「や・・・、や、です。・・・いや、カカシ先生」
熱い唇、身体を這う指先。服の裾を捲り上げる。
「悪いようにはしませんから。ね、いいでしょ?」
「良かありません!!どいてください」
イルカはぐーっとカカシを押しやって、畳の上に身を起こした。
カカシは渋々ゆっくりと身体を離した。
「ねー、ダメですかぁ?もうそろそろOKくれてもいいんじゃない?
俺、もう溜まっちゃって溜まっちゃって。イルカ先生もそうなんじゃないんですか」
カカシは唇を尖らして文句を言う。
あまりに即物的なカカシの物言いに、イルカはクラクラした。
「アンタはデリカシーってモンがないのかーっ!?」
カカシの耳元で怒鳴ってやる。教室で鍛えた悪ガキ相手の大声。
カカシはさすがに耳を押さえて沈んだ。
そんな姿に僅かに溜飲を下げる。
信じられないぐらい整った顔をしながら実に即物的なカカシは、
お互いの気持ちが通じ合った(?)翌日にはもうイルカの身体を欲しがった。
いっくら何でも早すぎだろう、とイルカは突っぱねたのだが、カカシは不満たらたらだった。
曰く、ココロが通じたら身体も通じるべきだ。
どっからやってくるのか判らない考えだ。そんな法則何処にもない。
いかにも即物的なカカシらしい考え方だ。
反対にイルカは自他共に認めるロマンチストだ。
恋人が出来たら、手をつないで、キスをして。ゆっくりと気持ちを重ねていきたかった。
身体の関係なんてそれから後でも十分だ。
「イルカ先生〜。酷いです〜」
涙目になってイルカを見る顔が、思いのほか子供っぽくって笑えた。
「アナタが悪いんです」
「何処が!?恋人とセックスしたいって言うのはごくごく自然な欲求でしょう?
俺はアナタが好きだったから、ずっとずうーっとしたかったんですよ・・・」
イルカは慌ててカカシの口を塞ぐ。
「大声で言わないで下さい!他人に聞こえます」
イルカの部屋は教員住宅の一室だ。階下にも隣にも人がいる。
「俺は聞かれて恥ずかしいこと何もない。
イルカ先生が好きで好きでずっと我慢してたんだ。イルカ先生は自分の心に気付くのが
いつも遅いから、俺のこと好きかなーって何度も思ったけど、ちゃんと自覚してくれるまで
待ってたんだ」
オレが遅いんじゃなくて、アナタが早いんだ。
イルカはむっとして、立ち上がった。
「オレは恥ずかしいんです。もう今日は帰ってください。
アナタはオレ一人を待ってたようなことを言って、女に手を出してたじゃあないですか。
オレと知り合ってから、オレの目の前でだけでも5人ですよ!!
裏じゃ何人いたことか・・・」
勿論、勢いで言っただけだった。
が、カカシの顔色が見る見る青くなるのを目の当たりにして、
ムラムラっと怒りが込み上げてきた。
この即物的な男は一体何人の女を泣かせてきたのだ?
