最初の一歩? 1
「うっわ〜まずい!このままじゃ絶対ばれるよ、どうしよう」
ある朝、うみのイルカは鏡の前で心底途方に暮れていた。
「イ〜ルカせんせ〜い 今日もう終わりますか?」
脳天気な声が受付所に響き渡る。
まったくこの人は、報告書提出が先だろうに
「カカシさん、先に報告書提出ですよ」
「あ〜 はいはいお願いします」
さて何て切り出そうかな?
変に誤解されても困るしなぁ・・・・
最初がまずかったよな 最初が
今からでも話せば少しは・・・ 変わらないだろうし
「はい受理いたしました。 任務お疲れ様でした。
あと30分くらいでここは終わるんですけど・・・・」
「じゃあ 待ってますから 一緒に帰りましょう 美味い店見つけたんですよ」
「それはいいですね、では後ほど」
「料理美味しかったですね 酒もいいのがそろっていたし」
「イルカ先生が気に入ってくれたんなら良かったですヨ」
居酒屋では切り出せなかったな〜
でもこのまま家までついてこられたら何時ものように
なし崩しにコトに及ぶこと確実だ・・・
どうしよう どうしよう どうしよう
「・・せい イルカ先生?」
「えっ はい何ですか?」
ああっ いつの間にか家への岐路まで来てしまっているじゃないか
「どうしました? さっきから上の空で 今日は何だかおかしいですね」
「あのっ その ええっと」
「今晩イルカ先生の家に泊まってもいいですか? って聞いてるんですけどね〜」
「泊まってって・・・・ だだっダメです!!」
「えっ! ダメって何で?」
「すすっ すいません 2週間だけ家にこないで下さい。お願いします」
「ちょっとまってよ!イルカ先生」
俺はさしだされたカカシ先生の手を振り払って逃げた
追いかけられたら、すぐに捕まってしまっただろうが
カカシさんは追いかけてはこなかった。
『家にこないで下さい』
『ダメです!』
イルカ先生の声が頭のなかで回ってる・・・・
何で? 何で?
呆然としている間にイルカ先生の姿は見えなくなっていた
オレ・・・・ 捨てられちゃったの?
さっきまで一緒に飯食って、酒飲んで隣で笑っていたのに?
気が付いたら朝日がさしていた。
「イルカ先生〜 おはようっ」
「おう おはよう 急がないと遅刻だぞ」
「だ〜いじょうぶだよ〜」
「せんせ〜 おはよ〜〜」
イルカ先生は何時もと同じだ 何も変わったところはない
いったい何があったんだ?
「海野先生 あれ今日までですよ? 早めにお願いしますね」
「ああ 榊先生 すみません遅くなって、ちゃんと準備してありますから」
「出来てますか? これで全員分そろいました。有難うございます。」
「いいえ 私こそ 遅くなって申し訳ありません 後ほど机の方に届けますね」
同僚の先生と話しながら歩いている
オレが我に返ってイルカ先生の家に行ったときには
すでに出勤した後だったんだ・・・
夕べのうちにイルカ先生に理由を聞けば良かったのに
何だってあんなにボケていられたんだろう
「イルカ先生!」
「カカシさんっ あっ おはようございます」
「あの〜 ちょっと話がしたいんですけど」
「すみません 今日は早朝会議があるので失礼しますね」
「海野先生? いいんですか? はたけ上忍ですよ」
「いいんですよ 早く行きましょう 榊先生」
(すみません カカシさん 少しの間だけ我慢してください)
イルカは心の中で謝っていた。
イルカ先生 本気でオレと会わないつもり?
話しもしたくないくらいなの
それから三日間イルカ先生を追いかけて気づいた
本気でオレから逃げていることに