絆された瞬間





うみのイルカ男盛りの25歳

今月はやたらめったら忙しくて疲れもピークに達していた

どれくらい忙しいかといえば

 

つかう食器も底をつき、流しに山積みになったまま

部屋の隅にはうっすらと綿埃がつもっているし

洗濯物もたまる一方で、洗濯かごからあふれ出して

もう着替えもやばい状態になっていた

極めつけゴミ出しの日は何時だっけ?

 

お昼は買弁・・夜は出来合いの総菜もしくは居酒屋で済ませて帰る日々

家に帰っても風呂どころかシャワーを浴びたら

す〜ぐに寝ちゃうくらいには疲れきっていたりした。

朝起きたときの生理現象にも久しくお目にかかってないってくらいには

 

 

 

「イ〜ルカ先生!今晩どうですか?」

 

クィッと飲む仕草で誘ってくる人・・・

最近よく話しかけてきては食事や酒に誘ってくる

うれしいけど・・・ありがたいけど・・ 

今は話しかけないで欲しいし誘わないで欲しい

なんだか八つ当たりしそうだから

俺はこんなに忙しいのに何だってアンタはそんなヒマそうなんだよって

 

 

「すみませんが、今日も遅くなりそうなので・・・」

「ダメでしょ イルカ先生 そんな目の下に隈つくっちゃて、

顔色悪いですよ、ちゃんと食事してますか?

ささっ仕事はもう終わってご飯食べにいきましょ〜よ」

「申し訳在りませんが、これを片づけておかないと明日に響きますので・・・」

「え〜〜〜 今日もダメなんですか? 

イルカ先生何時になったらいいんですか?」

「まあ そのうちには・・」

 

言葉を濁しても聞いちゃいないしな

 

「う〜ん 何だかね〜 まっいいでしょ じゃイルカ先生又今度ね」

 

あれ? 今日はヤケにあっさり引いたな

とにかく仕事だ。今日こそ終わらせてゆっくり休むぞ

 

 

 

「はぁ〜 ただいま〜」

 

誰もいないのについ言ってしまうな〜

一人暮らしってこんな時なんだか寂しいや・・・

あれっ 俺、今朝電気消し忘れたのかな?

 

「おかえりなさい♪」

「!? カカシ先生? 何でここにいるんですか?

 ってかどうやって入ったんです!?」

 

声を聞かなきゃ誰だか分からなかったよ

あんたそんな顔してたのか?

初めて見たぜ写輪眼 赤い瞳が結構きれいだな

 

「簡単でしょ? 俺の愛の力ですよ」

「・・・・・」

「イルカ先生? どうしました?あのね食事作って待ってたんですよ。

イルカ先生お腹空いてるでしょ? 一緒に食べましょうよ」

「えっ? あの カカシ先生が作ったんですか?」

「そーですよ〜」

 

以外だ? この人料理も出来たのか?

不法侵入のこととか、どうやって俺の家を知ったのかとか

つっこむべき所は明後日の方向へ追いやられてしまってる。

あっけに取られている間に

 

「ささっ 早く中に入ってくださいよ」って俺の家だろ?

 

あんなに散らかっていた家の中が何だかスッキリ片づいているじゃないか?

それに良い匂いがする。

 

「イルカ先生 怒らないで下さいね 勝手に片づけさせて貰いましたよ」

「えっ あのっ カカシ先生がですか?」

「そりゃ ここにはオレ以外いないでしょ?」

「アリガトウゴザイマス」

 

続いて、カカシ先生が言った言葉にショックが2倍になった

 

「食事暖め直しますから、イルカ先生風呂入って来てくださいね?

 着替えは出してありますよ」

 

はぃ? 着替えですか?

替えの服なんてもう無かったはずなんですけど・・・

 

「洗濯ものは全部洗って乾燥機かけてきましたからね〜

 たたんでありますよ♪」

 

まさかっ パンツもか? オレ何枚ためてたっけ?・・・

 

「イルカ先生 ぼうっとしてないで、早く風呂済ませてくださいって」

「は・・ぃ」

 

風呂から上がってきたら

テーブルの上に料理がならんでいる。

湯気のたったみそ汁や、炊きたてご飯、焼き魚・和え物等々

久しぶりのまともな夕食だ

 

「さあ 食べましょうよ」

「はい いただきます」

 

ああ 美味しいなぁ

 

「カカシ先生 美味しいです」

「そう? 良かった たくさん食べてくださいね」

 

俺のために作ってくれた料理・・・

何だか照れくさくて、嬉しくて胸の奥が暖かくなる

八つ当たりしなくて良かった

 

 

食事を済ませてお茶を飲んだけど

カカシ先生はニコニコ笑いながらゆったり座ったまま

なんだか優しい空間・・・ 無理に喋らなくてもいいのが気楽だ

 

「あの カカシ先生 今日は有難うございます。」

「気にしないで下さいね〜 オレが勝手にしただけだから」

「だけど、俺いつも誘って頂いても断ってばかりだったのに」

「うん だけどねイルカ先生 外で食事するのも億劫だったでしょ?

 オレはイルカ先生と一緒に食事するの楽しいけど

 疲れていたら家でゆっくりしたいかな〜と思ってね〜」

 

まあ柄にもないことしちゃいましたかね? 

 

「イルカ先生 オレねイルカ先生のこと好きなんです

 つきあってくれませんか?」

「あのっ 俺は男ですよ?」

「あらら オレ今まで結構アプローチかけてたつもりだったんだけどね〜

そりゃ分かってますってば、オレね結構恋人としてはお得だと思いますよ

 一人暮らし長かったから家事は一通りできるし

イルカ先生が疲れてるときはオレがお世話しますよ?」

「恋人? 俺が?」

 

この上忍が恋人? いやそれはちょっとまずいだろ

 

「任務が早く終わったときとか、休みの時は

イルカ先生が帰ってくるの食事作って待っててあげますよ」

 

明かりが点いている家・・・

温かい食事

どうしよう OKしたい

 

「木の葉一の技師の名にかけてもイルカ先生を満足させますよ

オレ自信ありますから」

 

まずいっ 両肩を掴んで揺さぶられた勢いで肯いてしまった

 

「やった〜 イルカ先生今日からオレ達恋人同士ですね〜」

 

こんなに喜んでくれるんだ まっいっか〜

俺もなんだか嬉しいし

 

「じゃ 早速恋人同士の営みしましょう」

「はぃ? 営みって何ですか?」

「もう知らないふりしたってダメですよ イルカ先生! ではいただきま〜す」

「うわっ わわわわわわ〜〜〜〜〜」

 

 

 

 

 

「イルカ先生 朝ご飯できましたよ〜 早く起きてくださいね〜」

 

脳天気な声が俺を呼んでいる。

早まった!俺は絶対に選択を間違えたんだ。

確かに俺は何もしなっくて良かったさ

だけど朝まで眠らせて貰えないくらいだったら

お世話なんてしてもらわなくって結構だよ

 

あらぬ場所の痛みにうめきつつ後悔する

うみのイルカ男盛りの25歳の朝だった。

 

 

終わり 疲れていたら頭の回転鈍くなるよね・・・





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