「いや、でも、それは!好きでも何でもない女ですよ!アナタとは違います!!」
「言い訳は結構です。どうぞお引取り下さい」
イルカはしどろもどろなカカシを引きずって外へ放り出し、バタンとドアを閉めた。
ガチャリ!と派手な音を立てて鍵をかけるのも忘れずに。
ああ、もう腹が立つ。
これは嫉妬だ。判ってる。
まだキスしか許してない相手の、しかも付き合う前のことに嫉妬するのは
フェアじゃないのも判ってる。
でもどうにもこうにも腹が立つ。
あんなに簡単に誰とでも寝られるあの人に。
そんな人をつなぎ止めておける魅力を持たない自分に。
「ああーっ!!もうっ」
髪を掻き毟って、ベッドへ飛び込んだ。
もう寝てしまおう。とにかく明日だ、明日。
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
しー−−−−−−−−ん。
静まり返った部屋なのに、どうしても眠れない。
「くそっ!」
イルカは天井を睨み据えて、起き上がり、そして跳んだ。
「いつまでそこにいるつもりですか!?」
屋根の上で背中を丸めて座っている上忍に言った。
「・・・・・・すいません・・・」
カカシは背を向けたまま、小さな声で言った。
「そう思うんなら帰ってください。気になって眠れません」
「だって・・・、イルカ先生が・・・怒ってて」
カカシの声がみっともなく震えてる。ずずっと鼻をすする音すら聞こえる。
イルカは大きくため息をついた。それにすらカカシはビクッと背を揺らした。
「何泣いてんですか・・・。アナタ上忍でしょう?」
「・・・そんなの関係ないです。イルカ先生とやっと恋人になれたのに、
こんなことで捨てられたら・・・俺・・・」
まったく、この人は。あれほどイルカの心に敏感なくせして、肝心なところでなんて鈍感。
どうしてイルカが怒ったか、ちょっと考えれば判るだろうに。
「・・・とにかく近所迷惑ですから、入って下さい」
そう言うと、弾かれたようにカカシが顔を上げた。
ウソや冗談でなく、カカシの顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった。
里の誇る上忍とはとても思えない、情けない姿にイルカは堪らず噴き出した。
「・・・イ、イルカ先生・・・。酷い〜」
「す、すみません。とりあえず中に入ってください」
イルカの心はウソのように軽くなっていた。
だって、きっと、カカシのこんな情けない姿、イルカ以外に見たことないはずだ。
「ほら」
カカシの腕を取り、部屋の中へ入った。
入ったとたん、カカシの腕が伸び、イルカを抱きしめた。
冷たい唇がイルカの唇を塞ぐ。
冷えていた唇が、腕が、背中がかわいそうで、何度も擦る。
「イルカ先生は、暖かいね・・・」
震える手でイルカの肩を掴み、必死で自分を引き離そうとしてるカカシが愛しい。
もう、いいかと言う気持ちと、怯える心が半分ずつ顔を覗かせている。
「あの・・・、カカシ先生。オレ・・・」
カカシは赤くした目と鼻を擦り上げて、ニコッと笑った。
「ごめんね。もう無理言わないから。俺を嫌わないで。イルカ先生の側にいさせて。
もう絶対よその女なんかに見向きもしない。アナタだけ・・・」
「カカシ先生!!」
カカシをさえぎって、唇を寄せた。
いつもはあんなに敏感なくせして、ちょっとは気づけよ!
驚いて身をひきかけるカカシの顎を強引に掴んで口付けた。
「アナタね。オレの話も聞いて下さいよ」
「・・・はい・・・」
赤くなったカカシは存外可愛い。
ギュウッと抱きついた。カカシはイルカの背に手を廻していいものかどうか、
散々悩んでから、柔らかくイルカを抱いた。
「オレね・・・。誰かとこういう風にお付き合いするの、初めてなんですよ。
だから、よく判らないし、性急に求められてもホントどうしていいか判らないんです。
オレは男だし、アナタも男だし・・・。即物的に言われてもしょうがないんでしょうけど・・」
「イルカ先生〜!!」
ガバアッとカカシに抱きつかれ、そのままベッドの上まで運ばれた。
「ちょ、ちょっと!!カカシ先生!!待って・・・。待って下さい!!」
「む、無理です〜!!そんな可愛い事言われてじっとしてる方が変ですよ!!」
イルカは必死でカカシの顔をグイーッと押しやるが、カカシのしがみ付く力も、もの凄かった。
「カカシ先生!オレの言ったこと聞いてくれてないんですか」
