楽器あれこれ

トロンボーン
Trombone



小学校の時、中学へ入ったら吹奏楽部でトロンボーンを吹くと固く決意していた
スライドのポジションの取り方や音との関係は既に参考文献で調べていたので
比較的すぐ吹けるようになった
国立でトランペットを専攻した新卒の先生が指導者だったこともあり、吹奏楽部で
合奏するのはすごく楽しかった

高校へ行っても一応吹奏楽部へ入ったが、この頃はアマチュア無線に熱中していたこともあり
あまり熱心な部員ではなかった。1年程しか活動しなかったのではなかろうか

ある日友人に誘われて近所の下高井戸にある日大の文化祭を見物に行った
そこで見たのがフルバンド、今にして思えば日大リズムソサエティであった
ラテンものを得意とするのは昔も今も変わらず、真っ赤なブレザーのユニフォームに身を包み
演奏していたのはペレス・プラドのエル・マンボ(別名マンボ・ジャンボ)
これには本当に鳥肌が立つような衝撃を受けた
「う〜んカッコイイ! 俺も大学へ行ったらぜひこれをやろう」ということに相成った

1年の浪人生活を経て某大学へ入り、すぐに憧れのフルバンドサークルの扉を叩いた
その時は中学へ入った時のような周到な調査活動はなかった
何の予備知識もなしに入った後でだんだん分かってきたことは、
・このバンドは学生バンド界でも屈指の名門バンドである
・公式には週2回が練習日だが殆どのメンバーが毎日練習している
・加えて演奏会や当時盛んだったダンスパーティーの仕事が連日ある
・このため勉強は二の次三の次で従って4年で卒業する方が珍しい

というとんでもないところへ入った
この間の出来事を書き始めるときりがないので省略するが、とにかくこの4年間程
楽器を一所懸命演奏したことはない(奇跡的に4年で卒業した)

特筆すべきは4年間自分の楽器を持たなかったことである
大きな楽器を別とすれば自前の楽器を持たないというのは全く稀有なことだ
#s &♭s へ行った先輩の楽器をずっと借りていた

トロンボーンは散々吹いたので卒業後は「もう当分いいや」という気持ちであった
だが今になってみるとまた吹きたいような、そうでもないような複雑な気分だ
しかし学生時代の4年間で得たアンサンブルに対する心構えやら音楽全般にわたる
価値観といったものは現在の私に決定的な影響を与えている



トロンボーン Trombone(英)Posaune(独)

中型の金管楽器で吹奏楽、オーケストラ、ジャズ等に広く使われる。
音の高さを変えるのに伸縮式のスライドを使うのが最大の特徴だが、バルブを備えた
バルブトロンボーンというのもある

・ソプラノトロンボーン
  そういう楽器もあるというだけで殆ど使われることはない
  音域的にはスライドトランペットと言うべきものだが、両者は異なる楽器である
  という話も聞く

・アルトトロンボーン
  通常はテナーより4度高いE♭管の楽器
  大抵の楽器メーカーはカタログに載せている
  主としてクラシック音楽で使われ、運命、第九でもこれが指定される



・テナートロンボーン
  シンプルな外観で最も標準的なトロンボーンである筈だが現在は殆どジャズの世界で
  しか使われないと言っても過言でない
  吹奏楽やオーケストラでは専らF管付きテナートロンボーンが使われる


  オーケストラはともかくとして吹奏楽でF管付が使われるのは、近年演奏者の年齢が
  小学生までに広がりしかも女子が多いことに起因しているようだ
  7、6ポジションあたりに手が届かないのである

  ジャズの世界では「F管付きなんてえみっともないのが使えるか」「ありゃ女子供の
  吹くものだ」という「武士は喰わねど高楊枝」的発想から普通のテナーに固執している
  のだと思うがどうだろうか
  私自身もトロンボーンはこのシンプルさが取り柄だと思っている

  楽器自体の調子はB♭だが音はスライドのポジションで決まりトランペット等と
  フィンガリングを共通にする必要がないため実音で記譜する
  オーケストラでは1番、2番、3番・・・で記譜方法が異なり、アルト記号、テノール記号
  低音部記号が使い分けられる
  ジャズでは低音部記号一本槍。どんなに高い音でもオクターブシフトやら別の音部記号を
  使うことはない。そのため加線が4本ぐらい付いた譜面になるがこの辺にも高楊枝
  思想が見てとれる

・F管付きテナートロンボーン
  前述

・バストロンボーン
  現在では普通バストロンボーンと言うと、基本構造は上記F管付きテナートロンボーンと
  大差ないが全体的に管が太く出来ていて低音域を吹くのに適した楽器を言う
  正確にはテナーバストロンボーンである
  バルブは1個または2個で2個の場合はFの外にE♭、Dなどの迂回管を持つ


  歴史的には主管の調子Fの楽器がバストロンボーン、テナーより1オクターブ低いB♭管の
  楽器がコントラバストロンボーンであるが現代では殆ど使われない
  どちらもスライドの動きが長くなるので棒で操作したり、スライドが2重になったりと
  大変なことになる


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