皆さんに会えて幸せでした

 3年4組 担任   樋 口 正 次

46期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
皆さんは、私が附高に来て、2回目に担任をした学年です。それだけに、ほんの少し余裕を持って担任ができたのではないかと思っています。そして何よりもうれしいことは、皆さんがすばらしい生徒だったことです。この3年間、皆さんに声を荒げて注意をしなければならなかったことは、一度もありません。いつもにこにこ、皆さんのすることを見ているだけでよかったのです。1年生の最初の学年集会で言ったように、人との出会いは「縁」ですが、本当にすばらしい「縁」だったと思います。
 皆さんは勉強の方でも、よくがんばりました。模擬試験の学年平均の英語の全国偏差値が、2年生のときは前の学年より低かったのが、次の年には高くなっていたことは、本当にうれしいことでした。毎時間の小テスト、定期考査のたびに3つのテスト、そしてそれぞれ教科書以外に参考書や問題集の範囲が入っていたこと、2年の春休みから3年の夏休みまで、センター試験の過去問の宿題が定期的にあったこと、そのどれにも、皆さんはよく答えてくれました。
 話は変わりますが、昨年ノーベル化学賞受賞者の野依良治博士の講演を聞きました。次の3点が心に残りました。@子供の誕生は個人的には喜ばしいが、人類全体では人口爆発現象のひとつで喜べない。現在は、そんな矛盾内蔵型の社会である。Aこの世の中は、メビウスの輪のように、local(自分の周り)では、自分は表にいると思っているが、global(もっと大きい視点)で見ると、表も裏もないのではないか。B今までの自然科学は自分の外にあるものを研究してきたが、これからは自分の中にあるもの(ヒトゲノム、脳、人の心理や感情)の研究が主になるであろう。
 また、昨年暮れに、養老孟司氏の「バカの壁」を読みました。これも次の3点が印象に残りました。@人間は外からの情報に、ある係数をかけて脳に入れている。だからその係数が0であれば(その情報に関心がなければ)、その情報には反応しない。価値観が違えば、話しても分かり合えない。A最近の子供は我慢ができず、すぐ「キレル」。赤と黄、ふたつのランプがあって、手元にスイッチがひとつある。小学生に、「黄色のランプがつけば、スイッチを押す。赤のランプがついたときは、スイッチを押さない」と指示をしておく。早さには関係なく、正確に押すかどうかを調べる実験である。その正答率を比べたら、現在の小学校高学年は30年前の小学校低学年とほぼ同じだった。今の子供は我慢ができない。違うランプでもすぐスイッチを押してしまう。B体は動かせば進化するが、動かさなければ退化する。
 それで私は思いました。人間同士が分かり合えないのでは寂しすぎます。心の関数を0にしないように、何にでも興味を持ちましょう。そして、お互いが「人間である」という最低限の共通項から出発しましょう。気持ちはなるべくおおらかに持ちましょう。頭もできるだけ使いましょう。私は囲碁が大好きなのですが、囲碁は考えるゲームなので、頭の退化を防ぐのにとてもいいと思います。皆さんも機会があれば覚えられてはどうですか。
 いよいよ附高ではお別れですが、またどこかでお会いすることもあるでしょう。同窓会にはできる限り出席します。皆さんも来て下さい。また何か質問などがありましたら、下記のメールアドレスやホームページで、いつでも気軽に声をかけてください。それでは、また会う時を楽しみにしています。お元気で。
higuchim372@yahoo.co.jp
http://www.ikeda.osaka-kyoiku.ac.jp/~higuchim/index-j.html