ゆったりした時間の大切さ
2組担任 樋口正次
夏休み前の学年通信で、「読書三昧の夏休みを」という題で書かせていただきましたが、皆さんの夏休みはどうだったでしょうか。私は吉本ばななさんの「哀しい予感」と三浦 綾子さんの「あのポプラの上が空」というのを読みました。どちらも考えさせられるいい本でしたが、特に「哀しい予感」の方は全編に静かなゆったりした時間が流れているのが感じられ、どこか救われるような感じがする不思議な本です。あまりあくせくしなくていいのだよ、自分の思うようにゆっくり生きればいいのだよ、と作者が優しく語りかけてくれるようなそんな本でした。
さて1年生も半ばを過ぎましたが、最近の皆さんの生活はいかがでしょうか。ひとりで悩んでいる人はいませんか。自分の本当の心を無理やり押さえつけている人はいませんか。もちろん何らかの悩みはみんな持っているでしょうし、いつも自分のやりたいようにできるわけではありませんが、あまりにも極端に悩んだり、自分の気持ちを押さえつけたりしないようにしたいものです。私も高校生や大学生の時は随分悩みました。対人恐怖症のようになったこともあります。そんな時心理学に興味を持ち、フロイトの「精神分析入門」を初めとして、池見酉次郎さんの「自律訓練法」「交流分析」関係の本を読み、「こころ」の勉強をしました。若い時はいろいろ悩むものですが、あまり心配しないで下さい。そのうち何とかなるものです。「〜しなければならない」と考えるとしんどくなります。「〜するにこしたことはないが、もしできなくても大したことはない」と気楽に考えましょう。どうか1年生全員が心身とも元気で毎日を送ってくれることを心から祈っています。
話は少し変わりますが、11月1日に司馬遼太郎記念館が東大阪市の近鉄八戸ノ里駅から徒歩8分の所にオープンしました。創立記念日の日で、たまたま出張もあったので、帰りに寄ってみました。入り口を入ってすぐの所にビデオがあって、司馬遼太郎さんの紹介を流していましたが、それを見てまずびっくりしました。彼はあるテーマで本を書く時は、関連した本を手に入る限りすべて読むのだそうです。それぞれの郷土の地名辞典、その土地の地誌などを含め本当にこんな本まで読まれたのかと思うものまでいろいろありました。そのようにして集まった本が約4万冊。その半分が記念館に展示してありますが、吹き抜けの高さ11mの壁面に天井までびっしりと本棚が並んでいる様はまさに圧巻です。司馬遼太郎さんの脳の中に入り込んだような感じになります。趣味がなかったからあれだけ読めたそうですが、本当に頭が下がります。囲碁が好きで、見たい映画がいっぱいある私にはとても真似できませんが、何かに打ち込むときの姿勢は学びたいものだと思いました。今まで読みたいとは思っていながら読んでいなかった彼の直木賞作品「梟(ふくろう)の城」と代表作の「竜馬がゆく」を記念館の売店で買って帰りました。テレビでもよく紹介されていましたが、興味のある人はぜひこの司馬遼太郎記念館に行かれる事をお薦めします。