2年生になるにあたって


2組担任 樋口 正次

 最近、小学生から大学生まで、日本の学生の学力低下が叫ばれています。そして大学はかなり危機意識をもっているようです。実際、今年のある大学の入学式で、「適塾で福沢諭吉がやったように、ひたすら勉強してほしい」と新入生に発破を掛けたと新聞に出ていました。
 福沢諭吉が適塾でどんな風に勉強していたのかと興味が湧き、インターネット検索のGoogle で調べてみると次のような事がわかりました。
福沢諭吉は「福翁自伝」の中で、緒方洪庵の適塾で勉強していた時、「一日中勉強していて眠くなったらその場で横になって寝た。ふとんに入って寝たなんてことはなかった」と書いているそうです。
 もうひとつこういう話も出てきました。福沢諭吉が、教え子との同窓会で熱海の方で宴会をやっていたら、その旅館の主人も慶応大学出身の人だったそうです。福沢諭吉が、その人に、勉強を続けていますか、とたずねたら、いや、もうこういう旅館業をしていて忙しく、この頃とんと勉強していませんと言ったら、福沢諭吉は「一生勉強しろって言っただろう」と烈火のごとく怒ったそうです。慶応大学の創始者の福沢諭吉は、さすがに偉い人ですね。
私はもう一人ほとんど寝ずに勉強した人の話を読んだことがあります。昔の「岩波英和辞典」を書いた田中菊雄という人です。この人は、小学校しか出ていないのに、独学で英語を勉強して山形大学教授にまでなった人で、いつも机の前で座って勉強していて、眠くてたまらなくなったら机に突っ伏して寝てしまう、目がさめると何時であろうとまた勉強を続けるという生活をしていたそうです。
 このような立派な人達と同じようにはなかなかできませんが、その気概を見習って少しでも近づきたいものです。
 さて2年生という新しい学年がスタートします。私も君たちと同じこの附高の卒業生ですが、2年生の時、担任の英語の先生が、最初の時間に「高校2年生のこの1年は人生の中でもかなり大切な時期になると思う。進路はもちろんのこと、人間関係でも、ずっと影響していくと思う。たとえば人間関係では、高2の時の友人が一番の親友になっている」という話をされました。その時はそういうものかなと思って聞いていましたが、今考えると、私もその先生のおっしゃったとおり、高2の時の友人が一番の親友になっています。
 さあ、新しいクラスで気分を新たにして、この2年生という高校生活の中心になる一年間を、楽しく、助け合って、切磋琢磨していきましょう。そしてみんなで、健やかで思いやりのある、いい学年を作っていきましょう。