不信山行

 私が新潟山岳会に入り、最初の正月山行は荒沢岳でした。
ラッセルで前ーの登りにさしかかり、誰も付いて来ないので振返ると、手前のピークで休んでいる。
私も休んで待っているが、誰も来ない。
 引き返すと 『ここにテントを張る 』との事でした。
私のラッセルに付いて来れないのはしかたないにしろ、テン場と決めたなら、空身でも追いかけてでも知らせて欲しいものである。
 
 翌日は ≪日帰り装備で行ける所まで≫ との事でした。
このパーティでは山頂は無理なので 『日帰りですね』 と念を押す。
 案の定、前ーも登らない内にタイムリミットです。
リーダーの金子さんは 『ガソリンもたっぷり有るから、雪洞を掘って山頂を目指そう 』と言い出す。
どうやら自分だけは泊りの準備をして来たようです。
 
 私が口を出さずとも、他の人達の反対でテントへ引き返しました。
行動予定を正確に伝えない金子さんに、不信感の芽生えた山行でした。
 
 
 たぶん3年後くらいの、海谷・正月山行の事です。
やはり3泊目のテン場は、私のラッセルに付いて来られないまま、呼びにも来ないでテントを張りました。
必死にラッセルを頑張っていて、気がつけば自分だけ。
なんとも腹だたしいものです。
 
 その日の夕食後、食当の成田君から 『これで食料は無くなりました』 と報告が有る。
すかさずリーダーの金子さんから 『じゃぁ、後は非常食で… 』 と。
出発前に 『非常食は4食分』 と指示され、残りの予定日数の2日間とピッタリ合う。
私は 『非常食とは持ちかえるべき食料で、それを使う状況では下山のみを考えるもの 』 と言う認識です。
非常食を食料計画に組み込むようなパーティとは行動を共にしたくない。
 
 しかし、それ以上に疑問点が多く湧いてきました。
1. なぜ食料が足りなくなったのだろうか?
  わずか3人パーティで、9食分用意しなければならないのに5食で無くなった。
  食当は 『一日目の夕食は○○・二日目は×× 』 と言うふうに献立を考えるから、途中で無くなるのは不思議である。  
2. リーダーと食当の打ち合わせは正しかったのか?
  リーダーの指示した分の食料を、食当はきちんと用意したのだろうか?
  たとえどんなリーダーでも、冬山で2日間の行動日を残して、食当から 『食料が無くなりました 』 と言われ、『なぜ無くなった 』 と聞かない人は居ない。
  それも聞かずに 『じゃぁ、後は非常食で… 』 と答えた事に、打ち合わせ通りだったと思いました。
3. なぜ予定人数分を用意させなかったのか?
  日数が多くなれば重くなるなどと言うのは論外だし、重ければ分配すれば良い事です。
  献立を考えるのが大変なら、食当の日替わりもできます。
  いくらでも日数分の食料を用意する方法は有るのに…
4. なぜ行動予定日数と食料日数が違ったのか?
  憶測だが、食当の成田君に伝えたのは食料日数=行動日数だったと思う。
  憶測だが、成田君が 『5日間は長い』 と躊躇し、『3日間の予定だが、予備日として2日間』 と言うように伝えたのではないかと思う。
  それなら 『食料は3日分+非常食2日分』 と 『山行予定は3日間+予備日2日間』 のつじつまが合う。
 
 こんな疑問が湧けば、もうとても一緒には行動できません。
こんなパーティでは何が起きるかわかりません。
もちろんアクシデントと言う意味ではなく、人為的なトラブルです。
食料さえも意図的に日数分を用意しないようなら、どんな事が起こるか予想もできません。
 
 山や気象など自然現象は予測できるが、人為的な隠し事は予測もできません。
今まで当然と思って立っていた基盤も幻に思えて来ました。
よほどの事がなければ口出ししないヒロタンも、今回ばかりは強硬に下山を主張しました。

 

 L金子・岩本と3人でいった ≪毛猛山・大熊沢≫ の山行報告で 『間違っても上手くごまかす事が、リーダーとして大切な事…』 と言う内容が載っていました。
どうしても地図で現在地を特定できないので 『入った支流も間違いないよね 』と地図を示して確認しても、『間違いない』 と答えていました。
 何度か聞いても口を濁すだけ。
しかし山行報告には 『自分では気付いたいた 』と載せてある。
こんな大切な事は気付いた時点でみんなに知らせるべき事で有り、『ごまかす事が上手なリーダー』などは、リーダーの資格も無い。

 

 他の人が計画した山行に参加する時でも、どんな山行で有れ、決して盲目的について行くわけではない。
自分でもルートファインデングもするし、いろんな行動の判断もします。
間違いや問題が無ければ口を出さないだけで、決して未熟なわけではない。
自分の判断の判中と言うだけの事です。
 『寅さんは時々変な方へ行くけど、ヒロタンは間違い無い 』と言っていた人も居ました。
≪徘徊トラ≫ と一緒にされるのは心外だが、他の人からはそう見えたのだろう…

 

 話は横道にそれたが、やはり意図的にごまかそうとする人とは一緒に行動できない。
山では命がけの判断を下さなければならず、そんな時に正確な情報が伝わらなければ ≪死≫ を意味する事も有る。
とても信頼できない未熟な人に、妄信的に付いて行けるだけの勇気は無い。
それが ≪稜友会≫ 発足当時から、金子さんと一緒に行かない理由です。

 

新潟山岳会の世代交替
人の育て方
リーダーの育て方
置いてきぼり山行
不信山行
自分勝手な行動
滑落事故
門内沢の滑落事故
  門内沢の事故報告 橋本   門内沢の事故報告 伝  
山での迷子
訓練
  五頭山での沢登り訓練   千佳ちゃんの沢登り訓練  
山岳会でのエチケット
  同じ山行   不適切なアドバイス  
巻頭言
  巻頭言 稜友 NO 27   須藤さんの巻頭言   登山の四季
レベルアップ
稜友会レベルでは行けないような山行
  『燧ケ岳へ登れ』   砂袋を持って行け    
コッヘル事件
不思議な夏合宿
報告書のない講習会
  訓練妨害        
他人事
  リーダーに背いて        
リハビリ山行
職場での人の育て方