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楽器あれこれ
琵琶
Biwa
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近所の知人が家を建て替えるため捨てるものを貰いに行ったところ楽器類があった
分数バイオリンが幾つかあるとは聞いていたのだがこれはもう処分されていた
古いギターが何本かあったがその他に驚くようなものを発見した
イタリア製マンドリン、琵琶、バラライカである
バラライカは一緒に行ってエアコンを取り外してくれた、これまた楽器好きの友人が
持ち帰り、私はマンドリンと琵琶を引き取った
どちらも修理が必要な状態で、自分で弾くつもりはないが部屋に飾る程度に修復する
こととし、琵琶から取り掛かった
琵琶についての知識は全くないのでWEB上でいろいろ調べると、これは四絃五柱の
筑前琵琶である
琵琶にはいろいろ種類があり、日本の物は雅楽で使われる楽琵琶、平家琵琶
薩摩琵琶、筑前琵琶などである
筑前琵琶は明治以降に作られた比較的新しいものであるらしい
起源はペルシャのウードあたりに遡り、リュートやマンドリンも同じ流れを汲む

持ち帰ったものを落ち着いて眺めると、埃にまみれているが本体はしっかりしていて
ヒビや剥がれはないようだ
筑前琵琶の本体は桑材を刳り抜いて作り表に桐板を貼る
裏側がマンドリンのように膨らんでいるものかと思ったがわりと平板で、一見すると
セミアコギターよりはソリッドギターの趣である
しかし中を刳り抜いあるので中空の構造となっている
チューニングペグ(転手「てんじゅ」と呼ぶ)は外されていたが幸い4本とも添付
されている
直角に折れ曲がった部分のナット(枕)にあたる烏口と、フレット(柱「じ」)
は1個を除いて失われている
琵琶はフレットが非常に高いのが特徴で、このためチョーキング範囲が広く
長3度も可能らしい
このことがフレット数の少なさを補っているようで、奏者による自由度が高いとも
言え、極めて日本的である

日本の弦楽器は三味線もそうだが、向って左の低音側から1弦、2弦・・・と数える
4弦の筑前琵琶では3、4弦はマンドリンや12弦ギターのように同音で同時に弾くのが
原則であり、4弦3コースの楽器である
歌や語りの伴奏用の楽器だから絶対的なチューニングは決まっておらず、相対的に
1弦から1度、4度、8度、8度が標準らしい
これは三味線の本調子と一緒である
現在ではこの1弦の左に4度をもう1本加えた5弦が筑前琵琶では主流らしい
奇妙なことに琵琶にはブリッジ(駒)がない
最初は失われているのかと思ったが表板にその跡がない
その代わりなのかどうか、テールピース(覆手「ふくじゅ」)と表板の間に小さな
柱が立っていてその近くに小さな穴(陰月)がある
f字孔に当たる部分には半月と言う穴があり、本象牙の装飾がある

と言うことで修理とは言っても失われたフレット4個と烏口を残った1個を真似て
作り、接着するだけだった
5個のフレットは夫々の形や大きさが微妙に違うが、WEB上の写真が大変役に立つ
本式には桑材で作り、表面には煤竹を貼るのだがそこまでは手が回らないので
家具の一部だった有り合せの木片で作り、オイルステインで着色した
弦は1、2弦は残っていたものを再利用、3、4弦は手に入れ易い三味線の3弦を
買ってきたのだが、1、2弦も張ってみたら直ぐに切れた
しかたないのでとりあえず結んである
表板には疵がたくさんあるが、それがまた時代掛かってなかなか良い感じだ

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