オニがう X

再度目覚めたときイルカは一人で布団に寝かされていた カカシの気配はないが

シーツの肌触りも心地よく、二人分の体液でドロドロだった躰も清められていた

そして枕元には水差しとコップと一枚のメモが置かれていて・・

 

『イルカ先生 今日はお休みしますってアカデミーには連絡しました

オレは任務があるので出かけますが 夕方子供達と一緒に戻りますから

それまではゆっくり休んでいてくださいね〜   アナタのカカシより』

 

「あんのヤロー 何がアナタのカカシだ 好き勝手しやがって」 

 

グシャとメモを握りつぶしたイルカの目はしっかりと据わっており

それから1時間後イルカの姿は商店街にあった。

 

「おばちゃん〜 その太巻き4本ね」

「あいよ なんだいイルカちゃん風邪かい 酷い声じゃないか 

それになんだか躰もきつそうだよ 大丈夫なのかい?」

「あっ? ああ大丈夫だよ 体力はあるからさ それと これとこれも一緒に・・」

「はいよっ 毎度あり!」

 

 

「ふっふっふっ 見てろよ カカシ〜!」

 

 

 

痛み止めを服用して腰の痛みを押さえつつ下準備が全て済んだころ

やけにビクビクした態度のカカシと三人の子供達がやってきた

 

「イッルカ先生〜〜 風邪なおったってば〜?」

「大丈夫ですか イルカ先生」

「・・ 寝ていたほうがいいんじゃないか?」

 

「大丈夫だよ 心配欠けてすまないな じゃ早速豆撒きはじめるか?」

 

三者三様の言葉に笑って応えると「「「 は〜い!! 」」」と元気な声が返ってきた。


「じゃあお前達は縁側に回って外で待っていてくれな」

「わかったってばよ イルカ先生も早くくるってば〜」




子供達が走っていってしまうとカカシがおずおずと声をかけてくる。

 

「あのイルカ先生 タダイマ・・デス」

「はい お帰りなさいカカシさん 豆撒き子供達が先でアナタは後ですよ」

 

怒られると思っていただけに お帰りなさいと言って貰えてカカシは浮かれた

だって無茶苦茶やった自覚があったから 

 

でもイルカ先生が色っぽいのが悪いんだ〜よね 

涙目で挿れてってお強請りされたら、我慢なんて無理!もう絶対無理!

銀色は無茶をやった自覚はあってもソレが悪いことだと思わない自己中だった。

 

 

「オニは〜外 オニは〜外」 

下手で外にいる子供達に2回豆を撒きガラス戸を閉める

家の中にむかって下手で2回 

「福は〜うち 福は〜うち」

もう一度ガラス戸を開けて 外に豆を撒き 

 

「オニは〜外 ナルトは〜うち」さあナルト家に入れ

「オニは〜外 サスケは〜うち」次はサスケ

「オニは〜外 サクラは〜うち」最後にサクラ・・・

 

「よおしっ お前達部屋の中の豆集めてくれ」

「はあいっ」

「イルカ先生 あれってば・・ 」

「ん〜 なんだ ほら太巻き寿司もあるぞぉ 一本ずつ取ってな」

「先生 アイツなんとかしたほうが良いんじゃないのか?」

「このままじゃ なんだか食べづらいんですけど・・」

 

言われて外を見るとガラス戸に顔をベタ〜とくっつけて部屋の中を覗くカカシの姿があった

 

「しょうがないなぁ お前達ちょっと待ってろな」

 

イルカは豆の入った袋をガシッと掴みガラス戸を開けると

カカシにむかって豆を撒いた

 

「オニは〜外! オニは〜外!!」

「痛い! 痛いですっ イルカ先生〜」

 

それもそのはずイルカは上手投げてカカシに豆をぶつけていたのだ。

 

「オニは〜外! カカシは〜外!」

「へっ イルカ先生間違い 間違ってる カカシは〜うち! でしょ」

「間違ってません! オニは〜外! カカシも〜外!!」

 

豆を巻き終わったイルカがピシャリと戸を閉め切った途端に結界がはられ

カカシは家に入ることができなくなったのだ

 

「イ・イルカ先生〜 ちょっと可哀想なんじゃあ・・」

「気にするな カカシ先生はオニの役をやってくださってるだけだ」

 

さあ 南南東はこっちの方角だ みんな準備はいいか?

一気にかぶりつくんだぞ!

 

四人揃って寿司にかぶりつき完食するまでひたすら無言だった・・・・

 

「イルカ先生 ご馳走様でした〜」

「ああ 気をつけて帰れよ」

 

子供達が帰ったあとイルカは台所から皿をもって縁側に向かいカカシに声をかけた

カカシは縁側のしたで膝を抱えて座っていたがイルカの声でピョコンと立ち上がった

 

「イルカ先生酷いですっ なんでカカシは外! なんですか〜」

「ふうん 夕べ何やったか覚えてないんですね 俺がなぜ怒っているのか心当たりもないと?」

「えっ いやあれは〜 でもイルカ先生も気持ちよがってたしぃ〜」

「カカシさん 俺アナタのために太巻き寿司準備しました

これを声を出さずに全部食べ切れたら許してあげてもいいですけど」

「イルカ先生が作ってくれたものならなんだって食べますっ!」

「その言葉に二言はありませんね?」

「写輪眼にかけて誓いますっ」

 

ではと差し出された皿にのっているのはどうみても太巻きならぬ極太サイズ

手を伸ばすと イルカががしっと掴むなり大きく振りかぶって思いっきり投げた!

 

「うりゃ〜〜 とってこ〜〜い 写輪眼!」

「キャ〜ッ なんで投げるんですか!? イルカ先生〜」

「早く捜さないと野良犬に喰われちゃうかもしれませんよ」

「うわ〜ん イルカ先生のいじわる〜〜」

 

泣き声を残しつつ走り去ったカカシの背中をみてイルカはほくそ笑んだ

 

「クククツ・・・ 見つけても完食できるかな?」

 

30分後・・・ イルカの部屋で冷や汗と涙で顔をグチョグチョにしたカカシが

必死で極太巻きずしを食べていた・・・

 

カカシは声もろくに出せない状態だったが それでも約束だから見ていてくれと

イルカの前で寿司にかぶりついたのだった だが一口食べるなり・・・

顔は真っ赤になり冷や汗ダラダラ・・ 鼻水さえも止まらない状態になった

だが絶対食べきることは出来ないだろうというイルカの予測を裏切り

意外にも ほんっとうに意外にもカカシは完食してのけたのだ・・

 

―――やっぱ人間じゃないかも――――

 

「イフカフェンフェ〜 オエ チャンドハベマヒタ〜」

「・・・そうですね 約束ですから許してあげます でも一ヶ月は出入り禁止ですからね」

「ホォンナァ〜〜!!」

 

泣いたってこれ以上は譲歩しないからな

ああ俺って優しいよな〜 オニを祓わずに家に入れてしまっているんだから・・・

 

だけどあの寿司を食べきったんだ そこは褒めてあげることにしよう

だって『激辛キムチ・山葵・辛子・ハラペーニョ』てんこ盛りの超激辛巻きずしだったんだ

これっくらいの腹いせで許してやるなんて俺ってお人よしかも知れない

 

そうオニはどこにでも居る・・・ アナタのすぐ側にも

笑っているのは誰?




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