ケーキ・ケーキ・ケーキ
お日様みたいに笑うんだ
声がすっごく大っきいよ
すぐゲンコツがとんでくる
頭くしゃくしゃってしてくれるの
イルカ先生だいすき〜
みんなが知ってるイルカ先生
だけど 優しくて厳しいイルカ先生が寂しがり屋だってのは誰もしらない
寂しがり屋の顔はオレだけが知っていればいいことだからね
ザワザワザワ・・・
お子様が三人揃ってショーケースの前で大騒ぎ
「これっ これがいいってば」
「ダメよ そんなんじゃ やっぱりこっちよ
サスケくん どれがいいと思う?」
「・・・・・・」
「あ〜 お前らさっさと決めなさいね」
「えぇ まってまってカカシ先生〜 もうちょっと」
「オイ これにしろ」
「あのサスケくん これって、ちょっと凄すぎない?」
「サスケ〜 これじゃあ予算足りないってば」
は〜 やっと決まったかな〜
どれどれ・・これは〜イルカ先生どんな顔するかな
「いいじゃないか それにしろ 足りない分はオレがだしてやるよ」
「ほんと? カカシ先生」
「やった〜 じゃ これで決まりな」
「すみませ〜ん これお願いしま〜す。 それから・・・」
「イルカ先生 びっくりするってば」
「早くいくぞ」
「あ〜 まってよサスケくん」
今日はイルカ先生の誕生日だ
子供達が誕生会をするんだと張り切っていたから
どんな事をするのか興味があって無理矢理まぜてもらったんだけどね〜
そうか誕生日ってこういうものだったのか〜
オレ誕生日って祝って貰った事も無かったから知らなかった
ピザにチキンに飲みもの買って、わいわい騒ぎながら歩いていると
果物屋の店先から声がかかる
「サクラちゃん イルカ先生の所にいくんならこれも、もってっておくれ」
「うわぁ おばさんいいの〜 このサクランボ美味しそう〜」
「おう こっちのも頼むわ」
さかな屋のおじさんからは刺身の盛り合わせ
酒屋の親父からは酒、何だってこんなに声がかかるんだ?
「そりゃ イルカちゃんの事だもの」
「俺たちゃ ガキの頃から知ってるんだぜ」
「ま 商売もんで悪りぃけどな 商店街からのプレゼントだよ」
「一緒に祝って食ってやってくれよ」
イルカ先生 みんなに好かれてるんだな
当然か オレのイルカ先生だもの
カチャカチャ・・ バタン
パァ と電気がついて
「お帰りなさ〜いイルカ先生〜」
「誕生日オメデトウだってば」
「オメデトウ」
子供達が口々にお祝いの言葉を伝えたとたん
ちょっとだけびっくりしていた顔をほころばせてにっこり笑った
「お前達・・・ありがとうな カカシ先生もありがとうございます。
・・・・ところで無断侵入だなお前達」
「あ〜〜 ごめんなさい! でも準備したかったんで」
「早く 中にはいってイルカ先生」
「そうだってば おれ達誕生日の用意してたってば」
「そうなんですよ〜 ま 主役はイルカ先生ですから ささっ中へどうぞ
ちょっとだけ目つぶっていて下さいね」
「はいはい 分かりましたよ カカシ先生まで子供達と一緒になって」
「・・・スミマセン・・・」
「さあ 目開けていいですよ〜」
暗闇の中に揺れるロウソクの明かり
テーブルの上いっぱいに所狭しとご馳走が並んでいるのを見て
「うわっ これは凄いですね」
「そうでしょ これね〜 私達だけじゃなくて商店街の人たちからのもいっぱいなの」
「みんなイルカ先生にってくれたんだってば」
「先にロウソク・ロウソク〜 イルカ先生」
「わかった じゃあいくぞ!」
フ〜〜〜〜ッ!