「判ってますよ!アナタ、バージンなんでしょう?任せて下さい、優しくしますから」
ぼぼぼぼぼっと顔から火を噴いたかと思った。
「バ、バ、バ、バージンって・・・・・・」
「違うんですか・・・?何処の誰と?」
カカシの赤い目が妖しく光って、ぞっとするほどの殺気を吐き出した。
「そ・・・、そうなんですけど・・・」
イルカが思わず正直に応えると、カカシの目がにこりとたわんだ。
「ですよねー。今から相手のやつを殺しに行かなきゃって思っちゃいましたよー」
「・・・はあ・・・」
イルカは呆然とカカシを見た。カカシはうっとりした顔でイルカの頬にキスした。
「本当はイルカ先生がバージンでもそうでなくてもよかったんです。
俺自身威張れた生活してきてないのは、イルカ先生だってよく知ってるし。
でもダメですね。アナタに誰かが触れたかも知れないって思っただけで、
胸が焼け付くようでした。アナタもさっきこんな気持ちでいてくれたのかな・・・」
今ごろ気が付いたのか・・・。
「ねえ、イルカ先生。もう絶対にアナタ以外の人に触れないって誓いますから、
俺をアナタの初めてで最後の人にして・・・」
カカシのキスは甘くて蕩けそうだった。
「好きです。好きです。アナタだけ・・・」
何度も何度も口付けられて、カカシの指が服の下に入ってきても止めなかった。
身体も心も熱くて熱くてしょうがなかった。
指先が、吐息が身体中を這い回る。
最初は冷たかった指先が、徐々に暖かくなり、しまいには熱くなった。
イルカはどうすることも出来なくて、ただカカシの背中に縋っていた。
初めての甘い感覚はどうすることも出来ない焦燥感となって、身体中を駆け巡った。
カカシの唇が触れるたびに、上がる声を止められなかった。
「どうしよう。・・・イルカ先生こんなに可愛くって・・・。
俺、今日は優しく出来ないかもしれない・・・」
上擦った声で言われて、イルカは達したばかりの気だるい身体を起こして、
カカシの唇を求めた。
カカシの手でイカされた。自慰の経験は勿論あったが、
それとは比べ物にならないぐらいの快感だった。
キスはすぐにカカシに主導権を握られた。
何度も何度も角度を変えて求められ、息継ぎも上手く出来ないぐらいだった。
「んん・・・」
カカシの熱い指が胸の突起に触れ、くにくにと押しつぶすようにした。
それだけでくぐもった声を漏らすイルカに、カカシは満足したように笑った。
「イルカ先生、感度いいね。すっげー嬉しい」
そんなこと言われても、と睨みつけても、カカシは笑ったままだった。
「そんな顔してー。誘ってるの?」
言うなり、カカシは達したばかりのイルカ自身を握りこんだ。
どこがだー!と叫べずにイルカは派手な嬌声を上げる。
「ああっ・・・、んんっ・・・やあ」
「ほら、もう欲しそうじゃない?さっきイッたばっかりなのに」
いつの間にか立ち上がっていたものを扱かれて、大きく仰け反る。
「やっ・・・あっ・・・」
カカシは本当に嬉しそうだ。
「さっきはちょっとあっけなかったから、今度はちょっと我慢してね」
さっきは確かに自分でもあまりの早さに驚いた。
けれど相手がカカシでなければこんなことはなかったはずだ。
「やだ・・・、カカシせんせ・・・」
自分の口から出たとは思えないほど甘ったるい声。
カカシはちょっと耐える表情をしてから、笑ってみせた。
「判ってるよ。俺だからこんなに感じてくれてるんでしょう」
イルカは声を出せずに頷いた。
カカシはイルカの鼻の傷にチョンとキスをしてから、イルカの膝を割った。
カカシの逞しい両手に掴まれシーツにつくほどに押し開かれ、股関節が悲鳴をあげた。
だがそれよりも、脚を大きく開かされカカシの目の前に秘部がさらけ出された事の方が
問題だった。自分では見ることのないもっと奥までも・・・。
「いや・・・、嫌だ・・・。止めて・・・カカシせんせっ!」
「見せてよ。全部。俺のモノなんでしょ?俺の全てがアナタのモノなのと同じで」
イルカが何も言えなくなると、カカシの視線がねっとりと絡みつくのが判った。
見られている。それだけでどうしようもないほど興奮する自分がいる。
イルカの花芯がピクリと震えて、ポロッと汁を零した。
アッと思ったときにはカカシの舌が、その滴を掬い取っていた。
「はあぁぁっ・・・ん」
ゾクリと来る快感に声を押さえることなど出来なかった。
