Hot Chocolate

「よ〜し お前等 よく頑張ったな今日はもう解散だ」

 

明日も同じ時間に此処に集合だからな

寒くなってきたし風邪引かないように気をつけろよ

 

「うっひゃ〜 寒いってば早く帰ろう」

「ねえナルト サスケ君もちょっとだけ待てる?」

「なんだってば? サクラちゃん」

「今日ね ココア持ってきたの 飲んでから帰らない?」

 

「ポットに入れてるからまだ温かいはずよ はい カカシ先生もどうぞ」

「えっ オレの分まであるの? ありがとうサクラ」

 

サクラが紙コップに入れて手渡してくれる

 

「うわっ 甘いんだね〜・・」

「カカシ先生 甘いの苦手?」

「ん〜〜 そういうわけじゃないけど ココアって初めてだからさ」

「初めてって 飲んだことないの?」

「そうーだよ? おかしいかな」

「う ううん おかしくないけど・・・」

 

おかしいかな? じゃなくって

誰だって子供の頃には寒い時にホットミルクやココアって

一度や二度は飲んだことあるんじゃないの?

 

「温まるってば サクラちゃん美味しいよ」

「悪くはない・・・」

「・・・ありがと じゃあ飲んだら帰りましょうか?」

 

 

「だからね イルカ先生 アタシねそれ以上つっこめなくて・・・」

「サクラは優しいな 気にしないでいいんだよ

 カカシ先生はお前達を指導しながらお前達からも学んでいるんだよ」

 

大丈夫だよ ほら 外はもう暗くなる早く家にお帰り

頭を撫でてやると ちょっぴり泣き出しそうな顔で走っていった 

サクラは人の心を思いやることのできる娘に成長したようだな・・

 

 

「こんばんは イルカ先生〜 今日は冷えますね〜」

「なんだって窓から入ってくるんです 今何時だと思ってるんですか?」

「えっと 11時? ちょっとだけ顔見たいな〜って思ったんで」

「もう12時まわってます あいかわらずですね」

 

つかんだ手がヒヤリと冷たい・・・こんなに冷え切って

 

「ほら 早く中にはいって窓締めて下さいよ」

「はあ〜い」

「コタツに入って暖まっていて下さい 何か温かいものでも入れますから」

「そんなのいらないから傍に居てくださいよ〜」

「俺はそんなに冷たい手と体で傍に居られるのはイヤですよ」

「えっ あの ご ゴメンナサイ・・」

「ちょっとだけ待っていてくださいね」

 

そういって俺が台所でカチャカチャやってると

ハアッと息を吹きかけて手をゴシゴシ擦っているのがわかる

 

「どうぞ・・ 暖まりますよ」

 

コトンッ 湯気のたったマグカップが二つ

 

「イルカ先生これって」

「ホットチョコレートです。ココアのことですよ 今日サクラに聞きました」

 

まあ 飲んでみてください

 

「あれっ 何だか味が違いますけど これココアなんですか?」

「ココアなんですよ サクラが入れてくれたのは調合されたココアでしょうね」

 

あれって子供用なので甘みがつよくて俺は苦手なんですよ

これはココアパウダーに牛乳つかって甘さ調整してありますから

 

「コクがあって舌触りがなめらかで・・全然違います」

「気に入って貰えたなら良かったですけど」

「美味しいです 体の中からポカポカしてくるみたい」

 

「ねえ イルカ先生 オレって知らない事が多いんですよね〜」

 

ココアが甘いっての今日初めて知ったんですよね〜

こういうの 普通はみんな知ってることなんでしょうけど

オレってガキの頃から里と戦場の往復だけだったし

四代目もお茶やコーヒーしか飲まなかったから

こんな温かくてポカポカになる飲物があるなんて知りませんでした

 

「あ〜あ オレこの26年間 損しちゃったんだな〜」

 

ちゃかして話すけど 顔は笑ってないですよ? カカシさん

 

「今からその分取り戻せばいいんですよ 俺がいろいろと教えてあげますから」

「イルカ先生がいろいろとですか? それは楽しみだな〜」

「ちゃかさいで下さいよ 俺が知っていて貴方が知らない事を

貴方と一緒に体験していきたいんです」

 

俺は野暮な男ですからね たいしたことは知らないですけど

まずはほら 一緒にココア飲みましょう

 

「暖まってきたようですね? 頬に赤みがさしてきてる」

「ん〜 イルカ先生の指も暖かくて気持ちいいです〜」

「俺もカカシさんの暖かい手は好きですよ」

「だったら もう触ってもいい?」

「・・そっ・・・そんな事聞かないでくださいよ・・・」

 

パタンッと 閉じた扉の後ろに残されたのはマグカップが二個・・・・・

 

 

 

しょうがないじゃないか俺は子供と小動物には弱いんだ

抱きしめて暖めてあげたいと思ってしまったなんてはずかしくって言えるもんか

 

 

2004.11.30

 







Novel topへ   indexページへ