カリカリカリカリ・・・

パサッ

カリカリカリカリカリ・・

 

「なあイルカ?」

「何だ?」

 

かけられた声に顔も上げずに返事を返す

 

「お前もう終わるか?」

「見てわかんだろう 終わんねえよ」

「もう終わってくれないか?」

「・・・・・」

 

何言いだすんだよ コイツは 顔を上げてにらみつけ

 

「ダメだ! 先週休んだ分仕事が山積みなんだ」

「分かってるよ 分かってはいるんだけどさ〜」

「頼むよ アレどうにかしてくれ

気になって、気になって余計に仕事が進まねえんだよ」

 

指さされた窓の外に視線を向けると

職員室を見上げられる木のしたに立っている人影があった

俺の視線を感じたのか笑って手ぇ振っていやがる

なんでまだ居るんだよ さっさと帰りやがれ!

 

「はたけ上忍さ〜 この一週間お前の帰りをああやって待ってるだろう?」

 

そうなんだ 最初は受付所で俺の仕事が終わるまで待ちますからって言われて

 

「結構です! 私なんか待ったりせずにサッサとお帰り下さい」

「お気になさらずに オレが勝手に待ってるだけですから〜」

 

へらへら笑ってかわされたんだった

ちくしょう 中忍だからってバカにしやがって

この一週間俺がどれだけ好奇の視線に晒されたことか

あいつは絶対確信犯だ

一週間前の事がありありと甦る

 

 

受付所にざわめきが広がっていた その中心にいたのがあの男だ

 

「おい・・写輪眼だぜ」

「こんど上忍師としてしばらく里にいるらしいな」

 

くの一達からは一際感嘆の声が上がっていた

 

「すてきねぇ 声かけちゃ失礼かしら?」

「極上の女しか相手にしないって噂よ」

「だったらはたけ上忍とお付き会いできたら格も上がるってことよね」

 

 

回りのざわめきも気にとめずに俺の机の前に立って

 

「はじめまして〜 アンタがイルカ先生?」

「はい! 初めましてはたけ上忍ですね、宜しくお願い致します。」

 

なんで俺に声かけるんだ? この上忍は

無礼な事は出来ないし きちんと挨拶しておこうを席をたった

 

「ナルト達からお噂はよ〜く伺ってますよ〜」

「あの・・・ いったいどんな噂でしょうか?」

「まあ 悪い事じゃな〜いよ あの子達はイルカ先生が大好きなんだね〜」

「・・・・ あ その ありがとうございます」

「ふ〜ん 真っ赤になっちゃって  かわいいねえ」

 

何言ってるんだよ、こんな男のどこ見てかわいいって言葉が出てくるんだろう

上忍とは言ってもピンキリだしな

ああもう、視線が集中しているのがわかるよ・・・俺は目立ちたくないのに

変に関わる前にさっさとお帰り願おうと口を開こうとした時

ガシッと両手を握られて

 

「アンタ気に入ったよ オレとつきあってよ」

「はいっ?」

「あ OKね じゃあここ終わったら一緒に飯食いに行こうね」

 

オレはOKしたわけじゃないぞ

 

「じゃここのソファーで待ってるから 早く終わらせて」

 

勝手に決めるんじゃない

その日は一日仕事にならなかったんだ

突き刺さる視線はみな同じ

 

「なんであんな冴えない中忍なんかに?」

 

一言で言えばそういうこと・・・

これが俺じゃなくて女性だったら問題なかったんだろうに

 

「イルカ お前もう帰って良いから・・・」

 

暗にアレを何とかしろと言われて仕方なく一緒に飯食ったんだ

そのときに、はっきりきっぱりお断りしたのに

それから毎日迎えにくる

受付所やアカデミーで居座られたら回りが気にしすぎるくらい気にするので

なんとか外で待ってくれるようにお願いしたんだった

だってどんなに無視しても聞いちゃいないし・・・

 

「い〜んだよ ほっといても」

「だけどさぁ イルカ あれだけお前につれなくされてもああやって待ってるんだぜ

はたけ上忍あんがい本気じゃないか?」

「お前らさぁ 俺は毎日針のムシロ状態なんだけど そういうこと言うわけ?」

「イルカだって はたけ上忍に憧れていたじゃないか」

「あの人がああいう人だって知る前はな!」

 

最年少で上忍・暗部・写輪眼と華々しい噂に憧れていたのは本当だ

憧れているだけで良かったのに、なまじっか近くにいるから困るんだ

 

つきあって やっぱりアンタつまらない男だね〜 何ていわれたら立ち直れないし

俺は今まで目立たないように生きてきたつもりなのに

今や里中の噂の的らしいな・・・

俺をネタに賭も始まっているとか

曰く、イルカは落ちるか落ちるないか、

何ヶ月続くかなど 人をダシにしやがって




続く  →2


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意地っぱりの恋 1