滑落事故

 

 私は頼母木山で滑落し、肋骨6本を折る事故を起こしました。
翌週に寅さんがスキーを回収に行った時の報告に 『自信過剰が事故の原因』 と有りました。
しかし、あの程度の傾斜をトラバースする事は、他の人の山行でも良く有る事です。
 
 私は行く手を阻む小ピークの雪庇を避け、トラバースして廻り込む事にしました。
トラバースを始めると硬いアイスバーンに入る。
下を見ると木の無い沢となり、風が吹上げる為にウインドクラストしていました。
3m先からはブッシュが続き、そこまで行けば大丈夫です。
しかし、他のメンバーの事を考え、危険なルートよりも雪庇を崩す方を選びました。
硬いアイスバーンより、2m後ろの軟らかい斜面でキックターンと考え、後ずさりする。
後ずさりの時、バランスを崩して滑落しました。
 言訳ですが、もしあの時に自分の事だけを考え、まっすぐ行けば滑落はしなかったと思う。
 
 峡彩山岳会との合同救助訓練の時、峡彩山岳会の方が 『リーダーが事故る確率が高い』 と話していました。
危険な個所はリーダーが先に行ったり、様子見をするからとの事です。
今回の事故は、まさにそのパターンでした。

 

 肋骨6本も骨折すればその場にテントを張り、誰かに救助依頼に下山してもらうのが普通だと思う。
  (骨折したのは分ったが6本までとは思わなかった)
しかし、他のメンバーが一人で無事下山できるかの方が心配でした。
だから痛くとも、自力下山を選びました。
 
 この事故で、人を育てることの大切さを実感しました。
単に雪の上を歩く技術だけでなく、ルートファインデングや、状況に応じて判断できる力などです。
稜友会でやっているのは、単なる技術の向上だけです。
それもスキーの初心者を上級ゲレンデへ連れて行き、なんとか下りれば(滑るのではない)ハイレベルと言っているようなもの。
これでは自分で判断して行動できる ≪一人前の登山者≫ になど育つはずが有りません。
会員を育てる目的が ≪自分に付いて来るメンバーを育てるため≫ では、一人前になるはずが有りませんよね。
逆に、一人前になったばかりに自力で山へ行くようになっては、育てた意味が無くなる。(稜友会では)
 
 しかし自分が怪我で動けなくなった時、そのパーティは全滅では話にならない。
自分が生きる為にも、一緒に行くメンバーを一人前に育てなければならないと実感した出来事でした。
頼母木山 事故報告
 
 5月連休の飯豊
どこかのピークをトラバースして捲こうとする寅さん。
他の人は危険だからと直登し、寅さんにも 『止めろ』 と言っている。
それでも寅さんはそこへ行き、滑落しました。
 
 その時、リーダーの寅さんは何を基準に判断下のだろうか?
自分がそこへ行き、安全を確認してみんなから来てもらう つもりだったのだろうか…
それともパーティの事など眼中に無く、自分だけ別行動をする つもりだったのだろうか…  
 
連休後の例会で顔を張らせた寅さんを見て、聡子さんに聞いたら 『みんなはダメだダメだと言うのに、行って滑落した』 程度の話しか聞いていないので、判断基準までは不明です。
 
 怪我の程度はともかく、同じくリーダーの滑落事故です。
事故に至る行動基準を考えた時、あなたはどちらがリーダーとして適任と考えますか?

 

 

 
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