一気にロウソク吹き消して電気をつけたらイルカ先生の一声が
「せっかくだ、みんなご馳走になろうな」
「「「やった〜 いっただきま〜す。」」」
「さあ もう遅いから お前達サクラをちゃんと家まで送っていくんだぞ?」
「・・・大丈夫だ」
「わかってるってば じゃあ又明日な イルカ先生」
「おやすみなさい イルカ先生」
手を振りながら帰っていく子供達を見つめる目は優しいな〜
「よく食べましたね あの子達 カカシ先生は大丈夫ですか?」
「オレですか? さすがに飯はもう入りませんけどね〜 酒でもどうです?」
「いいですね 酒も良いの頂いたみたいだし、ちょっと待っていてください」
いいながら残ったケーキを冷蔵庫に片づけていく
「半分も残ってしまいましたね」
「あいつらロウソク26本全部立てたかったみたいなんですよ
それより小さいケーキだとちょっと無理そうだったんで」
「そうだったんですか このケーキほんのり甘くて美味かったですね」
ゆっくりと酒をのみながらぽつぽつと話しだす
イルカ先生は、なんだかうれしそうな寂しそうな表情で話すんだ
子供のころ・・・ まあ両親が亡くなって一人暮らしをはじめた後ですけどね
はじめて一人っきりの誕生日を迎えたとき
下忍として貰ったお金でケーキ屋で一番大きなケーキを買ったんですよ
一人で丸ごと食べてやろうと思って
だけど いざ食べ始めたら全然美味しくないんです
両親と一緒に食べたときには凄く美味しくて
もう少し あと一切れだけってねだってまで食べたケーキがですよ?
食べれば食べるだけ 何だか胸が詰まって
いつの間にか泣きながら食べてましたねぇ
それでも捨てることもできなくて・・・結局一週間ケーキ食ってましたっけ
多分 その時本当に一人なんだって自覚したんだと思います
喜んで一緒に祝ってくれる人はもういないんだって
「それから一度も丸ごとなんて買ったこと無かったんです
いつもカットされた一個だけ」
「イルカ先生今日はちゃんと食べていたじゃないですか」
「そうですね 今日は美味かったです 大勢で食べたからなのか
皆が祝ってくれたからなのか、久しぶりにケーキを美味いと思いました」
イルカ先生って呼びかけながらギュウと抱きしめた
「うわっ いきなりなにするんですか カカシさん?」
「そんな顔してちゃダメです」
「そんな顔って・・・・」
わかってないのか? 泣き出しそうな顔してること
「どこに置いてきたんですか?」
「何をです?」
「ケーキですよ 買ったんでしょう一個だけ」
「・・・・・どうして・・」
「今言ったじゃないですか? いつも一個だけって
だったら今日も買ったんでしょう?」
「外の植え込みに・・・ アイツらの気配は分かりましたから 隠しました」
「ちょっと待っていてください 取ってきますから」
「ありましたよ これですね」
小さな白い箱 開くと赤い苺がのったショートケーキが一個だけ・・・
今年も一人で過ごすつもりだったのイルカ先生
ダメでしょ オレがいるんだから そのまま手でつかんで
「はい あ〜んして」
「カカシさん あの 自分で・・」
「ダメです オレが食べさせるんですから」
おずおずと口を開いて一口食べる
オレが一口食べて 又イルカ先生に食べさせて
三度目でケーキは無くなった
キスして抱きしめると 背中に両手を回してくれるイルカ先生
「おめでとう イルカ先生もう一人で食べることはしないでください
丸ごとでも一個でも、一緒に食べましょうね」
「来年も一緒にですか? ・・・カカシ先生」
「もちろんです もう寂しい顔なんてしないで
来年の誕生日も一緒にケーキを食べましょう 約束ですよ」
「ありがとうございます。 カカシ先生・・・」
寂しい笑顔が消えて お日様みたいな笑顔に変わった
Happy Birthday イルカ先生 アナタを愛してるよ
終わり(なんか 尻切れトンボだ〜!!! )