伝わる想い



カカシさんが美しいくの一と一緒にいるのを見かけた

やっぱりお似合いだよな。だけど胸の奥が痛い

「もう いいんです」

俺はそんなに強くないから、本当は臆病だから 

 

何だかイルカ先生の様子がおかしい

アカデミーでは相変わらず大きな声で子供達を追いかけていたし

頭をくしゃくしゃ撫でて笑っていたり、見た目はいつもと変わらない

だけどオレと居るときにすごく頼りないまるで子供みたいな目をする。

「イルカ先生? なにかあったの?」 いいえ何でもありませんよカカシさん

声をかけたら返事するけど、時々泣きそうな顔をしているんだ

オレには言えないこと? なんで何も話してくれないんだろう

 

  いつの間にか俺の生活にするりと入り込んできた人

 こんな穏やかな日常なんて12年前に無くしてしまった、

いつまで、このままで居られるんだろうか?

知ってしまったらもう手放せない 手に入れたらもっともっと欲しくなる。

無くしてしまう前に、そうなる前に

 

「カカシさん 俺と 別れてくれませんか?」

「何って事いうんですかっ オレは絶対わかれませんよっ」

 

 

「まあ飲めよ お前結構いけるほうだろ?」 

「そうそう ほら イルカ先生この和え物美味しいわよ〜」

 

やっとこさ ここまで引っ張り出したんだ、

なんで俺がこんなお節介なまねしなきゃならないんだか

 

「あの ありがとうございますアスマ先生」 

遠慮しつつも結構飲んで酔いも回ってきたようだし、そろそろ切り出せるかな

「なぁ イルカ 俺が口出す事じゃぁないんだがな」 

わかってますよ、カカシさんに頼まれたんでしょう? 

すみません ご迷惑おかけして

「わかってるんなら なぜだ? お前もカカシに惚れてると思っていたんだがな?」

コップに残った酒を一気にあおって

 

「嫌いじゃないですよ いえはっきり言えば好きです」

「あら カカシに押し切られて付き合ってるとばかり思ってたわ」以外ねぇ

 

おいおい 紅あんまりちゃちゃいれんじゃねぇ 

イルカの奴、また押し黙っちまったぜ

 

「だったら 別れる事ないだろうに カカシの野郎はお前にべた惚れだぜ

お前が逃げ回って話しすら出来ないからって俺にまで泣きついてきやがった」

 

だからまあ せめて、なぜなのか一言くらいは言ってやってほしいんだがな

口ごもってなかなか話し出そうとしなかったが それから次々と飲ませて

やっと 言葉を紡ぎだした。

 

「この前ぇ カカシさんがくの一の方と一緒の所を見かけたんですねぇ〜

本当にお似合いだった カカシさんの横に立つには俺じゃ駄目だと思ったんです。

アスマ先生〜 俺って自分でも野暮ったい男だってわかっているんですよねぇ」

 

「イルカ先生はそこが良いんじゃないの」黙ってろ!紅

 

「いままでにも付き合った人だっていましたよぉ 

 だけど付き合ってしばらくすると「貴方はいい人だけど・・・」

 っていつも言われるんですよね

俺 わかんないんですよ いい人ってどこ見ていってるんだろう?って

カカシさんは本当にやさしいんですよ〜(いや俺はそうは思わんがな)

中忍の俺なんかにも気さくに話しかけてくださるし(お前限定だと思うが)

だからこのまま付き合っていても、

カカシさんは 甘えられる場所が欲しいだけじゃないかって 

そう思ったら怖くなって、もういいんですよ

俺は臆病だから カカシさんからそう言われる前に逃げたんですよ」

 

「イルカ お前カカシのこと甘くみてるぞ あいつは今まで何にも執着しなかったんだ、 

そんな奴に懐かれたんだ 逃げられないって覚悟したほうがいいぞ」

 

「そうよイルカ先生 もっと自分に自信もたなきゃ駄目よ! 

カカシはバカだけどね 自分から捕まえに行かなきゃ幸せにはなれなんだからね」

 

・・・・  返事がない

 

「あ〜らら 寝ちゃったわね どうしてこんなに自信がないのかしらね?

イルカ先生に好意を持ってる人なんて掃いて捨てるほどいるのに

全然気づいてないのね ところでどうする? 貴方が連れて帰る?」

 

「いいや 迎えは来てるさ カカシ聞いてただろう 後は自分でやれよ?」

それからここの払いはお前持ちだぞ

 

「わ〜かってるよ ありがと アスマ 紅」

オレの気持ちがま〜だ 伝わってなかったんだねぇ

もっとじっくり教えなきゃあねぇ

よいしょっ と抱き上げて

「ああ 明日イルカせんせは休むから連絡よろしくね」

 

「イルカ先生大丈夫かしら?」

「まあ大丈夫だろ? 明日起きあがれるかどうかはわからんが

とりあえずもとの鞘にはおさまるだろうさ」

 

「どうする? 飲み直すか」 

「いいわね 二人を肴にしてね」

「でも イルカ先生お酒強いわね〜 1升瓶3本あけるとは思わなかったわ」

半分はお前が飲んだんだろうが・・・

アスマは懸命にも口にはしなかった

 

 

 

ぽかっと目が覚めた

あれ? え〜と ここは家だよな? 確か昨日アスマ先生達と飲んでいたはず・・・

起きあがろうとしたら頭がぐわんぐわんと音と立てて回っている

体もあちこち痛い うぅ 何だってんだよ

 

「はい お水ど〜ぞ」ってカカシさん?

なんでカカシさんがここにいるんだ?? それに素っ裸でっ えぇっ俺も裸?

 

「イルカせんせ〜 夕べオレの気持ちはじっくりたっぷり伝えましたからね

もう 変なことで悩まないでくださいよ〜 オレにはイルカせんせだけですからね

くの一なんて目じゃないですから

イルカせんせも あ〜んなにオレにすがってもっともっとって・・」

 

うわぁぁぁぁ〜!! まってくれ

「もっ もしかして夕べ・・・」

「もちろんですとも〜 これで心身共に俺たち恋人同士ですよね」

 

「あ アカデミーには休みの連絡してありますからね〜」

いっ いったい何て連絡絡したんだ?

それより俺は何も覚えて無いって この体中に残ってる赤い跡は・・・

「ささ イルカせんせい もう一眠りしましょ」って

抱きつかれて一気に心拍数が上がる どうしよう どうしよう?

眠れない俺を抱きしめたまま カカシさんはくうくう寝息をたてて寝てしまった

 

「カカシさん 本当に俺でいいんですか?」

    俺は本当にカカシさんを望んでもいいんだろうか? それが許されるならいい

そう思ったら眠けがおそってきた

今この時だけは二人きり・・・貴方の想いを受け止めてもいいの?

 

「やっと寝てくれた〜ね」

カカシがむくっと起きあがってイルカの髪をなでる

「そうですよ イルカせんせい貴方はもっと自信もってくれなきゃ

そしてオレのこともっと信用してね」

        

 

 

 

終り (弱イルカ でも結局は甘々)

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