恋人のスタンス ★蛇足★
イルカが話した事はたしかに大した事ではないかもしれない
でも一緒にいる時間が増えれば増えるほど、それではダメだろうと思わせる事
現に一緒に聞いていた男の上・特上連中は揃いも揃ってこういったのだから
「えっと〜 なあ イルカ本当に理由ってそんな事なのか?」
「なんつ〜か それで別れるって言われてもなあ・・」
「そうだよなあ、こういっちゃ何だけどさ オレっちだって任務終わったらダラダラしてるぜ?」
「そう言う事じゃないんです。うまく言えないんですけど・・・
任務への出発前とか後とかでしたら俺だってあの人を思う存分甘やかします
疲れている人にあれこれ言おうなんて思ったことはないんですよ」
私にはイルカの言ってることは良くわかるんだけど
でもだめだわ・・・ こういう事って男連中にはわからないわ
だから紅はカカシと話す事にした、カカシ自ら気づく事は絶対無いと考えたから
「暫くは、アンタがイルカちゃんにやって貰っていたことを全てやってあげなさい
そうしたら見えて来るものがあるはずよ それで判らなければ本当に終わりね
それから私が良いっていうまでイルカちゃんを押し倒したりしないように
いいわね 体を繋げて有耶無耶にしようなんて絶対ダメよ 判ったわね」
あの日「さあカカシと別れた理由を話しなさい」と紅に迫られたイルカは
「自分でも女々しいって思うのでお話するのは恥ずかしいんですが」と
前置きして重い口を開いた。
俺はあの人に恋人になって下さいって言われて本当に嬉しかったんです
でもあの人は俺に優しくして欲しいと居心地のよい場所を求めるだけで
正直しんどくなってきたんですよ 俺だって仕事もっていますし・・・
灯りがついた部屋が嬉しかったのは最初だけでした
そのうちカカシさんが先に部屋に戻って来ていると夕食の準備に慌てたり
掃除もしなくちゃとか 洗濯物も二倍になるし 一人でバタバタしてました
カカシさんは、まるで気紛れなネコのような人ですよね
仕事を持ち帰ると邪魔するんですよ 俺が構ってやらないと拗ねるし
あげくに その・・ 閨のほうも俺の都合はお構いなしだったから
そんな事くらいっていいますけど 翌日演習とか体術の授業があると大変なんです。
あの人の事は好きなんですけど部屋でゴロゴロしてイチャパラ読んでるの見ると腹が立つし
でも 上忍の方に家事を手伝って欲しいって言い出せなくてモヤモヤして・・・
段々、自分がイヤになってきたんです
「何で俺だけが何もかもやらなければならないんです!」って叫んでしまいそうで
だから ガイ先生の仰ったように離れて恋人じゃなくなればそんな事も無くなるって
俺の家にこないだけで他は変わらないんならいいんじゃないかと思ったんです。
「どうイルカちゃん カカシは変わったでしょう?」
「ええ本当にびっくりするくらいですよ 以前とまるで別人のようで
今では食事の後かたづけや風呂掃除までやってくださるんです」
「俺も間違っていたんだって 今度の事でよく判りました。
一人でキリキリして腹を立てる前によく話し会えばよかったんですよね
恋人なんだから一緒にやって欲しいって・・家事もお互い助け合ってやりましょうとか
これからは一人で決めつけたりしないで二人で話しあっていこうと思います
それに以外ですけど、カカシさんはお願いすると気軽に動いて下さるんですよ」
でも何をしてくれるとかじゃなくて、ほんの一言とかだけでもいいんだけどね
「ありがとう」とか「疲れてるみたいだから少し休んでなさい」とか
人間理性じゃなくて感情の動物なんだから、そう言って貰えるだけで嬉しくなるし
結局いつもやって貰って当たり前って態度だと面白くないって事だよな。
「ええ 今は仲良くやってます 今回はご迷惑をおかけしましたが
夕日上忍・・・ 色々お世話になって本当にありがとうございました。」
「クククッ やあねぇ そんな改まって言われると照れるじゃない
カカシに思いっきり奢らせるから気にしないでいいわよ
でも犬も喰わないってのはもうごめんよ? アナタが上手くカカシを躾けなさいな」
「判ってます俺の躾は厳しいですよ、変われない人に人生賭ける気はないですからね」
「カカシはお馬鹿さんだから喉もと過ぎたらなんとやらになるんじゃないの?」
「夕日上忍結構仰いますね 大丈夫ですよ 手綱ははなしませんから」
ニッコリ笑いながらも実に怖い会話を交わしている二人だった。
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