そのままゆっくりとカカシの唇に己が含まれていくのを見ていた。
目が逸らせなかった。
カカシも目をイルカに向けたまま、これ見よがしに舌で唇でイルカの花芯を弄んだ。
先端を尖らせた舌でつついたかと思うと、口の奥まで含んでくる。
あまりに気持ちよくて、どうにかなりそうだった。
声が我慢しても我慢しても、湧いてしまって止められなかった。
その時、不意に後ろに違和感があった。
イルカも忍びの端くれで、男がどうするかぐらいの知識はあった。
カカシの指がソコに侵入したのだと判った。
ゆっくり、だが確実にほぐすように中を探られて、違和感が溢れた。
「カカシ・・・せんせ・・・。あっ」
イルカの微妙な変化を感じ取って、カカシは益々口での愛撫を強めた。
ヒクンヒクンと内股が震える。気持ちよかった。
そのうち内部の指にも慣れてくる。
異物感がそうなくなった頃、カカシの指がある一点を掠めた。
「ひぃっ・・ああっん」
甲高い声が出た。腰がビクンと震えて、内股でカカシの顔を挟み込んでしまう。
「ん・・・?ここ?」
カカシは冷静に言って、イルカの内部に埋め込んだ3本の指を動かした。
「ひっ・・やあ!」
また腰が震えて、カカシが咥えたままの花芯からぽろぽろっと汁を零した。
あまりの快感に、耐え切れずにイルカは涙を零した。
「カカ・・・せんせぇ・・・もう、もう、・・・」
カカシはイルカ自身から顔を起こして、イルカの涙を唇で吸い取った。
「うわっ、ダメだよ。泣いちゃ・・・。俺、余計に興奮しちゃう・・・」
カカシはイルカの膝裏を抱え上げた。
「ちょっと、最初は辛いかも。許してね・・・」
こめかみに口付けるカカシにしがみ付いて、イルカは頷いた。
グッ!
熱い塊がイルカの内部に侵入した。
「ああ・・・、ひっ」
あまりの衝撃に、息が詰まる。カカシがあやすように額に口付けてきた。
「イルカ先生。身体に力入れないで。きついよ。
ほら、もっとちゃんと息吸って、吐いて。出来る?」
イルカの目からは涙がポロポロ零れていく。
「や・・・、出来な・・・」
「うわっ・・・、俺、ホントにヤベーよ。お願い。俺が我慢できなくなるまでに、
もうちょっと力抜いて。アナタを傷付けたくないんだ。浅く何度も呼吸して」
カカシに言われて、ハッハッと浅い呼吸を繰り返した。
ほんの僅かに力の抜けたその隙を逃さず、カカシは自身を突き入れた。
先の太い部分が入ってしまえば後はそうつっかえずに進入した。
イルカはモノも言えないぐらい辛かった。
青ざめた唇をわななかせ、涙が後から後から湧いてきた。
「ごめんね。ごめん、イルカ先生。でもよく感じて、俺たち繋がってるよ」
震える声でカカシに言われて、イルカはやっと目を開けた。
涙の向こうにカカシの嬉しそうな顔があって、一瞬殴ってやりたい衝動に駆られたが、
あまりに嬉しそうなので殴るのを止めて銀の髪を抱き寄せた。
「イルカ先生、大好き」
子供のように言われて何度も口付けられているうちに、最初ほどの辛さがなくなってきた。
カカシもそれに気付いたようで、ゆるゆると腰を廻してきた。
「ちょっと、大丈夫になったかな?動いてみていい」
イルカのモノに手を添えながら聞かれた。
カカシはまだ一度もイッてない。
きっと凄く辛いはずだ。
「オレって・・・、ちゃんと気持ちいいですか・・・?」
気になってたことを聞いてみた。
とたんにカカシの秀麗な顔がクシャッと歪んだ。
「もの凄く・・・」
イルカは微かに頷いた。
「よかった・・・」
それを合図にカカシはゆっくりと動き出した。
イルカを気遣って、イルカの様子を窺っていたが、思ったほど痛がらなかったのか、
我慢がきかなくなったのか、抽挿は激しさを増した。
「やあ・・・、はっ、カカ・・・シせんせっ・・・んんっ」
イルカは自分の中から湧いてくる激しい快感に、流されないようにするのが精一杯だった。 カカシのモノが奥まで届くと、そこから密でも湧いてくるようだった。
ドロドロとした感じたことのない感触。
「うっ・・・、イルカ・・・せんせっ・・・」
グンと奥まで突かれて仰け反った。
最奥にカカシが熱いものを放つのを感じて、イルカの花芯も白いものを噴き出した。
カカシの腹まで飛び散ったのを恥ずかしく思いながら、意識が途絶えた。
翌日、動くことの出来なかったイルカの休暇願いを嬉々として出しに行くカカシの姿が
見られたという。
終わり。
続・過敏なココロ
鈍感なキモチ