ふたりの距離 3
本当はずっとあの人が好きだった
だけど俺の耳に入ってくる噂はそれはそれは華々しいもので・・・
噂以外にも直接自分で耳にした修羅場も何度かあった。
深夜残業して帰るときだったか
「カカシッ どうして? アタシの事好きだっていったじゃない」
「ああ 好きだったよ? 体はね〜 アンタ具合よかったしね」
「なっ なんですってぇ!!」
「だけどね〜 アンタってセックス終わって後もくっつきたがるし
暑苦しくてオレそういうの苦手なんだよね」
「私という恋人がいるのよ?なぜ他の女を抱くのよ」
「オレが誘ったわけじゃ〜ないよ?
向こうから来るんだ別にかまわないじゃないか」
「あんまり口うるさくされると鬱陶しいんだよね〜 もう別れよっか?」
「好きって言ったけどね〜 そんなのお約束じゃない
社交辞令ってヤツ? それを真に受けられてもね」等々・・・・・
酷い男だ、それでも女が引く手あまたというのには
男として羨ましいというか癪にさわるというか
だから「恋人になってくださいよ」と言われても素直に喜べなかった
どうせ俺の事だって単なる暇つぶしにすぎないんだろう
カカシさんは、俺の家に夕飯を食いに来るようになった。
いくら「イルカ先生と同じのでいいですよ〜」と言われたって
はいそうですかって訳にはいかないから
一応料理の本を買ってきて、献立を考えては作る日が続いていたが
「カカシと呼んでください」と
変な事に拘った、呼び捨てなんてできないので
なんとか「カカシさん」で納得してもらったけど
いったいどういうつもりなんだろう?
俺を呼ぶときは「イルカ先生」なのに
カカシさんが俺の家に来るようになって2週間がすぎたころ
なんだか カカシさんが側に居ることに慣れてきたかな
取りあえず、そばで寝ころんでテレビ見ていても気にならないくらいにはだが
イ〜ルカ先生 声をかけられて振り向いたらキスされた
「イルカ先生 好きですよ」
俺は、何て答えたらいい? だってカカシさんには伝わらない
『好きって言ったけどね〜 そんなのお約束じゃない
社交辞令ってヤツ? それを真に受けられてもね』
ああ あのときの言葉が甦る。だったら・・・
俺には何も伝える事ができない
だけどこの人が求める事には答えよう
だって俺はこの人が好きだから、俺がそれを望んでいるから
「ねえ イルカ先生 もすこし口あけて?」
舌を絡めて深く口付けてくる、歯列をなぞられ
心臓が破裂しそう 息ができない 苦しい
「んっ ふぅん・・・」声が自分のものじゃないみたいだ
カカシさんの指が髪を梳きながら 激しく口づけを繰り返してくる。
「うっ ふわぁ・ぁ・・カカシ さん・・」
こんな声出したくはないのに・・・ 止められない
「イルカ先生・・・ キスするの好き? ねえもっと強請ってよ」
「抵抗しなきゃこのまま抱いちゃうよ? いいの?」
体を繋げてしまったら、俺たちはどうなってしまうんだろうか
けれど今だけでもこの人が俺のものになるのなら体なんて惜しくはない