新しい世界に向けて
副校長 樋口 正次
51期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
3年前の2月頃、51期生の担任団が決まり、互選によって、私が学年主任に選ばれ、初めての経験に、うまくできるだろうかと大変緊張したことを昨日のように思い出します。
担任団の先生方とともに、合格者招集の日から学年が動き出し、学年主任として、指示を出したり、皆さんの動きをそばで見ていた時、素直でいい学年になりそうな予感がしました。
1年生の最初の行事である入学式も無事済み、研修合宿に行きました。近江八幡の国民宿舎で学年全体のリクレーションの中で、私はみなさんに「生徒会歌」を覚えてもらいたくて歌唱指導をしましたね。皆さんは夜も比較的静かで、早く寝たように思います。
授業中も、皆さんはしっかり聞くところは聞いて、冗談に反応するところは反応し、実に思いやりにあふれた優しい人たちの集まりでした。秋の遠足は神戸へ行きましたね。中華街や異人館、神戸港周辺を散策したのも楽しい思い出です。
2年生になり、春の遠足は、京都へ行きましたね。私は、京都大学や吉田山、東山といろいろ見て回りました。秋は何と言っても北海道への修学旅行です。天候にも恵まれ、実に楽しい旅行でした。皆さんもいつまでも残る思い出をたくさん作られたことと思います。
3年生になった時、私は副校長に選ばれて、始業式に皆さんの前に立つことになりました。一部の皆さんとは、英語演習の授業で1月まで一緒に勉強しましたね。
話は変わりますが、先日、脳科学者の茂木健一郎さんの『脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」 brain & study』 (PHP研究所)という本を読みました。彼はその本の中で、「昔はその時代の知が大学に集まっていた。大学にしか最先端の情報がなかったから、みんな大学に行った。しかし今は世界最先端の知はインターネットの中にある。勉強しようという意欲さえあれば、大学に行かなくても、インターネットで最先端の勉強ができる。いずれ、インターネットだけで勉強したという人がノーベル賞を取る時代が来るであろう」とも予言しておられます。
確かにその通りかもしれませんが、ほとんどの人は大学へ行かれると思います。その時に、時間を無駄にしないで大学時代を最大限に効率よく過ごされることを期待してやみません。日本の大学生はあまり勉強していないとよく言われます。日本人は大人も勉強していないそうです。附属小学校の100周年記念行事の時、同窓会主催で竹中平蔵さんの講演会がありました。彼はその中で、「日本の大人は、11人に1人しか勉強していない。日本の人的資源が劣化している」とおっしゃっていました。これもその通りかもしれません。
どうか皆さんは勉強しない大人にならないでください。広い意味の勉強を一生続けていきましょう。まず優れた人の書かれた本を読みましょう。インターネットの文献も含めて、本を読まない勉強は考えられません。自分の狭い世界の体験だけでは不十分です、読書をすると幅広い体験が自分のものになります。人の気持ちがわかるようになります。
どうか新しい世界に向けてご活躍ください。附属高校で培われた知恵を活用され、将来さらにその上に様々な知恵を増進されて、自分の夢の実現に邁進していただきたいものです。
また、時間ができましたら母校にも帰ってきていろんな話を聞かせてください。
それではお元気で。