レベルアップ

 いつだったか ≪好きこそ物の上手なり≫ と書いた覚えが有る。
『好きだからこそ夢中になり、夢中になってやるからこそ上達する』 と言う意味です。
だから私は、山も興味を持たせ、夢中にさせる事が、レベルアップの一番近道だと思う。
 
 須藤さんの 『学生時代、厳しい訓練とトレーニングにより、ハードな山行へ連れて行かれた』 と言う内容の文章を読んだ覚えも有ります。
寅さんも 『楽しい山行=楽な山行』 とどこかに書き、楽しい山行を口にするような奴は向上心の無い怠惰な奴と批判していました。
そしてこれは稜友会主流の考え方です。
しかし私は 登山の四季 の最後の方にも書いたように、『楽しい山行=満足感のある山行』 だと思います。
何に満足感を感じるかは人それぞれ違うけど、できるだけバックアップできる会が理想でした。
しかし、自分と違う山行を志向する人を批判し、足を引っ張るのが稜友会の現実でした。
 
 私は山を始めるきっかけとなった会社の登山部や、山スキーを始めた頃に結成した栃尾山スキークラブが有ります。
沢登りではホワイトレーシング(競技スキーのグループ)などの人達とも関わったけど、ほとんど単独です。
20歳くらいで山を始めたとは言え、年会2〜3回の山行です。
20代なかばはフィリピンへの出向や結婚で、山など ほとんど行けなかった。
たぶん私が本格的に始めたのは30歳前後からだと思う。
 大長老の寅さんの足元には到底及ばないが、須藤さんや金子さんとは同じくらいの経験年数だと思う。
須藤さんが厳しい訓練とトレーニングに明け暮れていた頃、私も楽しい山行に目覚め、夢中になりかけていた頃だと思います。
単独だったので、自分にできる範囲を独学でコツコツと登り続けて行きました。
沢登りでも、遡行図や沢のガイドブックが有る事も知らず、地形図を見て行き先を決めました。
標高差や流域面積、等高線の密度、毛虫マーク、冬期間の雪の付き具合の予測などで、沢のレベルを判断しました。
滝マークは無くとも等高線の折れ具合や密度で大きな滝を予測し、出会えた時は自分が発見したみたいで嬉しかった。
 大学や山岳会の先輩達から厳しく指導されて育った須藤さんや金子さんからは、あまりにも幼稚に見える事だと思います。
しかし私は、山が楽しくて楽しくて、夢中になって登り続けました。
そうです、私は ≪楽しい山行≫ を続けたのです。
しかし私の楽しい山行は、須藤さん達の厳しい訓練とトレーニングによって連れて行ってもらっていた山行よりもハードだったと思う。
稜友会レベルでは行けないような山行 に書いたように、同じ経験年数でこれだけの実力差が出るのは、それなりの努力の結果です。
楽しくて夢中になり、意識して努力したわけでは無いが、口先で 『厳しい訓練やトレーニング』 とほざいている人達よりも厳しいチャレンジを続けてきた結果です。
だから新潟山岳会に入り、一緒に行く沢のレベルは確実に落ちました。
おかげで夜勤明けに、一人でも楽々追いかけられるのです。
 厳しいチャレンジを続けると言っても、人から連れていってもらえる訳ではない。
あくまでも自分の実力の範囲内の山行を続けました。
段階を踏みながらレベルアップを図ったので有り、こんなもんだと無頓着に行っていたら死んでいたと思う。
 
 やはり私は、その人が楽しくて夢中になり、その人自身の力で伸びて行くのが、本当のレベルアップだと思います。
その人自身が伸びるのを、少しでも手助けできたら良いな〜 と思います。
その為には山を楽しんでもらわなければならないし、山へ行かなければ話になりません。
読んでいるだけで楽しそうで、行きたいな〜 と思わせる山行報告は大切だと思う。
 
 訓練に強引に参加させておきながら、その後の山行に連れて行かないのはおかしいと思う。
雪上訓練に参加させたのなら、その後に雪山へ連れて行かなければ意味が無い。
訓練訓練と主張しながら、参加者を本番の山行に誘わないのは不思議な人達だ。
 まったく登山経験の無い良子さんが入会し、会長に何から揃えたら良いか相談して、沢靴を買わされました。
金子さんは 『沢靴を買わせたから、沢登りをするしかない』 と彼なりの理論を言ってたけど、彼女を沢へ連れて行く事は無かった。
 私なら普通の靴を買ってもらい、尾根歩きから始めてもらいます。
もちろん自分でも連れて行くし、適当な山行が有れば紹介もすると思います。
沢靴を買わせてもほったらかし、訓練を受けさせても山へは連れて行かない。
どちらも無責任ですね。
 
 楽しい山行を否定するのなら、厳しい訓練とトレーニングで新人を育てて下さい。
口先だけでなく、実際に自分で山へ連れて行かなければ人は育ちませんよ。
沢靴を買わせただけで、連れて行かないうちに沢のベテランに育ったなんて聞いた事が有りません。
 
 いつだったかの寅さんの雪上訓練のように、参加した新人が2度と顔を出さなくなったなどと言う事も無しですよ。
『当人は辞めたけど、訓練は成功』 などと ほざく寅さんの価値観は理解できません。
でも、訓練に参加させても山へ連れて行かないから、稜友会では常識なのかも知れませんね。
訓練とは山へ登るための手段ではなく、訓練自体が目的だから 『訓練が成功』 なら十分なんでしょうかね。
 
 レベルアップなど拘らず、楽しい山行を続けましょう。
夢中になっているうちに、知らず知らずレベルアップしているかも…
 とにかく趣味なんだから、楽しい事が一番 !!

 

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