development of the fetus*. They are linked to a wide array of health problems: falling sperm* counts, rising rates of breast cancer, behaviour disorders, immune system* changes and others.
The United Nations sponsored negotiations starting in Montreal this week mark an historic occasion*: the first effort to control a class of manmade toxic substances on a global basis.
(注) UNEP (the United Nations Environmental Program Convention) 国連環境計画会議 pregnant bellies 大きくなったおなか international delegations 国際派遣団
organic pollutants (POPS) 有機汚染物質 vigil 寝ずの番 toxic-free 有害物質のない optimal 最高の fetus 胎児 sperm 精子 immune system 免疫系統
mark an historic occasion 歴史的な出来事となる
3.Some hazardous toys
Some soft toys made with PVC* contain hazardous chemicals which can be ingested* by children when the toys are sucked* or chewed.
(注) PVC (polyvinyl chloride) ポリ塩化ビニル ingested 摂取する suck 吸う