「思いやり」の心
副校長 樋口 正次
53期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
皆さんは、私が副校長になって初めて附属高校に迎えた学年です。皆さんが楽しい高校生活を送れるように、陰ながらお手伝いをさせて頂いて3年がたったわけです。
皆さんが1年生の時には、4月にユネスコスクール「バルト海プロジェクト高校生国際会議」に招待を受けて本校からリトアニアを訪問し、11月には日本で初めての高校生による7カ国での国際会議を、本校主催で成功させました。
2年生の時には、本校からリトアニア、韓国、タイ、中国を訪問し、タイから訪問団が来られました。3年生の時には、フィリピンの先生方と韓国から訪問団が来られ、本校からフィリピンを訪問しました。
また53期生が1年生の6月に体育館の耐震補強工事が完成しました。続いて1年生の7月末からは、西館の耐震補強工事が始まり、12月に完成しました。工事中は不便もあったかと思いますが、53期生は新しい体育館と西館を利用できて少しは快適な高校生活を送れたのではないかと思っております。
さて、皆さんの附高での3年間はいかがだったでしょうか。勉学、部活動、附高祭、修学旅行、国際交流など、さまざまな舞台で、皆さんの高校生活が実り多い充実したものであったことを心から願っています。
今の日本の世の中を見ますと、経済的・外交的に閉塞感が漂っていて、人間関係もぎすぎすしているように感じます。
昨年11月に韓国から来られた生徒さんの一人が、本校2年生とのユネスコスクールのESD(Education for Sustainable Development持続可能な開発のための教育)のディスカッションの時に「思いやり」の大切さについて言及していました。現代私たちが抱えている環境問題や様々な社会問題の根底に「思いやり」のなさがあるのではないかと彼は言っていました。私も同感です。持続可能な社会とは、結局「思いやり」のある社会ではないでしょうか。
他人(ひと)に対して温かい気持ちを持って接することが、よい人間関係の基本です。そして困っている人に積極的に手を差し伸べることができれば最高ですが、自分のことで精いっぱいで、他人(ひと)のことまで手が回らないのが一般のわれわれの姿でしょう。
そうであれば、せめて他人(ひと)の幸福の邪魔をしないのが人としての務めであるはずです。それなのに世の中には依然として他人(ひと)のことを悪くいったり他人(ひと)を仲たがいさせるような言動を平気でする人がいます。そういう人には少しでも「思いやり」の心の大切さに気付いて頂いて、心を入れ替えて優しい人に変わってもらいたいものです。そうして「思いやり」の心を持つ人の数が増えれば増えるだけ、社会は住みやすくなっていくと思います。
皆さんはこれから高校を巣立っていかれますが、どうか「思いやり」の心をできるだけたくさん持って、すばらしい社会を作るために率先して取り組んでいただけるように、心から期待しております。
それでは、卒業後の皆さんのご健康とご多幸を祈りながら、贈る言葉とさせていただきます。